記者たる者、総理に対して「ぶら下がり」を止めよ。

<菅義偉首相は26日の新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の6府県での解除決定に伴い、正式な記者会見を見送る一方、首相官邸で記者団の質問に答える「ぶら下がり」取材に応じた。記者団に記者会見とぶら下がり取材の違いを問われると、「それは皆さんが考えることじゃないですか」と語気を強める場面があった。
  首相はその上で、「まだ首都圏で(宣言)解除の方向性が出ていない。そういう中で、内閣総理大臣として発言は控えるべきだ。(宣言期限の)3月7日まで日にちがある。そこに(残る首都圏1都3県も)解除できるように全力を挙げることが大事なことだ」と強調した。

 記者団から繰り返し記者会見を見送った理由を問われ、最後に改めて次回の記者会見では質問を打ち切ることなく対応するかを聞かれると、「だいたい皆さん(質問は)出尽くしているんじゃないですか。先ほどから同じような質問ばかりじゃないでしょうか」と答え、取材は終了した>(以上「産経新聞」より引用)




 同じ質問ばかりだ、とは良くも言えたものだ。記者が「同じ質問ばかりする」と菅氏がキレたそうだが、質問に答えなければ同じ質問を繰り返すしかないではないか。
 そうした傾向は安倍氏にも顕著だった。有名な「朝ご飯回答」だ。「朝ご飯は食べられましたか」との質問に「朝ご飯は食べてない」(実はトーストとハムエッグを食べていた)といった具合だ。その場合、肝心なのは「朝に食事をしたか」という質問なのにも拘らず、「ご飯は食べてない」と質問の揚げ足取りをして、質問に答えないという極めて狡猾なハグラカシを行う。

 そうすると質問者としては事前の伝聞と異なるから、同じ質問を「朝ご飯は本当に食べられてないのですか、他に何かを食されていませんか」と同じ質問をせざるを得ない。それに対して「同じ質問をする」とキレるのは趣旨が違うのではないだろうか。
 そして正式な記者会見をキャンセルして、ぶら下がりに応じる、とは何事だろうか。総理大臣たる者、歩きながらの会話に応じる方がどうかしている。むしろ正式な記者会見以外は質疑に応じない、とする方が正しいのではないか。山田隠し、と疑われるようなことを菅氏が行っているという自覚のなさこそが問題だ。

 記者諸氏も情けない。記者会見に応じない首相なんかにぶら下がり質問などしてはならない。その代わり、会見をして何も明らかにしなかった、と疑惑を紙面に書き連ねれば良いだけだ。なぜ「記者会見をキャンセルしたのか」「それは記者会見を仕切る山田報道官を罷免しなかったからか」と堂々と「憶測記事」と断った上で書けば良いだけだ。
 そして首相の回答がないままに各専門家の意見を掲げて、緊急事態宣言解除に関する記事を書けば良い。記者会見をキャンセルされた首相の見解は無視すれば良いだけだ。現に、ぶら下がりでも菅氏は「総理大臣たる私が私見を述べる立場にない」と答えているではないか。つまり本人に緊急事態宣言を解除する時期に関しての意思はない、と表明しているではないか。記者たる者が意思を持たない者の意思を忖度などしてはならない。

 そして「朝ご飯は食べてない」と回答したなら、そのまま「朝ご飯は食べてない」と記事にすれば良い。後で「ご飯は食べてないがパンは食べた」と言い訳すれば、いかに見識のない人物かが国民に伝わって良いだろう。
 質問をはぐらすのが高等な答弁だと勘違いしている御仁には、それくらいのシッペ返しをしても良い。質問に対する回答という「遣り取り」を成立させないのが高等な答弁と思い込んでいるのだから、それがいかに相手を小馬鹿にした失礼なことか思い知らせる方が良いのだ。

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