マヤカシの李強演説に全人代議員は「あくび」している。

<3月5日、年に一度の国会にあたる全国人民代表大会(日本では一般的に「全人代」と訳しているが、ここでは中国式に「人大」と訳す)が8日間の日程で開幕。初日の午前9時過ぎから、恒例となっている李強首相の「政府活動報告」が行われた。

 習近平時代になってから、「人大」は軽視されてきた。おそらく、すべての重要事項は共産党の中央政治局で決めるのだから、人大は「形式的な承認機関」にすぎないという発想なのだろう。
 実際、前任の胡錦濤時代には約2週間行っていた人大を、7日間に半減させた。「政府活動報告」も、胡錦濤時代の約2時間から1時間以内に半減させた。閉幕日の恒例行事だった首相による年に一度の記者会見は、胡錦濤時代の温家宝首相は4時間以上行うこともあったが、記者会見そのものを止めさせてしまった。

「小さな異変」と「大きな驚き」
 私は「中国ウォッチャー」として、過去30年以上にわたって毎年、人大を見てきたが、今年は、「小さな異変」が起こった。まず日程が、7日間→8日間と1日延びた。李強首相の「政府活動報告」も、50分(2024年)→55分(2025年)→1時間7分(2026年)と延びた。「習近平」という単語は、13回俎上(そじょう)に上ったが、やや減った(2024年と2025年はそれぞれ15回)。
 私が「政府活動報告」をインターネットの生中継で見ていて一番驚いたのは、人民大会堂の「万人大会堂」1階席を埋めた代表たち(国会議員に相当し、参加者は2765人)が、しきりに大あくびをしていたことだ。習近平主席が壇上中央に鎮座する重要会議で、しかもCCTV(中国中央広播電視総台)のカメラが四方八方から映しているのに、あちこちで代表たちが、あくびをかましていたのだ。
 日本の国会でも「居眠り議員」が絶えないので隣国のことを言えたものではないが、これまでは見られなかった。少なからぬ代表たちが、緊張感なく李首相の報告を聞いていたのではないか。俗な言い方をすれば、「場がシラケていた」のである。
 そんなことを前提に、以下、李強首相の発言から気になったものをピックアップし、短評を加えていく。

「雇用は安定」というが…
「この一年の経済運営は総じて平穏で、安定の中で前進した。GDPは5%成長し、総額は140兆1900億元に上った。雇用も総じて安定し、都市部の新規就業者数は1267万人で、都市部の調査失業率は平均5.2%だった。食糧生産量は7億1500万トンに達した」
 俗に「5大データ」と言われるのが、GDP(成長率)・新規就業者数・失業率・物価上昇率(CPI)・食糧生産量だが、CPIは省略した。それは、去年の目標が2.0%前後だったのに、結果は0.2%だったからだ。つまり、インフレを警戒していたら、デフレになったのである。
 また、食糧生産量はともかく、残り3つのデータは、明らかに「街の不景気感」と合わない。中国国内の経済専門家たちからも疑問の声が上がっていることを付記しておく。
「産業用ロボット、集積回路の生産量はそれぞれ28%、10.9%伸び、NEV(EVなどの新エネルギー車)の年産量は1600万台を超え、EVの充電所は2000万カ所を超えた」
 AI、ロボット、EV、電池などの発達は、確かに目覚ましいものがあり、日本のはるか先を行っている。だが今年に入って、NEV購入時の補助金を半減したため、中国国内での新車販売台数はガクンと下がり始めた。中国経済はますます輸出に頼るしかない状態だ。
「国内では政策の『組み合わせ』をうまく打ち出し、マクロ政策の反周期的な調節を強化し、雇用・企業・市場・予測の安定に注力し、力を集中させて自己のことをうまくやってきた」
 これに関しては、知人の中国人経済学者が、「中国社会の最大の問題である就業をトップに持ってきたところを評価する」と言っていた。ちなみに、2023年~2026年の大学・大学院卒業生は計4829万人に上り、これは日本の首都圏の人口よりも多い。
「国際経済貿易の環境は急変している。一国主義と保護主義がむくむくと台頭し、市場の予測は頻繁に攪乱させられ、対外貿易は目に見えて圧力を受けている」
「昨年の第2四半期(4月~6月)以降、経済運営の新たな状況、特にアメリカによる追加関税の打撃を受けている」
 アメリカ批判を大きくぶちたいところだが、今月末にドナルド・トランプ大統領の訪中を控えているので、受け身的な表現に抑えている。
「引き続き力を尽くして不動産市場を安定化させ、新規不動産用地の供給を合理的に制御し、都市部の実情に応じた制限措置の緩和を行い、個人の住宅ローン利率を下げ、『購入した住宅の確実な引き渡し』が全面的にきちんと行われるようにしていく」
 不動産バブルの崩壊が、現在の中国経済悪化の根源であることは周知の事実なのに、政府の対策の本気度が見られない。おそらく、AIやロボットなど先端産業を伸ばすことでカバーしていこうということなのだろうが、そうしている間にも、不動産が底知れぬ落ち方をしている。このままでは地方経済が破綻していく懸念がある。

