拉致解決への安倍氏の本気度。

6月30日午後、板門店でトランプ大統領と金正恩委員長が会談した。前日、大阪G20参加中のトランプ大統領がツイッターで呼びかけたアイデアで、それに急遽、金正恩委員長が乗ったわけである。
 今回の会談はトランプ大統領らしいサプライズ演出ではあるが、そもそもトランプ大統領にも韓国の文在寅大統領にも、そして金正恩委員長にも、つまりは全員にメリットがある話だった。
 トランプ大統領にとっては「歴史上、北朝鮮に足を踏み入れた米国初の現職大統領」ということになった。トランプ大統領はかねて北朝鮮との直接対話を「オバマ前政権も、これまでのどの大統領もなし得なかった快挙」だと自賛しているが、今回のサプライズもその延長になる。
 実際に今回のサプライズ会談では、ハノイ会談の決裂で停滞していた対話の仕切り直しが合意されただけで、米国が求めている「非核化」に向けての具体的な成果は一切なかったが、それでもトランプ大統領としては、米国内の支持者に対して自身の行動力をアピールできる。金正恩と握手しているシーンを米国内で放送するだけでも「米国の安全保障のために行動している自分」を誇示できるわけだ。
 トランプ大統領に同行した韓国の文在寅大統領にとっても、一貫して米朝の融和に向けて動いてきた自身の政策の成果を誇示できる好機になる。非核化の停滞で、米朝の仲介役だった文在寅大統領は自身の見通しの甘さが露呈したかたちになっており、苦しい立場にあった。そんな文在寅大統領にとっては、今回のトランプ大統領のアイデアは思いがけない幸運と言っていいだろう>(以上「JBpress」より引用)


 トランプ氏に出来て、なぜ安倍氏にはできないのだろうか。上記記事にあるトランプ氏の電撃金正恩(キム・ジョンウン)氏との板門店会談だ。
 去年から安倍氏は拉致問題解決で「前提条件なしに」金正恩氏と会談したいと何度表明したことだろうか。トランプ氏はつい先日「金正恩氏と面会したいナ」と吐露しただけで実現した。

 外交の安倍が聞いて呆れる。一体地球儀外交で何十兆円バラ撒いたと思っているのか。夫婦で政府専用機に乗って地球を何周したと思っているのか。ゾロゾロと経団連のお偉方やヨイショ記者たちを引き連れて、どれほど国費を濫費したと思っているのか。
 G20で3万人もの警備陣を動員して、高速道路なども封鎖して、いったいどれほどの費用が掛かっていると思っているのか。その成果はトランプ氏が金正恩氏と38°線で会談しただけではないか。日本の国益に何があったのか。

 北朝鮮の核やミサイルの脅威は米国などが創出したものに過ぎない。それで日本からトランプ氏になってからだけでも5兆円ものポンコツ兵器押し売りの成果を米国は手にしている。
 いや安倍氏も北朝鮮の脅威を「国難」と称して選挙に利用した。バカな多くの日本国民が「脅威」や「国難」といった戦前並みの言葉に酔い痴れて「安倍自公政権」を支持投票した。それでトランプ氏を調子づかせて「安保は片務的だ。米軍が攻撃されれば自衛隊が駆け付けるべきだ」と戯言を言っている。

 トランプ氏は安倍氏に日本国憲法など「書き物」に過ぎないから書き替えれば良い、と唆している。片務的関係を双務的にせよ、とはそういうことだ。憲法を書き替えなければ出来ない相談だ。
 その真意を確かめる機会は大阪にあった。なぜ安倍氏は直接トランプ氏に聞かなかったのだろうか。そしてトランプ氏が大阪で「金正恩と38°線で会いたい」と言ったら、安倍氏は間髪を入れず即座に「俺も連れて行け」と言うべきだった。そうしたら拉致問題に本気で取り組んでいると国民は思っただろう。

 トランプ氏が38°線で金正恩氏と会ったのは事前に実務者協議を経たものではない。ただの「思い付き」で会った。それなら安倍氏も同行して握手だけくらいは出来たのではないか。安倍氏の本気度が解る一幕だった。

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