財務官僚が準備した「国民会議」で消費減税を議論する高市政権のマヤカシ。
<高市早苗総理大臣が悲願とする、2年間限定の食料品の消費税ゼロについてです。それを議論する場として位置付ける「国民会議」は、野党側の反発を招き、設置自体が見通せない状況となっています。
「線引きは?」事業者の声
幕張メッセで開催された食品事業者向けの展示会。食品を多く扱う業界として気になるのは、「2年間の食料品の消費税ゼロ」です。商品のラベル印刷機を手がける企業からは、このような声が聞かれました。
「線引きは?」事業者の声
幕張メッセで開催された食品事業者向けの展示会。食品を多く扱う業界として気になるのは、「2年間の食料品の消費税ゼロ」です。商品のラベル印刷機を手がける企業からは、このような声が聞かれました。
サトー 国内営業本部 和田憲昌さん
「やっぱり大変な作業になるかなと思っております。今度は0%が出てくるというところと、2年経ったらまた元に戻さないといけない。可能であれば猶予期間を持って、1年半〜2年後(に減税)というところが理想ですけど、『来年の4月を目標に』という声が出ているので、それに間に合うように対応を進めているところです」
一方、店側が心配するのは「減税の効果が実感できるのか」という点です。
スーパーマーケットの店長
「(食料品の)消費税はなくなったとしても、店頭価格は下がることはないんじゃないですかね。会計上は8%減るかもしれませんけど、今(仕入れの)値段が上がっているので」
線引きをどうするか、という課題もあります。
ドラッグストア勤務 「消費側としたら、減税は本当にありがたいです。(ただ)ドラッグストアだと、この商品はなるのに、この商品はならない。『健康食品のドリンクって食品?』ともなるし、線引きというのは、微妙なところが発生するかもしれない」
「国民会議」設置に暗雲
食料品の消費税は、いつ、どのようにゼロになるのでしょうか。それを議論するのが、超党派で構成される「国民会議」です。
「国民会議」設置に暗雲
食料品の消費税は、いつ、どのようにゼロになるのでしょうか。それを議論するのが、超党派で構成される「国民会議」です。
高市総理 「野党の皆様の協力が得られれば、夏前には中間とりまとめを行い、税制改正関連法案の早期提出を目指します」
早ければ今月中にも開催したい考えだったという高市総理。しかし、その「国民会議」の設置自体が危ぶまれています。
参政党 神谷宗幣代表 「自民党の役員に問い合わせしたところ、『呼ばない』と。『なんでですか?』と聞いたら、『食品の消費税の減税に反対しているから』だと。そもそも消費税自体に我々は反対なので『そういうところは呼ばない』と」
自民党は、中道改革連合や国民民主党、チームみらいに、「国民会議」への参加を呼びかける一方、給付付き税額控除や消費税そのものに反対する参政党や共産党には呼びかけていません。こうした姿勢に野党側が反発しました。
国民民主党 玉木雄一郎代表 「慎重な人も入れて丁寧な合意を形成するということが、議論をやっていくうえでは筋かなと思います。国民会議と名乗る以上は、できるだけ幅広い参加を募ってやった方がいいものができる」
自民党に都合よく利用されることへの警戒感も出ています。
中道改革連合 小川淳也代表 「野党を議論に巻き込みたいのは誠実なのかたくらみなのか。万が一(減税を)やらないとなった時に、『野党がどうこう言っているから』と言われても困るわけで」
野党との調整を行っている自民党の小林鷹之政調会長は、21日、自身のSNSにこう投稿しています。 「特定の政党を『排除』する意図は全くありません」
こう釈明しましたが、「国民会議」の早期開催への見通しは立っていません。 (2026年2月23日放送分より)>(以上「テレビ朝日」より引用)
「食品消費税ゼロ議論する「国民会議」設置に暗雲 自民の「野党選別」に反発」と、極めて当たり前の反発が出ている。