環境問題は確かに改善
「引き続き製造業のデジタル化による転換と、『AI+α』行動を推進し、業界での応用を加速的に定着させ、新たなスマート端末を不断に創り出している」
 あらゆる業界にAIを活用する政策は、アメリカとともに急速に進んでいる。中国ではまもなく、小学生からAI教育が始まる。
「貿易は安定して拡大しており、輸出は6.1%伸びた、外資安定化行動案を出し、新設の外資企業数は19.1%増加した。自由貿易試験区の高度化戦略を実施し、海南自由貿易港は全島で起動した。ハイレベルの『一帯一路』を推進し、各分野での実務協力のレベルを不断に引き上げていく」
 まさに中国経済は「輸出一本足打法」で、輸入は前年と同額だった(ドルベース)。外資企業数が伸びているというが、伸びているのは主に発展途上国の企業で、日系企業は顕著に減っており、残っても規模を縮小する企業が多い。また、中国経済の悪化によって、習近平政権の広域経済構想「一帯一路」は岐路に立たされている。

「都市部のPM2.5の平均濃度は4.4%低下した」
 習近平政権で私が一番評価できるのは、環境問題を改善したことだ。中国では「藍い空(藍天)・碧の水(碧水)・きれいな土(浄土)の保衛戦」と呼んでいる。
「保護主義と一国覇権の道に断固として反対し、多国間主義と開放・協力を断固として維持・保護し、第二次世界大戦の勝利の成果を断固として死守する。グローバルガバナンス・イニシアティブを提唱し、人類運命共同体の構築を推進していく」
 一句目と二句目は反米で、三句目は反日。これでどうして人類運命共同体を作れるのだろう?
「過去5年、住民の一人当たりの可処分所得は年平均で5.4%増加し、都市部の新規就業者数は累計で6000万人増加した」
 5年前は「ゼロコロナ政策」時代であり、その時と比較してもあまり意味があるとは思えない。5年で新規就業者数が6000万人というのも、これだけの不況下で数字のマジックに思えてならない。
「労働年齢人口の平均教育享受年数は11.3年に増加し、平均寿命は79.25歳まで延びた」
 1980年代から続けた「一人っ子政策」は何かと評判が悪くて、10年前に撤廃した。それでもなかなか子供は増えないが、「一人っ子政策」は教育と長寿の面から見ると、プラス効果もあったかもしれない。中国人はこの30年で、本当に長寿になった気がする。

GDP成長率の目標、ついに5%を割り込む
「2035年の一人当たりGDPを、2020年の2倍にし、ミドルクラスの先進国のレベルまで達する基礎を築く」
 これは現在の長期不況が、いつ改善に向かうかによるだろう。
「全人民の『共同富裕』の推進を際立たせる。中国式近代化は、全人民が共に豊かになる近代化である」
 1953年に毛沢東主席は、「共同富裕」(全員が平等に富裕になっていく)を唱え、中国を社会主義国に導いた。その後、改革開放に舵を切った鄧小平氏は、1985年頃から「先富論」(先に富裕になる人からなる)を提唱し始めた。習近平主席は、「先富論」によって社会格差が増したとして、2021年から再度、「共同富裕」を唱え始めた。これには「経済成長に水を差す」と一部反発もあったが、いままた正面突破していくということだ。
「労働年齢人口の平均教育享受年数を11.7年に増加させ、平均寿命を80歳に引き上げる」
 これは達成できるだろう。
「今年の発展の主要予定目標は、以下の通りとする。GDP成長率は4.5%~5%、都市部の調査失業率は5.5%前後、都市部の新規就業者数は1200万人以上、住民消費者物価指数(CPI)の増加は2%前後、住民所得の伸びはGDPと同水準、食糧生産量は7億トン前後、単位GDPあたりのCO2排出量低下は3.8%前後とする」
 2023年~2025年はGDP成長率の目標が5.0%前後だったが、ついに落とした。これは予測していた。昨年第4四半期に成長率が4.5%まで落ち、5%の維持は事実上、不可能になりつつあったからだ。そもそもGDP成長率自体が、実体経済を反映しているのかという疑問は、前述のように起こっている。
 だが私がもっと信じられないのが、失業率と就業者数だ。CPIは昨年も目標が2%だったが、結果は0.2%だった。すなわち、インフレを警戒して設定した目標だったが、デフレに向かっているのだ。食糧7億トンは達成すれば3年連続となるが、耕作地を増加させる政策を続けており、可能だろう。

