学校火災など断じてあってはならない。

<東京都北区の区立滝野川第三小学校で児童ら11人が重軽傷を負った火災で、区は2日の記者会見で、9月に避難状況などを検証する会議を設置する方針を明らかにした。今年度末に検証結果や再発防止策を取りまとめる。

 「今回の火災を極めて重く受け止めている。二度と繰り返さないよう検証を進めたい」。山田加奈子区長は会見でそう述べ、深々と頭を下げた。
 会議では外部の有識者も交え、消防設備や避難誘導の状況、訓練のあり方などについて検証するという。
 火災は先月19日午前に発生。区によると、40歳代の女性教員が出勤後に家庭科室で私服を洗濯し、火元の4階の音楽準備室内で私物のストーブで乾かしていたとする趣旨の説明をしているという。校長が毎日、校内を巡回して安全確認を行っていたが、準備室は確認しておらず、ストーブなどが持ち込まれていたことを把握していなかった。
 同校は6日以降、一部の児童を近隣の学校に分散登校させ、夏休み明けの9月をめどに区内の施設に学校を仮移転し、全校児童そろっての学校再開を目指すとしている。高草木政浩校長は「多くの方々にご迷惑をおかけした」と謝罪した。>(以上「読売新聞」より引用)




 児童ら11人が負傷する学校火災の出火原因等の説明が「東京・北区小学校火災、校長は教員のストーブ持ち込み把握せず…区が避難状況を検証する会議設置へ」と題する記事で報じられた。
 出火までの経緯は「40歳代の女性教員が出勤後に家庭科室で私服を洗濯し、火元の4階の音楽準備室内で私物のストーブで乾かしていた」という。学校施設の私的利用で火災を起こしたとは言語道断だ。そのような公私の区別がつかない状況が日常的に学校現場で起きていた、ということだろうか。

 現在、教育現場からの要請で一学級の児童・生徒数は30人以下とされ、教員は担任だけでなく副担任まで設けられている。そのような教育環境下で「校長は教員のストーブ持ち込み把握せず」とは不可解だ。
 学校長は総責任者として日常的に構内を巡回・点検してなかったのだろうか。もちろん当該小学校を管轄する教育委員会も、せめて学期ごとに小中学校を巡回・点検してなかったのだろうか。

 また「区が避難状況を検証する会議設置へ」とあるが、区は地震・災害時に公的施設から市民や職員、さらには児童・生徒の安全な避難計画を策定してなかったのだろうか。何のための「防災の日」なのだろうか。
 区議会も怠慢の誹りを免れない。区議会内には文教・教育委員会が設置されているはずだが、所属する区議会議員はたとえ年一回でも区が所管するすべての学校施設を点検・巡回していなかったのだろうか。

 行政は区庁舎の中にあるのではない。それぞれの現場にこそ、行政はある。区庁舎内に閉じこもっているのでは「引き籠り」と何ら変わらない。議員諸氏は現場に出向いてこそ、現実的な問題点が明らかになる。
 教育委員会は学校と連絡事項のやり取りをしていれば業務が完遂できるわけではない。学校現場を知らずして、教育委員会の職務が務まると考えているとしたら大間違いだ。同様に、学校長や副校長は学校施設の細部にわたるまで管理・運営していなければならない。もちろん件の火災原因となった私物の電気ストーブを私物の洗濯物の乾燥に使用するなど言語道断だ。これほど弛緩した学校運営はあり得ない。それぞれの持ち場の一人でも、真摯に児童・生徒の安全を気にしている者がいれば、今回の学校火災は起きなかった。すべての関係者に猛省を促したい。