日銀と政府の円高無策の現れだ。
外貨が日本に流れ込んで円を買い続ければそういうことになる。それでも菅氏はこれから「円高対策の取りまとめ」をするという。何たる能天気な話だろうか。荷為替の決済を迫られる輸出企業は日々の為替動向で息が止まるほど苦悩しているというのに。
御用学者が「円高の効用」なるものを説くが、この国が輸入超過状態が望ましいのなら、そうした論も傾聴に値するだろう。しかしトレーダーとして為替取引をする者でない限り、必要以上の円高は国内企業の基礎体力を奪うものだ。そのため海外へ移転を計画する企業が増えているが、それで「雇用増大する」という菅氏は経済を根本的に御存じないのだろう。
世界金融ではユーロがジャブジャブの状況でドルまでもジャブジャブだ。さらにオバマ氏は国内失業率改善に迫られ「世界第一位のインフラ整備を目指す」として莫大な公共事業を強引に始めるようだ。さらにドルはジャブジャブとなり無策の円だけが買われ続ける。もはや一日も早く菅氏には退陣願うしかない。ここは強引な財政支出をしても国内に円をばら撒くことだし、国外にもユーロやドルに負けないほどジャブジャブにばら撒くことだ。そうした政策に出ないから、ユーロやドルは円を国際金融の安全弁みなして利用しているのだ。
協調姿勢を引き出すためにも、円ももはや支えきれないとギブアップの姿勢を国際金融に示さなければならない。