新規感染患者数に緊急事態解除の判断をする科学的な根拠はない。

<政府内で20日、新型コロナウイルスの感染抑止に向けて9都道府県で発令中の緊急事態宣言について、31日までの期限を延長すべきだとの意見が強まった。東京都や大阪府の新規感染者数は横ばいか減少傾向に入ったが、感染指標はなお高い水準にあり、2~3週間程度の延長を求める声が出ている。政府は来週半ばにも延長の是非を判断する>(以上「毎日新聞」より引用)



 感染患者が減少したか増加したか、を何を以て判断しているのだろうか。何を以て感染が下火になったと判断しているのか、極めて疑わしい。
 マスメディアが発表している「今日の感染患者」数ではないか、と思っているとしたら極めて非科学的だ。なぜなら「今日の感染患者」は感染の疑いのある人たちを偶々PCR検査して「発見された新規感染患者」でしかないからだ。科学的に感染患者の増減を判断するとしたらそれぞれの地域で一定単位のPCR検査を行い、それを10万人単位当たり新規感染患者数として把握する必要がある。

 しかし、そうした数字をマスメディアで見た記憶がない。だから外国では爆発的な感染状況だが、日本国内でも「それほどでもない」といった政府特別職の「さざ波」発言が飛び出るのだ。だが10万人単位に換算してみると沖縄の現状はインドの感染爆発よりも上回っている。そのような科学的な数字を前にして、はじめて感染状態が把握できる。
 テレビなどで月曜日の感染患者が少ないのは土日のPCR検査数が少ないからだ、という解説を聞くと「PCR検査数が少ないから新規感染患者発見数が少ないだけだ」と表現を変えるべきだと腹立たしくなる。

 これまで全国的な一日に見つかった新規感染患者数が減少したとして、緊急事態宣言を解除しては再び増加する、ということを繰り返してきた。なぜ再び感染拡大することを経験で知っていて、収束するまで緊急事態を維持し続けないのか理解できない。
 政府が来週に緊急事態を延長するか判断する、というのに違和感を覚える。特効薬もなくワクチン接種も遅々として進まない現状で武漢肺炎ウィルスが全国に蔓延していることこそが緊急事態ではないのか。そして一日当たり新規感染患者数を判定基準とするなら、科学的なPCR検査を実施して単位当たり感染患者数の変動を国民に開示すべきだ。

 厚労省に医官がいるのか疑わしい限りだ。医学知識を学習した者が省内にいるなら、なぜ厚労省は新規感染患者と同時に単位感染患者数という科学的な患者数を発表しようとしないのだろうか。
 曜日によってPCR検査数が少ないから感染患者が少ない、などといったニュースを報道するようではマスメディア関係者の知能レベルも疑わしい。そうした曖昧な数字を相手にして、緊急事態の判断をしているようでは日本政府も果たして科学的なのか疑わしい。一体政治家や官僚たちは何をやっているのだろうか。

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