揣摩臆測で人を誹謗するのはやめよう。
小沢氏を「強制起訴されるかもしれない人物が首相になるかもしれない代表選に出るのは適格を欠く」というのは為にする議論だ。そうしたタラ・レバを言いたてるのから、あなたも明日には起訴されるような目に遭うかもしれない。だからあらゆる公職に就いてはならない、というのと何等変わらない。
起訴されたところで「推定無罪の原則」がある。たとえ検審会で「起訴相当」という馬鹿げた議決が出たとしても、小沢氏は「逃げない」で堂々と法廷で争うと言った。そうすれば検察がいかに無理筋の法的に問題のある強制捜査をしたかが国民に良く分かるだろう。日本の大マスコミがプロパガンダさながらに一人の政治家を抹殺しようと大キャンペーンを張ったかも良く分かるだろう。
大マスコミの記者にしてその程度の正義感も持ち合わせないで、小沢パッシングに加担するとは、社の方針とはいえ情けない人物だ。あなたは小沢氏が問題とされた04,05,06年の政治資金収支報告書や当該土地の登記簿謄本や不動産会社と締結した契約書などを自分の目で検証したのだろうか。その上で「小沢氏の代表選出馬の適格性」判断云々を提起したのだろうか。
単に「政治とカネ」という括られた常套句を存在する事実であるかのように中身も何も確かめずに書いているのなら、ジャーナリストとして恥を知らなければならない。
普天間基地移設問題でも「腹案があるのか」と訝り、否定的な文言を連ねている。人は自分の目で相手を見る。見る者が小さな観念しか持ち合わせていないなら、相手がいかに壮大な構想を秘めていても見抜くことはできない。
小沢氏は鳩山氏の二の舞を演じることはない。だから「私には案があります」とは決して言わない。なぜなら「案」を匂わすとたちまちお節介な大マスコミが先回りして潰して歩いたからだ。
普天間基地にいるのは海兵隊だ。米軍は図らずも海兵隊の大幅な配備の見直しを行っている。だから小沢氏は沖縄の別の場所に海兵隊基地を造る必要はないと思っているのだろうが、それをいま明言しては国益を考えない大マスコミがどのような妨害工作をするか知れたものではない。大マスコミの記者たちは国益よりも政局が混乱して新聞や週刊誌や雑誌が売れて会社が儲かるのを至上命題としているのではないか、と思える節がある。
与党の幹事長が防衛問題や外交問題に責任があるかのように書いているが、政府行政当局と党務立法当局と仕事分担に境界があるのは明らかだ。それとも政府当局が普天間問題で小沢氏に相談を持ちかけ、それにこたえる形で小沢氏が普天間問題で嘴を挟んだ証拠でもお持ちなのだろうか。そうではなく、単に思い込みで小沢氏も「関与していたはずだ」というのなら「起訴される可能性のある者が…」という下りと同じほど荒唐無稽な話の類だ。何ら根拠のない、法的に問われるべき責任もない、ただ大マスコミが繰り返し報道した恥ずべきリーク記事と同じ程度の記事でしかない。壊れてしまったレコードはここらで捨ててはどうだろう。
普天間問題は辺野古沖だけに限定して論じる話ではない。米軍の世界戦略による再編配備と、日本が日米同盟の名の下にどこまで米軍の世界戦略と付き合うのか、といった根本的な話し合いの上で解決策を見つけなければならない。だから時間がかかるのか、というとそうではない。米軍は米国財政赤字と軍備予算削減の関係からもはや現状の世界戦略は破綻寸前なのだ。ただ日本だけが気前よく米軍駐留経費負担割合で世界各国平均の10倍も支払っているから、居心地が良いので米軍は手放したくないだけだ。本国に軍を置くよりも負担は少なくて済むと米軍関係者が告白しているほどなのだ。
ためにする記事を書いたり、為にする解説をテレビで喋るのはやめよう。国益を担って米軍と交渉するのは菅氏が良いのか、小沢氏が良いのか。その一点だけに絞ってでも冷静に議論してはどうだろうか。