政府機密文書漏洩に関するトランプ氏とバイデン氏との似て非なるもの。

<米司法省は20日、東部デラウェア州にあるバイデン大統領の私邸を捜索し、機密であることが示された資料6点を新たに押収した。バイデン氏の弁護士が21日明らかにしたと、米メディアが報じた。

 バイデン氏にとって、捜査当局の捜索を受けた上、機密を示す資料を押収されたことは今後の政権運営だけでなく、再選に意欲を示す2024年大統領選に向けても深刻な痛手となる。
 ホワイトハウスは声明で「大統領は弁護士に対し、継続中の捜査の一環として司法省に全面的に協力するよう指示した」と発表した。
 捜索は弁護士の同意に基づき、朝から晩まで約13時間続いた。バイデン氏は週末をデラウェア州で過ごしたが、夫妻は捜索当時、在宅していなかった。司法省は捜索終了まで公表しないよう弁護士に求めた。
 機密文書はこれまで弁護士がバイデン氏の私邸や個人事務所で見つけた。今回押収された6点の内容や機密のレベル、既に機密を解除されているかどうかなど詳細は明らかでないが、上院議員や副大統領時代の文書だという。以前は車庫などで見つかったが、今回の保管場所は不明。
 バイデン氏側は中間選挙直前の昨年11月2日以降、個人事務所や私邸で機密文書の存在を確認しながら、今年1月に米メディアが報じるまで公表しなかった。
 トランプ前大統領による機密文書の持ち出しを強く批判していただけに、野党共和党などを中心に反発が広がった。ガーランド司法長官は今月、捜査指揮に当たらせるため、ハー前連邦検事を特別検察官に任命した>(以上「日経新聞」より引用)




 トランプ前大統領の機密文書漏洩事件はFBIによって仕組まれたものだった。昨年1月トランプ氏の別荘をFBI捜査員が捜査して政府機密文書が見つかった。その際、FBIは「大統領令」を知っていたため、トランプ氏の政府機密文書を責任を持って保管して欲しい、と告げて立ち去った。
 そのためトランプ氏は別荘の特定の部屋に政府機密文書を保管し、誰も部屋に出入りしないように命じた。しかしFBIはその後の8月にトランプ氏が別荘にいないと知った上で、報道陣に連絡して別荘を強制捜査した。そして特定の部屋に政府機密文書があった、と発表して、いかにもトランプ氏が政府機密文書を勝手に私邸に持ち帰ったと情報操作した。

 「大統領令」とは大統領が議会答弁などで政府機密文書が必要とされ、その前に勉強などのために私邸に持ち帰った場合、大統領が必要があって政府機密文書を持ち帰った場合、その時を以て機密扱いを解除する、というものだ。それはトランプ氏の場合だけの特例ではなく、オバマ氏も何度も大統領令に基づく政府機密文書の持ち帰りをしていた。
 しかしバイデン氏の場合は別だ。彼が政府機密文書を持ち帰ったのは彼が副大統領当時のことだ。大統領令の適用はないため、それは政府機密情報法に抵触する。民主党はトランプ氏の政府機密文書持ち出しを厳しく批判していたが、バイデン氏の場合はトランプ氏の場合とは全く違法性の次元が異なる。

 しかもバイデン氏の場合は政府機密文書が個人事務所や自宅などと、たとえ大統領令による機密解除されたとしても保管場所の「分散」という許されない保管状態だったことが問題だ。彼は副大統領という立場で、政府機密文書を複数持ち出し、個人事務所や自宅などで何に利用していたのだろうか。彼がオバマ大統領に代わって議会答弁するために政府機密文書が必要だった、という非常事態はなかった。
 トランプ前大統領の場合は大統領令による政府機密文書の「機密指定解除」という措置が講じられるが、バイデン氏の場合には適用されない。しかもトランプ氏は議会で問題視されて、下院内に特別委員会まで設置された。もちろんFBIがリークしたトランプ氏の別荘へのFBI捜査をテレビ報道したが、バイデン氏の場合は捜査場面がCNNなどによるテレビ報道はなかった。この両者の似て非なる事件とその報道姿勢が、自由で公平な米国のあり方だと云えるだろうか。

 果たして米国社会は「自由で公正」なのか。米国の支配体制は「自由で公正」なのか。そして米国の報道機関は「自由で公正」な報道の自由が保障されているのか。
 米国民は「自由で公正」な政府と社会のもとで人権が守られているのだろうか。世界に冠たる自由主義諸国の盟主として、米国は胸が張れるのだろうか。いつの間にか、米国は一握りの者たちによって乗っ取られているのではないか。その事が今問われようとしている。

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