電化製品などの消費財、政府の補助で買い替え促進
「今年の財政の赤字率を4%前後にセットし、赤字規模を前年より2300億元(1元≒22.8円)多い5兆8900億元とする。一般公共予算の支出規模は初めて30兆元に達し、前年よりも1兆2700億元増加する。超長期特別国債を1兆3000億元発行する予定で、特別国債の発行は3000億元、地方政府の専項債の発行は4兆4000億元を予定している」
 これらを昨年と比較すると、赤字率の4%は同じ。赤字規模は、4兆元(2024年)→5兆6600億元(2025年)→5兆8900億元(2026年)と増加している。超長期特別国債の発行額は、1兆元(2024年)→1兆3000億元(2025年)→1兆3000億元(2026年)。特別国債は、3000億元(2024年)→5000億元(2025年)→3000億元(2026年)と減った。専項債(収益性のあるインフラ建設に使用)は、3兆9000億元(2024年)→4兆4000億元(2025年)→4兆4000億元(2026年)と同額だった。
 これを見ると、経済状況は悪化していても、それほど積極的な緊急財政出動は行っていない。緊縮財政派の習近平主席の意向が表れている。
「超長期国債2500億元を当てて、消費財の『以旧換新』を支援する」
「以旧換新」とは、消費を刺激するための電化製品などの買い換え運動で、新製品の5%~15%程度を政府が補助し、かつ中古品も買い取る。2024年に始まったが、政府の資金は1500億元(2024年)→3000億元(2025年)→2500億元(2026年)と推移している。1月の商務部の発表によれば、昨年は関連商品の売上額が2兆6000億元に達し、3億6000万人以上がこの制度を利用したという。
 こうした制度は収束時が問題だ。例えばNEV(EVなどの新エネルギー車)への補助額を今年1月から半減させたとたん、販売台数は激減している。そうかといって、「ドーピング」を永久に続けるわけにもいかない。
「未来エネルギー、量子科学技術、エンボディドAI(身体性を備えたAI)、ブレイン・マシン・インタフェース、6Gなどの未来産業を育成・発展させていく」

「ハイレベルの科学技術の自立自強を加速させる」
 この辺りは中国の独壇場で、経済の悪化を、こうした先端産業の育成発展で中央突破していこうとしている。「自立自強」もキーワードだ。
「DEPA(デジタル経済パートナーシップ協定)とCPTPP(環太平洋パートナーシップ協定)への加盟プロセスを積極的に推し進める。WTO(世界貿易機関)の改革に全面的に深く関与し、開放型の世界経済を維持保護し、発展させていく」
 DEPAは2021年11月にチリ、シンガポール、ニュージーランドが発効させた世界初のデジタル貿易の協定で、2024年5月に韓国も加盟した。CPTPPは日本が中心となって12カ国が加盟した自由貿易協定で、中国は2021年9月に加盟申請しているが、日本が無視している。
 WTOはアメリカが拠出金を停止しており、このまま形骸化するか、中国主導で改革されるかだろう。自由貿易体制をアメリカが否定し、中国が主導する時代になっている。

