対中国防衛の要石「馬毛島」。

放置されたサトウキビ畑
 3月下旬、鹿児島空港を飛び立った小型プロペラ機は、約40分のフライトの間、悪天候の影響で揺れに揺れ、種子島空港へ到着した。
 空港でレンタカーを借りて、島内最大の市街地がある西之表市へ向かう。長閑な田舎道を進んでいる途中、サトウキビ畑にポツンと佇んでいる高齢男性の姿があった。
「あんた、基地の関係者か?」
 記者が声をかけると、男性はそう警戒心を示したが、東京から取材で来たと告げ、質問を重ねていくと、ぽつりぽつりと本音を語ってくれた。
「本当なら今は、種子島の特産品であるサトウキビの刈り取りが行われている時期です。でもご覧のとおり、放置された畑が多いでしょう。若い人たちがみんな、基地の仕事に行ってしまったからです。基地に行って作業員として働けば、月に40万円がもらえるそうです。跡取りと思っていた私の倅も、基地に行ってしまいました。
 しかし、基地建設が終わればどうなるのか。荒れた畑を耕すのは、膨大な時間がかかる。それまでの間は食っていけないし、一時でも派手な暮らしをしていた人はもとの生活には戻りたがらないでしょう。
 基地なんて来なければよかった。それが私たち古くからいる島民の本音です。でも、国が決めたことですからね。反対しても、もう意味はないでしょ……」
 鹿児島の南約45kmに位置する種子島は、人口約2万6000人、南北に約60km伸びたひょうたん型の島だ。鉄砲伝来の地として知られ、近年はJAXAのロケット発射場としても有名なこの島がいま、「基地バブル」に揺れている。
 種子島の沖合約12kmにある馬毛島で基地建設が始まったのは、'23年1月のことだ。以来、種子島には多くの作業員がやってくるようになった。
「馬毛島には、自衛隊基地と米軍空母艦載機の離着陸訓練施設が建設される予定です。基地建設地として馬毛島の名前が浮上したのは、'11年6月の日米安全保障協議委員会。種子島住民らの反対を押し切る形で、政府は'19年に用地取得にこぎつけます。馬毛島の買収額は160億円に及びました。日本政府が馬毛島にこだわったのは、アメリカからの強烈な要請があったためだと見られています。アメリカは馬毛島を中国包囲網の「要衝」と見ていて、何としても基地を建設したがっていました」(全国紙防衛省担当記者)

基地作業員が明かした「月給」
 基地建設にかかる費用は総額で1兆円を超える見込みで、種子島にも'22年度から基地完成予定の'30年度まで毎年、約30億円の交付金が支払われる。交付金は、給食費の無償化やグラウンド整備などに使われているが、島民からは「ブラックボックス」という声も少なくない。
 今年2月28日時点で、種子島に住む工事関係者は約1880人。馬毛島の仮設宿舎にも約3650人が暮らし、合計で5530人に及ぶ。
 馬毛島で基地建設に従事している土木作業員が言う。
「公には工事着工は2年前からとなっているけど、実際は4年以上前から調査という名目で工事が始まっています。馬毛島での仕事内容については守秘義務があり、契約書にサインもしているので一切話せません。島に入る作業員は顔認証など、厳重なセキュリティチェックをされます。建設作業員は未経験でも月給40万円、経験者なら50万円はもらっている。重機を扱う資格を持っていれば、さらに高給取りもいますね。現場には外国人もいます。スリランカやバングラデシュ、ミャンマーといった国から、技能実習生としてやってきた人々です。ただ、中国包囲網のための基地ですから、作業員に中国人は一人もいません(笑)」
 馬毛島は面積約8km2の小さな無人島だ。食料品や酒を売る売店はあるが、娯楽施設はなく、作業員宿舎の部屋ではタバコも吸えないという。そのため、工事が休みの日には多くの作業員が、船で約40分かけて種子島の市街地に繰り出すことになる。
 西之表市内でスナックを経営する女性が言う。
「基地サマサマですよ! 工事が始まってから一日の売り上げは3~5倍になりました。西之表にスナックは20軒くらいしかありませんから、どこも儲かっていると思います。いつも工事の人で満席だから、地元の常連さんには申し訳ないですけど……。トラブルも特にありませんよ。酔っぱらった人が道端でおしっこしちゃうくらい。種子島には風俗がないから、お店の女の子をしつこく口説くお客さんは多いですけどね」>(以上「週刊現代」より引用)




「アメリカからの強烈な要請」が背景に…?《中国包囲網の要衝・馬毛島》の隣島で巻き起こっている「国防最前線バブル」」との見出しが目に付いた。馬毛島は様々な機能を併せ持つ不沈空母だ。
 先ずはタッチ&ゴーの空母搭載機着艦訓練。岩国米軍基地の空母搭載機着艦訓練はこれまで硫黄島で行っていたが、1,361 kmもあるため行き帰りが大変だった。馬毛島までなら400kmとジェット戦闘機なら近距離といえる。他に自衛隊の基地にもなるが、当然ながら米軍もこの要衝に目を付けている。

 なにぶんにも無人島のため、24時間訓練を行っても基地付近の住民から苦情が出ることもない。しかも周囲が海に囲まれているため侵入者も容易に島へ近づけない。
 有事の際、沖縄から馬毛島まで598kmしか離れてないため、沖縄基地の後方支援基地として充分に役目を果たせる。沖縄基地を中国が攻撃するとしても、598kmも離れている馬毛島を沖縄と同時に攻撃することは困難だ。そのため中国に対して日本攻撃に対する抑止力として馬毛島が機能するのは明らかだ。

 馬毛島が自衛隊基地として機能するにはある程度の規模が必要だが、馬毛島の面積は約8.2㎢で南北約4.5km,東西約2.7kmもあって、基地化するには十分だ。さらに基地化に適しているのは馬毛島の最高海抜点は約71.7mほどで、島全体は海抜70m程度と比較的平坦だ。計画としては南北に2450m滑走路と、東西に1830m滑走路の設置を予定している。
 防衛省のホームページによると馬毛島の基地建設は2024年1月に着工し、完成予定は2030年3月を予定している。完成後は恒常的に勤務する自衛隊員を150名~200名程度と見込んでおり、自衛隊員とその家族は種子島に整備する宿舎に居住する予定だ。

 もちろん米軍と共同使用で、前述したように米軍は空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)を行う予定だ。自衛隊は戦闘機の離着陸訓練や着水訓練、パラシュート降下訓練なども年間を通じて実施される予定だという。
 ただ防衛省のホームページには防衛施設に関して何も記載されてないが、当然沖縄の後方支援基地としてイージス艦と連動したミサイルや新規に開発したレールガンやレーザー砲、さらに開発中のメガ粒子砲などを設置して、国土防衛の最前線基地になると考えられる。本土防衛のみならず沖縄基地への攻撃を抑止する効果も期待される。引用記事にある通り、現在進行している馬毛島の工事に中国人労働者は一切入れてないという。トランプ氏が世界に展開している米軍人を削減する計画があるため、馬毛島は日本防衛を自衛隊が本格的に担当するための大きな要石になることが期待される。

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