ハメネイ師の後継者が独裁体制を維持するには米国の要求を全て呑む以外に選択肢はない。

<イラン軍報道官は6日、国営テレビのインタビューで、海上輸送の要衝ホルムズ海峡について「封鎖しておらず、するつもりもない」と述べ、米国とイスラエルに関係しない船舶の通過を認めることを明らかにした。産油国が多いペルシャ湾岸諸国との関係を意識した発言とみられる。イラン沿岸とホルムズ海峡の港(2023年12月10日)=ロイター

 報道官は「海峡を通過したい船舶は航行が許される。米国とイスラエル関係の船は攻撃する」と説明し、船籍次第で異なる対応をとる方針を示した。これまで精鋭軍事組織「革命防衛隊」の関係者はホルムズ海峡を封鎖したと発言しており、態度を軟化させた。
 イランは米イスラエルの攻撃に対する報復として、米軍基地のある近隣諸国を攻撃してきたが、マスード・ペゼシュキアン大統領が7日に中止を発表。報道官の発言は、近隣諸国との関係改善を試みる政策が反映されている可能性がある。
 一方、革命防衛隊報道官は6日、トランプ米大統領がホルムズ海峡で米軍によるタンカー護衛の検討を表明したことを受け、対抗措置をとる構えを示した。米船籍のタンカーが機雷の被害を受けた過去の事件を挙げて威嚇した。>(以上「読売新聞」より引用)




イラン軍、ホルムズ海峡を「封鎖しておらずするつもりもない」…産油国との関係意識し船籍次第で通過認める方針」ということで、イラン革命防衛隊はホルムズ海峡封鎖はしないようだ。ただ国別に海峡通過を判断する、という。しかし、公海の航行の自由を侵害する権利はイランにはない。
 米国は同盟諸国のタンカーの航行に対して、護衛すると宣言している。イランによる航行の自由侵害を許さない、という姿勢は国際法に何ら抵触しない。

 トランプ氏はイランの体制転換は困難だと見て、核兵器開発を諦めさせる戦略へと方針転換したようだ。ただハメネイ師の継承者が決定したと「宗教指導」が発表したが、米国による暗殺を恐れて氏名は公表していない。ただ最有力とされていたハメネイ師の次男が選出されたものと思われる。
 ただハメネイ師の後継者が誰になろうと、イラン国内のインフレ抑制と対米交渉は困難なままだ。振り上げた反撃の拳を降ろしてしまうと、国内の反体制派が増長しかねない。あくまでも戦争の「恐怖」で国民世論を制圧し続けるしかない。しかし30万人イラン革命防衛隊で9000万人イラン国民を制圧し続けるのは困難だ。国民の支持がなければ宗教指導者による独裁体制はもたない。

 イランもホルムズ海峡を通過して原油を輸出しなければ国家財政がもたない。ただ米国の対イ経済制裁が続いているため、堂々と輸出することは出来ない。これまでは船籍不明の「幽霊タンカー」で出港し、インド洋上で別のタンカーに積み替えて中国へ輸出していた。しかし米国は偵察衛星などで、とうした実態を察知している。そのため「幽霊タンカー」での輸出は阻止されるだろう。
 いずれにせよ、制海権も制空権もないイランが米軍に対抗することは出来ない。すでにミサイルも撃ち尽くして在庫が枯渇したという。対話を拒否したまま核開発を続けるなら、米軍のミサイルが再び核開発拠点を破壊するだろう。あるいはイラン政府建物を徹底的に破壊するのも時間の問題だろう。

 早い時期に、イラン当局は米国との核開発協議に応じるしかない。さもなくば飢えた国民が全国で蜂起しかねない。イランに米国と対抗するカードは何もなく、独裁体制を維持するには米国の要求を全て呑む以外に選択肢はない。そのことをハメネイ師の後継者が認識するのは何時の事だろうか。

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