不動産市場対策の具体策は
「北京・天津・河北省、(上海を中心とした)長江デルタ、広東・香港・マカオ・グレーターベイエリアがワールドクラスの都市群を作り上げていくことを支援する。ハイスタンダード、ハイレベルの雄安新区の建設を推進する」
 北部・中部・南部の経済圏の発展は理解できるが、習近平主席の肝煎りで、内陸部の河北省に建設中の雄安(シオンアン)新区は、本当に発展していくのか?
「初婚・第一子出産家庭の住居保障を強化し、多くの子女を持つ家庭の住宅環境改善のニーズを支援する。出産保険制度と産休制度を整備する」
 中国は14億もの人口を抱え、悪名高かった「一人っ子政策」も10年前に廃止したが、足元では少子化に悩んでいる。昨年の婚姻カップルは676組と、ピーク時の2013年と比べて半減した。こうした傾向は、順調な人口ピラミッドを貫く隣国のインドとは対照的だ。
「社会主義の核心的価値観を文化建設の指針とする」
 習近平主席は殊の外、社会主義文化にこだわりが強い。「社会主義の核心的価値観」とは、習近平主席が唱える「中国人が備えるべき12の美徳」で、富強・民主・文明・和諧・自由・平等・公正・法治・愛国・敬業・誠信・友善を指す。いまの中国にどこまで備わっているのかは不明だが。
「不動産市場の安定化に注力する。都市部の実情に応じた施策で、新規供給を抑制し、在庫を減らし、供給を最適化し、多様なルートで在庫の商品型マンションの活用を模索し、在庫の商品型マンションを重点的に買い上げて、(低所得者向けなどの)保障性住宅などに充てることを奨励する」
 かつてGDPの3割を占めていた不動産が崩壊状態にあることが、中国が一向に経済復興できないネックになっている。ところが中国政府の対策には、どうも「本気度」が見えない。これは習近平主席が、かつての不動産バブルに嫌悪感を示していたことと無関係ではないだろう。
「総体国家安全観を全面的に貫徹し、国家の安全システムを健全化し、重点分野の国家の安全能力の建設を強化する」
 2023年3月に3期目の政権を発足させた習近平主席は、国家を総合的に安全にしていくという「総体国家安全観」を、政策の一丁目一番地とした。それが、いまからちょうど2年前の全国人民代表大会以降、経済発展を優先させる方向転換を図ったが、昨年10月の「4中全会」(中国共産党第20期中央委員会第4回全体会議)以降、再び「総体国家安全観」が強調されるようになった。おそらく来年秋の第21回中国共産党大会までは、この路線を継続するだろう。

「『台湾独立』の分裂勢力には断固として打撃を」
「新年にあたり、われわれは習近平強軍思想を深く貫徹し、新時代の軍事戦略方針を貫徹し、人民軍隊に対する共産党の絶対的指導を堅持し、軍事委員会主席責任制を全面的かつ深く貫徹し、政治的建軍を指針とし、政治の教育を引き続き深化させ、(2027年8月の)建軍100年の奮闘目標実現に向けた攻略戦を戦い抜かなければならない」
 1月24日、200万人民解放軍の制服組トップである張又侠中央軍事委員会副主席と、事実上のナンバー2である劉振立中央軍事委総参謀部参謀長の失脚が、国防部によって発表された。その理由について、翌日の軍機関紙『解放軍報』の社説は、「主席責任制を破壊し踏みにじった」と論じた。すなわち、「習近平主席に逆らった罪」だ。そしてこの社説は、「今後は主席責任制を貫徹していく」と結んでいた。
 今回の政府活動報告では、そのことを再確認した格好だ。
「各級政府は国防と軍隊建設を大きな力で支援し、『双擁(軍を擁護し家族を優遇する、政府・人民を擁護し人民を愛する)』活動を深く展開し、軍と政府、軍と民衆の団結を強固なものにしていかなければならない」
 今年の国防予算は、前年比7.0%アップの1兆9095億元(約43兆円)で、過去最大となる。日本の防衛費の5倍近い。
「軍民融合」は、習近平政権のスローガンの一つでもある。この路線の延長として、2月24日に日本企業20社に対して、輸出規制をかけた。
「われわれは『一国二制度』、『港人治港(香港人による香港統治)』、『澳人治澳(マカオ人によるマカオ統治)』、高度な自治という方針を揺るぎなく貫徹し、『愛国者治港』(愛国者による香港統治)、『愛国者治澳』(愛国者によるマカオ統治)の原則を実行していく」
「(習近平)新時代における台湾問題解決の総体的方略を深く貫徹し、『一つの中国』原則と『92コンセンサス』(1992年に中台が一つの中国を認めた口頭合意)を堅持し、『台湾独立』の分裂勢力に断固として打撃を与え、外部勢力の干渉に反対し、両岸関係の平和的発展を推し進め、祖国統一の大業を推進していく」
 香港とマカオについては、中国政府の「ほしいがままの管理」が定着してきている。おそらく来年7月には、マカオに続いて香港でも、中国大陸出身者が行政長官に就くだろう。
 問題は台湾である。いつどのように「台湾統一問題」に本格的に着手するのか、引き続き注視していく必要がある。以上である。大国だけに問題も山積だが、興味の尽きない国だ。>(以上「現代ビジネス」より引用)




