「世論調査」至上主義の危うさ。
前原氏はどの世論調査に重きを置くというのだろうか。この国にはたくさんの世論調査があって毎週のように繰り返されている。しかし、どれ一つとして確証を置くに足りるものではなく、新聞社などが片手間に行っているお粗末なものでしかない。
前原氏は「国民の世論に従うのが政治家だ」という。そんな馬鹿な論理はない。従うべきは選挙結果であって、選挙の際に国民と約束した「マニフェスト」ではないだろうか。特に民主党は昨年の夏に掲げたマニフェストで選挙を戦い、政権を獲得した。マニフェストを実行すべき責任は重大である。
前原氏は菅氏が世論における支持率で小沢氏を圧倒しているから、菅氏に票を投じるのは政治家として当然だという。
世論調査は全国紙の独壇場ではなく、ネットでも行われている。ためしにYahooみんなの政治を参考までに見られると良いだろう。小沢氏が支持率で菅氏を倍近く圧倒している。しかも投票したネットユーザーの年齢構成をみると、かなりバラけていてネットだからと若い人に特化したものとはいえない。
前原氏は政治家は国民世論に従えという。しかし国民世論とは何だろうか。大マスコミが実施する「世論調査」により誘導される民意がさらに紙面で拡大され世論として定着する。そのようなカラクリで政治家が首相を選ぶとしたらポピュリズムそのものではないだろうか。政治家本人の政治信条とか志といったものとは無縁な大マスコミ主導の政治が実現するだろう。
前原氏の意見に賛同できるものは極めて少ないが、この「政治家は世論調査の結果に従って菅氏を支持すべき」とする意見はバカバカしくて情けないほどだ。