ユーロ危機に対して欧州金融安定化基金(EFSF)に拠出することが本当に最重要事なのか。
欧州危機が叫ばれて久しい。ギリシャやイタリア、スペインやポルトガルなどの債務が拡大し、財政破綻するのではないかと危惧されている。 それらの国が財政破綻すると国債を引き受けている銀行が信用不安に陥り、破綻する可能性が高くさらなる信用破綻を招くから世界的な金融恐慌に陥るという。何とかして財政破綻を防ぎ、金融危機を招かないようにするために、まずユーロの信用を高めるために欧州金融安定化基金(EFSF)を積み増してギリシャやイタリアにもっとユーロを貸し付けられるようにしなければならないという。 しかし、そうした策は所詮は問題の先送りに過ぎない。爆発に向かって膨らみ続ける風船を世界は抱え続けているに過ぎない。ギリシャの赤字体質が改善されたわけではなく、日々ギリシャの国家財政の赤字は膨らみ続けている。それはイタリアなどの他の国も同じことだ。風船は膨らみ続けている。日本の赤字は積み上げられ続け、米国もドルのデフォルトが根本的に回避できたわけではない。 ただ日本や米国は通貨発行権を持っている。財政破綻が決定的になれば通貨を発行して危機を回避することが国家の責任においてできる。ただ反作用として通貨の信認が失墜してハイパーインフレを招きかねない。だがそれも通貨を実態経済以上に発行した国家のことだ。 ユーロ圏の問題の深刻さは17か国が参加したユーロ圏の構造そのものにある。つまりギリシャやイタリアに通貨発行権がない。国家として自国の通貨を放棄したことにより両替の不便さは解消できたが、政府がそれぞれ異なるため破綻の可能性のある政府が17も集まったに過ぎない、という実態がそもそも問題なのである。ギリシャは膨大な公務員を抱え膨大な額の公務員年金を支払い、国家財政を圧迫し続けている。しかしそれに対して他の国がギリシャの内政に直接関与することは出来ない。独立国家たるギリシャの国民生活はギリシャ政府のハンドリングの下にあるが、その責任はすべてのユーロ圏内の参加国に及ぶ。 そのユーロ圏のミニチュア版が日本国内にもある。ギリシャに該当する独立国家が官僚たちだ。彼らは日本の国家財政に膨大な赤字が積み上がろうと彼らが手にした利権を決して手放そうとはしない。国民生活がどうなろうと知ったことではない、として7%3年間の給与引き下げに対しても「人事院」が「憲法違反だ」と声を上げる。そして地方