北朝鮮のミサイルを早期探知するには海上イージス艦の方が有利だ。

 中学数学程度の問題だ。地球の半径は約6270㎞だ。そして北朝鮮の国境から山口県の自衛隊むつみ演習場までの距離は直線で約600㎞。さて、半径に対して直角に引いた線が600㎞張られた地点で半径の延長線上で交差する地点までは何㎞離れているか、という問題だ。
 約35㎞になることは簡単に解ることだ。つまり地球は丸いため約35㎞の高い地点でなければ600㎞離れた北朝鮮のミサイル発射を瞬時に探知することは出来ない。しかし自衛隊むつみ演習場は500m前後の高地でしかない。

 イージス・アショアが陸上の施設で攻撃目標にされやすいこと、施設への破壊活動を防ぐために配備する人員や防衛施設などを考えると、いかに高額な役立たずの施設かお解りだろう。もちろん北朝鮮のミサイルを早期探知するには北朝鮮に近いほど良いのは論を俟たない。
 海上のイージス艦なら破壊活動から守りやすいし、警備体制も特別な人員を配置する必要もない。日本の防衛には陸上のイージス・アショアが役立たずなのは自明の理だ。なぜなら北朝鮮と日本は近いため、ミサイル発射から到達まで数分しかないからだ。早期探知こそが最重要なのだ。

 しかし米国防衛なら話は変わる。ハワイですら到達まで数十分かかる。つまり日本のイージス・アショアが探知してから準備しても迎撃に間に合う。だから北朝鮮からハワイを目掛けたミサイルの弾道直下の秋田と、北朝鮮からグアムを目掛けたミサイルの弾道直下の山口にイージス・アショアを設置しようとするのも頷ける。
 つまり山口と秋田のイージス・アショアは米国防衛のためのものでしかない、ということだ。そのために日本国民の税を使って、イージス・アショア近辺を北朝鮮の最重要攻撃目標にする、というのは日本の防衛にとって合理的ではない。

 日本の税は日本の国家と国民のためにこそ使われるべきだ。国民を踏み台にしてまで米国に奉仕する安倍自公政権を国民はいつまで支持するのだろうか。

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