中国崩壊のドミノ倒しは始まっている。
<12日閉幕したアジア太平洋経済協力会議(APEC)では、中国の習近平国家主席が環太平洋連携協定(TPP)への加入に意欲を見せ、経済圏の拡大に向けた準備を着々と進めた。一方、中国排除に動くバイデン米大統領は新たな経済連携の枠組みを模索するが、TPP離脱により求心力は欠けたままだ。アジアの経済統合は混迷を深めている。
APEC域内にはTPPのほか、2022年1月1日に発効予定のアジア15カ国による「地域的な包括的経済連携(RCEP)」などの大型自由貿易協定が複数存在するが、いずれも「米国抜き」の枠組みだ。中国は、その空白を突く形でTPP加入を申請し、既に参加済みのRCEPの交渉でも影響力を発揮した。
「対外開放こそアジア太平洋地域協力の生命線だ。デカップリング(切り離し)ではなく融合しなければならない」。習主席はAPEC首脳会議で中国企業の締め出しを図る米国を暗に批判し、TPP加入に向け市場開放に努めると強調した。
中国はTPP加入を申請した9月以降、TPP参加国への積極外交を展開。国境を越えた電子商取引の「デジタル貿易」で先手を打ち、ニュージーランドとシンガポール、チリが署名した「デジタル経済連携協定(DEPA)」への加入も申請、自国に有利に働くルール作りを狙う。
一方、バイデン大統領は「インド太平洋地域の新たな経済の枠組み」の構築を検討すると表明した。半導体サプライチェーン(供給網)やデジタル貿易などで多国間連携を探る考えだが、その青写真はまだ見えず、出遅れ感は否めない。
台湾情勢や人権問題をめぐる米中の対立はAPECにも影を落としており、23年に米国が議長国を務めることにロシアが不支持を表明したと一部で報じられた。サキ米大統領報道官は、米国が域内貿易の主導権を握る上での「難局」と表現し、アジア通商戦略で中国が先行することへの危機感をにじませた>(以上「時事通信」より引用)
APEC域内にはTPPのほか、2022年1月1日に発効予定のアジア15カ国による「地域的な包括的経済連携(RCEP)」などの大型自由貿易協定が複数存在するが、いずれも「米国抜き」の枠組みだ。中国は、その空白を突く形でTPP加入を申請し、既に参加済みのRCEPの交渉でも影響力を発揮した。
「対外開放こそアジア太平洋地域協力の生命線だ。デカップリング(切り離し)ではなく融合しなければならない」。習主席はAPEC首脳会議で中国企業の締め出しを図る米国を暗に批判し、TPP加入に向け市場開放に努めると強調した。
中国はTPP加入を申請した9月以降、TPP参加国への積極外交を展開。国境を越えた電子商取引の「デジタル貿易」で先手を打ち、ニュージーランドとシンガポール、チリが署名した「デジタル経済連携協定(DEPA)」への加入も申請、自国に有利に働くルール作りを狙う。
一方、バイデン大統領は「インド太平洋地域の新たな経済の枠組み」の構築を検討すると表明した。半導体サプライチェーン(供給網)やデジタル貿易などで多国間連携を探る考えだが、その青写真はまだ見えず、出遅れ感は否めない。
台湾情勢や人権問題をめぐる米中の対立はAPECにも影を落としており、23年に米国が議長国を務めることにロシアが不支持を表明したと一部で報じられた。サキ米大統領報道官は、米国が域内貿易の主導権を握る上での「難局」と表現し、アジア通商戦略で中国が先行することへの危機感をにじませた>(以上「時事通信」より引用)
中国が経済圏構想を着々と実現しているのに対して、米国は広域圏経済構想に後ろ向きだと引用記事は指摘している。確かにその通りだが、それがどうかしたのだろうか。
習近平氏は減速する中国経済に慌てふためいている。「保八(経済成長8%を維持すること)」でなければ中共政府は中国民に利益の分配を維持できない、としていたが、いつの間にか6%が死守ラインになっている。だが、現状は6%成長どころかマイナスに転落しかねない。
引用記事では「「対外開放こそアジア太平洋地域協力の生命線だ。デカップリング(切り離し)ではなく融合しなければならない」。習主席はAPEC首脳会議で中国企業の締め出しを図る米国を暗に批判し、TPP加入に向け市場開放に努めると強調した」とある。
自国内の経済体制を「改革開放」しないで、国際社会に改革開放を求めるとは笑止千万だ。自由主義諸国の土俵に上がって共通の決まりで繁栄しようというのなら、まずは共通の決まりを遵守すべきだ。WHOに米国の後押しで参加したが、加入すると好いとこ取りを繰り返して自由主義諸国を食い物にした。その繰り返しを断じて許すべきではない。
中共政府は国内の諸制度を「改革開放」すべきだ。しかし現実は「改革開放」ではなく、毛沢東の時代へ回帰しようと思考倒錯している。「官から民へ」ではなく、「民から官へ」とIT民間企業を政府統制下へ移行させている。
習近平氏は権力を一身に集中させるために、中国のすべてを統制支配しようとしている。それは自由主義の対極にある国家体制だ。当然ながら自由主義経済圏と貿易を行う中国内の法整備は遅々として進まないし、国家体制も自由貿易圏構想と相容れないものだ。
時事通信の記事は中国の「虚栄」を実態があるかのように報じているが、「世界の工場」はあくまでも世界の工場でしかない。自尊自立できる経済体制にないことは習近平氏も承知しているのだろう。だから「対外開放こそアジア太平洋地域協力の生命線だ」と発言しているのだろう。少しばかり言葉使いを間違えているが、正しくは「「対外開放こそ中国経済の生命線だ」と言い換えるべきだ。
計画経済が大失敗だったことはソ連の崩壊で証明されている。時事通信はソ連と同じ轍を踏もうとしている習近平氏の愚かさを指摘すべきではないか。すでに中国経済は崩壊している。現在は不動産バブルが弾けつつある段階だが、それは必ず次の段階の金融崩壊へとドミノ倒しが続く。ドミノ倒しがついには政治体制崩壊へと到らないかを、習近平氏は心配すべきだろう。