市庁舎にランドマークの役割が必要か。
<東京の新国立競技場を手がけるなど世界的な建築家として知られる隈研吾さんが設計した石垣市の新しい庁舎がこのほど完成し、12日式典が行われました。
土地取得費などを含む総工費はおよそ108億円にのぼり、市議会では地方自治法に基づく百条委員会を設置して建設工事の契約のいきさつを調べる方針です。
石垣市役所の新庁舎の完成式典には中山市長や設計を手がけた建築家の隈研吾さんなど200人あまりが参加しました。旧石垣空港の跡地に完成した新庁舎は、地下1階、地上3階建てで、およそ12万枚の赤瓦を使った大小50を超える屋根が特徴的です。
在の石垣市役所は、建設からおよそ50年が経ち老朽化しているうえ、通路や駐車場の狭さなどが課題となっていました。
設計した隈研吾さんは「自然と文化が一体となった石垣島の新しいランドマークに携わることができて感無量です。市民が安心して集まることのできる『新しい市民のための家』ができたと思ってほしいです」と話していました。
一方、土地取得費や引っ越しの費用を含む総工費はおよそ108億円にのぼり、市議会は建設工事の契約のいきさつについて地方自治法に基づく百条委員会を設置して調べる方針です>(以上「NHK」より引用)
土地取得費などを含む総工費はおよそ108億円にのぼり、市議会では地方自治法に基づく百条委員会を設置して建設工事の契約のいきさつを調べる方針です。
石垣市役所の新庁舎の完成式典には中山市長や設計を手がけた建築家の隈研吾さんなど200人あまりが参加しました。旧石垣空港の跡地に完成した新庁舎は、地下1階、地上3階建てで、およそ12万枚の赤瓦を使った大小50を超える屋根が特徴的です。
在の石垣市役所は、建設からおよそ50年が経ち老朽化しているうえ、通路や駐車場の狭さなどが課題となっていました。
設計した隈研吾さんは「自然と文化が一体となった石垣島の新しいランドマークに携わることができて感無量です。市民が安心して集まることのできる『新しい市民のための家』ができたと思ってほしいです」と話していました。
一方、土地取得費や引っ越しの費用を含む総工費はおよそ108億円にのぼり、市議会は建設工事の契約のいきさつについて地方自治法に基づく百条委員会を設置して調べる方針です>(以上「NHK」より引用)
石垣市は人口5万人ほどで職員数350人足らずで、国土交通省が出している地方省庁の職員規模と執務面積の計画指針から出すと、庁舎として必要な床面積は約2,000㎡とされている。しかし平成26年に策定された新庁舎基本構想によると旧庁舎は本館と教委の入る別館とを併せて6,109㎡あったが、新庁舎ではさらに12,470㎡必要とされている。
坪数に換算すると3,772坪となり、建設費108億円を除すれば坪単価2,863千円となる。つまり坪単価280万円以上という高額な建設費が投入されていることになる。それはタワマンの通常建設費の坪単価150万円の二倍近い。しかもタワマンなら特別の基礎工事と筐体強化工事や各戸に高額な玄関ドアやユニットバスや間仕切りなどが必要となる。
しかし市庁舎などの建設費が高額なのは石垣市だけのことではない。全国の市町村の庁舎建設でも異常に高額な坪単価で建設されている。
もちろん庁舎建設は議会の審議案件だ。議員諸氏もそのことは承知の上で可決している。そして堂々と税金が浪費されている。たとえ国費補助があろうと県費補助があろうと、それらも財源は税金だが、庁舎建設は単独財源で賄うことつなっている。建設費の全額が地域住民の税によって賄われることになる。
NHKによると「土地取得費や引っ越しの費用を含む総工費はおよそ108億円にのぼり、市議会は建設工事の契約のいきさつについて地方自治法に基づく百条委員会を設置して調べる方針です」とある。市議会が問題とするのは当然だが、なぜ着工前の庁舎建設予算案が市議会に提出された段階で問題にならなかったのだろうか。出来てしまってから大騒ぎしたところで何になるというのだろうか。
それとも隈研吾氏の設計料が高いから値切ろうとでもいうのだろうか。隈研吾氏の設計料が幾らかは知らないが、少なくとも隈研吾氏の事務所と石垣市とが設計契約を交わした上での設計だろうから、今更値切ることは出来ない。それよりもビッグ・ネームに飛びついた愚かさを知るべきだろう。石垣市にも郷土の若い設計者はいるだろうし、彼らに活躍の機会を与えて彼らの能力を伸ばそうとする配慮は働かなかったのだろうか。
しかし設計者の「石垣島の新しいランドマーク」が出来たとする完成祝辞には古さを感じる。都市にランドマークが必要だ、というのは外来者の感覚だ。そこで暮らしそこで日々街並みを見る者にとってランドマークなど必要ない。
実用的で頑丈で災害に強い市庁舎であるべきだ。それ以上でもないし、それ以下でもない。建築デザイナーの作品展の感のある市庁舎や競技場などの奇を衒った設計で浪費を支出し、後々の維持管理費も高額につくなどは愚の骨頂だ。質実剛健差こそ、庁舎には必要ではないだろうか。