おざなりの「食料品の消費税2年間ゼロ」といった何ら政治理念の見えない政策でお茶を濁すべきではない。

<政府が検討を進める「2年間の食品の消費税ゼロ」について、外食の業界団体、日本フードサービス協会は25日、「物価高騰対策としての即効性には疑問が残る」とし、反対を表明した。スーパーやコンビニの弁当や総菜の消費税率がゼロになって外食が10%のままで据え置かれると、「客離れを招き、飲食店の経営に重大な影響を及ぼす」としている。

 同協会会長で、「がってん寿司」などを展開するアールディーシー会長の久志本京子氏が25日に都内で記者会見し表明した。政府が検討を進める「2年間の食品消費税ゼロ」に反対し、「慎重な対応」を政府に求めていく。「食品はゼロ」を導入するのであれば外食も対象とするよう求め、すでに導入されている食品の軽減税率について「抜本的な見直し」を要求していくという。>(以上「朝日新聞」より引用)




外食業界、食品消費税ゼロに反対表明 政府は「2年間」検討」との見出しは多分に誤解を生む可能性がある。記事をよく読むと「「食品はゼロ」を導入するのであれば外食も対象とするよう」とある。つまり食料品も外食も同じではないか、という論理だ。
 確かに口に入る「食べ物」を提供する、という意味では同じだ。現在はバカバカしい規定があって、フードコートで食べるのか、持ち帰りかで税率が変わる、という。食べる、という点では同じにも拘らず、食べる場所によって税率が変わるとは、これほど愚かな税制があるだろうか。

 食料品に限って「2年間」ゼロ、という消費減税は賛成しかねる。なぜなら「何のために減税するのか」という視点が見えないからだ。高市政権は「経済成長」を掲げているが、経済成長のために食料品の消費税を2年間ゼロにする、というのなら効果は極めて限定的だ。しかも代替財源を見つけるというのであれば、国民負担はプラマイ・ゼロということになる。
 経済成長するためには日本経済の主力エンジンは何か、ということに着目すべきだ。いうまでもなく、GDPの約六割を占める個人消費こそが経済の主力エンジンだ。現在の経済停滞は個人消費を「入り」と「出」の双方から締め上げた結果だ。

 「入り」はもちろん実質国民所得が低減していたことだ。「出」は言うまでもなく消費税課税だ。所得が伸びなかったのは「企業は株主のもの」という誤った考えから、法人減税されたのをいいことにして利益を労働賃金として労働者に分配するのではなく、内部留保へ回して株主配当してきたことだ。2024年に企業の内部留保は637兆円を超えている。
 賃上げで労働所得を増やすためには法人税率を旧に復すことが必要だ。法人税で徴収されるくらいなら、労働者に分配したり技術・研究投資しようと経営者は考えるだろう。かつて企業は技術開発や製品の研究開発に企業利益を回していたし、それに対して政府も技術・研究支出に対して減税策で支援した。企業努力と政府支援策が相まって、日本は製造先進国になった。

 そうした日本を取り戻すつもりなら、高市政権は消費税を廃止すべきだ。おざなりの「食料品の消費税2年間ゼロ」といった何ら政治理念の見えない政策でお茶を濁すべきではない。
 高市氏が掲げる「責任ある積極政策」とは何なのか。まさか高市氏まで「ザイム真理教」に魅入られたのではあるまいか。

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