なぜ高市氏は「国民会議」などと紛らわしい名称の会議を設置したのだろうか。「お仲間消費税会議」とでもしていれば、高市政権が「仲間」だと判断した政党だけを呼んでも何ら問題はない。つまり現実の「国民会議」は「お仲間会議」でしかない、ということだ。
そこで早くも「財源論」が出たり、「そもそも食料品の消費税廃止が必要なのか」といった意見が出るなど、高市氏の「夏前までに結論を出す」とした「前振り」とは逆の意見が続出しているようだ。
なぜこうなったのか、それは官僚が準備した「国民会議」だからだ。政府の「市民会議」や官邸が主導する「委員会」などは、審議したというアリバイ作りのために設置するもので、多数派を占める与党が国会審議を打ち切る際に「特別委員会で議論した結果を国会に提出している」とか「委員会などで既に時間を十分にかけて審議したものだ」として、強行採決するのが常套になっている。
消費税の導入時に語られた常套句は「直間比率の見直し」だった。それは直接税(法人税や所得税)に片寄った税制を間接税(消費税)を導入することによってバランスの良い税制にする、という理屈だ。
しかし税徴収の基本的な考え方として「応能負担」という理念がある。それは「能力」に応じて「負担」するというものだ。つまり利益や所得があれば、それは税を負担する能力があるから税を徴収する、という税本来のあり方だ。
だが間接税は応能負担原則とはかかわりなく、外形的に税を課す方法だ。たとえば固定資産税は不動産を所有している状態に対して課税する。不動産所有そのものが利益をもたらすものではないが、一定の不動産を所有することは資産を所有することで、資産を所有することは経済力があるからで、経済力があれば担税力があるのではないか、という理屈だ。
消費税は消費に対して課税すると財務官僚は説明しているが、実際は「売上税」であって、消費財を売り上げた事業者が支払う税だ。だから事業者が赤字であろうと売り上げに税率を乗じた税金を納付することになっている。そのため、納付率が一番悪い税目になっている。
消費者は税金分を商品価格に上乗せして支払っていると思い込んでいるが、内税であろうと外税であろうと、すべては売上金としてカウントされている。ただ消費者が支払う消費税分を商品価格に上乗せして支払っている、と勘違いさせられているだけだ。
元々、消費税は欧州では「付加価値税」という名で導入された。それは主として米国へ輸出する際の「輸出補助金」として設けられたものだ。だから「輸出還付金」こそが消費税本来の目的だ。現在、日本では消費税として約33兆円の国庫収入があるが、輸出還付金として約9兆円支払っているため、実際に国庫に入っている消費税は約24兆円になっている。その輸出品に還付されている「消費税分」の製品価格の10%相当をトランプ氏は基本関税として課している。つまり消費税を輸出補助金として認定し、それが対米輸出で米国企業との価格競争に不利に働いている、という認識だ。
トランプ氏にトランプ関税を10%引き下げろ、と交渉するためにも、消費税は廃止すべきだ。また経済成長にとって税はブレーキ役を果たすから、経済成長を高市政権が目指すなら、消費税は廃止一択だ。そうすれば経済は確実に成長して、失われた35年から確実に脱却できる。経済成長なき労働所得の上昇はあり得ない。経済が成長して拡大してこそ、労働賃金は引き上げられる。それは労働人員確保が必要となるため、企業が労働費に回す比率(労働分配率)を多くするからだ。だから企業の人手不足に対して、外国人労働移民を受け入れてはならない。それは賃金引き下げに働くからだ。
食料品の消費税ゼロだけを議論してはならない。それは大きく片寄った議論に終始するだけだからだ。法人税率や資産所得税軽減措置などと一緒に議論すべきだ。つまり経済成長するための税制のあり方、という広い枠組みの中で消費税を議論すべきだ。国民は「国民会議」なるもののマヤカシに誤魔化されないように用心しなければならない。