イラン革命防衛隊は何を誰から守る軍隊なのか。

<イスラエルでは11日未明、イランのミサイルが飛来し、住民は複数回にわたり​防空壕への避難を強いられた。イスラエル軍は、レ‌バノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラ掃討でベイルートに新たな攻撃を実施した。2月28日の米・イスラエルのイラン攻撃に端を発した中​東の紛争は12日目を迎えたが、範囲が広がり終息の兆し​は見えない。
 イスラエルでは空襲警報が鳴り響⁠く中、防空システムの迎撃の爆発音が響いた。着弾の有無は​不明。
 レバノン国営メディアによると、イスラエルは11日、ベ​イルート中心部にある集合住宅建物を標的とした攻撃を実施した。
 イラン軍報道官は11日、攻撃の精度と効果を最大化するためとして「米国・​シオニスト(イスラエル)の隠れ場所」を知らせるよう地域​諸国とイスラム教徒に呼びかけた。住宅地域への米国・イスラエルの‌攻撃⁠に対して報復するとも表明した。イランのイラバニ国連大使は、先月28日以降、米・イスラエルの空爆で65の学校・教育機関や約8000戸の住宅を含む約1万の民間施設が破壊されたと10日​に指摘した。>(以上「REUTERS」より引用)




 イラン革命政府は常軌を逸したようだ。「ホルムズ海峡で貨物船に飛翔体、火災発生で乗組員避難 UAE沖でも」との見出しにある通り、イラン革命政府は自らの利権集団を守るために、中東諸国をすべて敵に回してしまった。もはやイラン革命政府が存続を図る手段も、存続の正当性を語る状況証拠も、すべて失ったことになる。
 勘違いしてはならないのは、イラン革命政府は民主的に選出された政府ではない。イラン国内で経済の52%を牛耳る巨大な経済利権団体だ、ということだ。1700社ものイランの産業基幹をなす企業群を支配する、イラン革命防衛隊と称する軍隊に守られた独裁政権だ、ということだ。

 イラン国民の90%はイラン革命防衛隊に守られた独裁政府とは無縁だ。彼らは押しなべて貧困な状況に追いやられている。
 イランの経済は石油・ガス部門に大きく依存しており、制裁や原油価格の変動により成長率が激しく上下している。近年は石油増産により2023年〜2024年にかけてプラス成長を記録し、2024年上半期は名目GDPが前年同期比4.0%増となった。しかし、慢性的な高インフレと通貨下落により実質的な国民所得は伸び悩んでいる。

 いらんの 経済成長率(実質GDP)は2011年の-31.0%、2012年の34.1%のような激しい変動を伴いながらも、近年は石油輸出の回復により回復傾向にある。ただし石油輸出は米国主導による経済制裁により「幽霊船」輸出が専らで、船籍を隠した「幽霊船」は公海で中国船に石油を移し替えて中国へ運ばれている。イランが輸出する石油の実に90%が中国に輸出されているという。
 イラン 国民の一人当たりGDPは、通貨リアル(IRR)の急激な減価と制裁による影響を受け、ドル建てで見ると1960年以降185ドルから49,000ドル超まで幅広く推移しているが、これは為替レートに左右された結果でしかない。2024年の一人当たりGDP(名目)は約4,252ドル程度で推移しているが、40%を超える高いインフレ率が家計を圧迫しており、名目所得が増えても実質的な購買力は低下している。

 多くのイラン国民にとってイラン革命政府がどうなろうと知ったことではない。ただ凄まじいインフレが収まり、国民に等しくオイルマネーの恩恵が行き渡ることを願っている。本来ならGDPの50%を占める石油収入があれば、国民は豊かな暮らしを送っているはずだ。
 イランの宗教指導者を自称する最高指導者は何を指導して来たのか。そしてイラン革命防衛隊は何を誰から守る軍隊なのか。軍隊の名を借りた破落戸集団ではないか、と批判せざるを得ない。

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