 今年三月の全人代は「李強首相の報告にあくびする代表も、どこか気の抜けた全人代、強気な経済発表が示す中国経済の全く楽観できない現状」という状況のようだ。近藤 大介(ジャーナリスト・明治大学講師)氏が報告しているが、なぜ日本のオールドメディアはこうした「生の」中国情報を全く報じないのだろうか。
 しかし李強首相の報告途中にあくびする代表がいる、ということは李強氏の報告そのものが効くに値しないと全人代の代表も知っている、ということだろうか。それはそれで深刻な事態だというべきだが。

 中共政府が発表する経済統計は全く当てにならない、というのは世界の常識だが、それを全人代の代表として人民大会堂に居並ぶ全国の人民代表も知っているということは、丸で喜劇のコントではないか。
 来年度の経済成長予測は4%に下方修正したと云うが、実質失業率50%の国の経済が成長しているとは到底思えない。しかもインフレ目標を2%に設定していると云うが、実態はデフレ経済に陥っている。それは主として不動産価格の30%近い下落と、主要都市ですらテナントビルの20%以上が空き店舗という事実から、中国はデフレ経済下にある、と推測するしかないが。

 そうした経済下で軍事予算だけは前年比7.0%アップの1兆9095億元(約43兆円)と過去最大規模だ。しかし第四隻目の空母を建造中というから、そうならざるを得ないだろう。人民解放軍は200万人規模を擁したままだし、毎年建造する莫大な数の艦船を就航させる兵員の確保と艦船維持費用などを考えると、軍事費は年々増額するしかない状態だ。
 こうした支出がGDPをある程度下支えしているのも事実だが、それこそ「タコ足」経済でしかないのもまた事実だ。中国の軍拡の勢いは凄まじく、いつしか足を喰い尽くして、国家経済の本体まで喰い尽くしてしまいかねない。これまで中国のGDPの一翼を担ってきた「高速鉄道」に対する投資も、運賃収入では電気代すら支払えない「赤字経営」で、建設した高速鉄道駅のうち建設後に一度も使われていない、あるいは開業直後に閉鎖された、いわゆる「幽霊駅(放置駅)」は、報道によると少なくとも26カ所程度存在するとされている。
 中国の高速鉄道(運営:中国国家鉄路集団)の赤字額は、近年、毎年1000億元(約2兆1000億円)近くに達しているとされています。負債総額は2025年時点で6兆元(約130兆円)を超え、巨額な維持費や建設費が経営を圧迫している。いずれこれらの不良資産は清算しなければならないが、そうした累積赤字をいかにして処理するのか、経済担当とされる李強氏の口から語られることはなかった。

 今年4月にトランプ氏が北京を訪れて首脳会談を実施することが予定されているが、習近平氏は「一帯一路」の南米(ベネズエラ)と中東(イラン)の拠点を潰された。そうした成果を背景に米国の覇権主義と対抗するはずの戦略が見事なまでに叩き潰された状態で会談するのは習近平氏にとって屈辱でしかないだろう。
 また日本の高市氏に「存立事態危機」発言で様々なカードを切って圧力をかけたが、ことごとく失敗し、親中政党の公明・立憲が衆院選で退潮したことから、対日戦略までも壊滅的になっている。また台湾の主力企業TSMCが主力生産拠点を日本の熊本に移して、中国から本格的に徹底している。もちろん中国に進出していた日本の主要企業も相次いで撤退し、中国経済飛躍の象徴だった深圳が工場の廃墟群になっている。

 中国が成果と誇る『一国二制度』、『港人治港(香港人による香港統治)』、『澳人治澳(マカオ人によるマカオ統治)』などは、すべて大嘘だとバレている。それでも国民に対して成果として誇るしかない、という手詰まり状態に、全人代の議員諸氏も呆れ果てて「あくび」しているというから、中国内政も崩壊状態だ。
 習近平氏が「腐敗根絶」を叫ぼうと、自身と親族が100兆円も蓄財していることがバレている。中国で最も腐敗しているのは習近平氏本人だ。一握りの富裕層と大多数の貧困層に二極化した中国民が社会の矛盾に気付かないはずがない。社会主義国家は平等労働・平等分配が大原則だ。そして計画経済により失業者はゼロ、というのが建前だ。しかし現実は理想とする社会主義国家には程遠い。その代わり自由と人権の抑圧だけが押し付けられている。そうした矛盾に国民の怒りが沸騰する時がくれば、手の付けられない事態になるが。

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