トランプ氏が仕掛けた米中貿易戦争に日本も米国側に立って中国に諫言せよ。

米通商代表部(USTR)は8日、2千億ドル(約22兆円)分の中国製品に対する制裁関税を10日に現在の10%から25%に引き上げると官報で正式に通知した。今後は通知を修正しない限り、家具や家電など約6千品目の輸入品を対象とした追加関税が上がる。これに対し、中国も対抗措置を取る方針を表明した。9日からの閣僚級協議に向け、米中の最終攻防が激しさを増している。
米国側は米税関・国境取締局(CBP)が徴収する追加関税を、10日午前0時1分(日本時間同日午後1時1分)以降に10%から25%に引き上げると明記した。トランプ大統領が5日に表明したものを行政府として正式に実行に移した。
米中は9~10日の日程でワシントンで閣僚級協議を開く。米国の対中関税上げの対象は2018年9月に「第3弾」として発動した2千億ドル分への制裁関税。家電や家具など生活に身近な消費財が多く、経済に与える打撃は大きい。
一方、中国商務省は8日夜に「もし米国が追加関税の措置を取るならば、中国は必要な反撃措置を取らざるを得ない」との声明を発表した。米国が関税を引き上げた場合、中国も米国製品600億ドル分への追加関税を引き上げるとみられる>(以上「日経新聞」より引用)


 トランプ氏が中国の輸入品に関税を25%に引き上げるのに国際的な世論は批判的だが、その目的とする「知的財産保護」と「中国の構造改革」をこれまで放置してきた国際機関にこそ問題があるのではないだろうか。そうした意味でトランプ氏の対中関税25%引き上げに賛成する。
 米国の対中貿易輸入品の関税25%引き上げに対して、中国も報復関税引き上げを表明しているが、泥沼の関税引き上げ合戦になれば相手国へ輸入規模の大きい中国の方にダメージがあるのは自明の理だ。

 もちろん米国も傷を負うだろうが、それは他の国からの代替輸入で補填される程度のものでしかない。国際的なサプライチェーンが破壊されると大騒ぎしている評論家がいるが、それも忽ち他の国からの部品供給により中国品が抜けるサプライチェーンの欠損部分があるとしても、短期間に代替国からの供給が可能になり、サプライチェーンは再構築されるだろう。
 米中貿易戦争が世界経済にマイナスの影響を与えるとしたら、貿易戦争当時国の米国と中国の二ヶ国の経済に影響を与えるだけの限定的なもので終わるだろう。プラス面として考えられるのは中国と何らかの取引がある世界各国が中国に「知的財産権保護」と「中国内の構造改革」を突き付けた米国の動きに同調することが必要だ。

 今後の世界が「世界基準の中国」を必要とするなら、そうすべきだ。いや、中国は中国であり続けて構わない、必要とする時に利用するだけだから、というのなら米中貿易戦争を傍観すれば良い。
 日本も米国と同様に、中国に「知的財産権保護」と「中国の構造改革」を要請すべき立場ではないだろうか。どれほどの知的財産を中国企業に奪われたか、そして現在も奪われつつあるか、日本政府は習近平氏の擦り寄りに甘い顔をしている場合ではないだろう。この際、中国に世界基準の常識を持ってもらう必要があるのではないだろうか。

 経済界の「儲け最優先」の対中政策では日本の国家利益は守れない。先刻以来、トヨタの前年売上が30兆円を超えた、との報道がなされているが、それにより日本人労働者がどれほど潤ったというのだろうか。売上高もさることながら、マスメディアが最も問題とすべきは30兆円を売り上げた企業の労働分配率ではないだろうか。
 中国に対して問題とすべきは邦人企業の「儲け」もさることながら、中国が国際的な常識を備えた一人前の「安心して付き合える」国に脱皮することではないだろうか。それこそが真の日中友好関係に資することではないだろうか。

 濡れ手で粟の「儲け」最優先で中国の国内法整備や「知的財産権保護」の国際基準から外れた非常識さに目を瞑ってきた日本政府の責任はないだろうか。それが真の日中友好関係を築けない根本原因だと、なぜ日本政府と経済界は認識しないのだろうか。
 トランプ氏が仕掛けた米中貿易戦争に日本政府も米国側に立って、習近平氏に国際的な「常識国・中国」になるべく国内法の整備を行うように諫言してはどうだろうか。習近平氏の「おいで、おいで」に尻尾を千切れんばかりに振って駆け寄るみっともなさを演じていては、日本はいつまで経っても真の独立国になれない。

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