習近平氏の提唱する「新国連」は中国帝国による支配の青写真だ。

世界150ヵ国の代表(そのうち37か国は首脳。他は政府高官)および90以上の国際組織の代表、計5000人から成る第二回「一帯一路 国際協力サミットフォーラム」が25日から27日の日程で、北京で開催された。日本からは自民党の二階幹事長らが参加する中、アメリカは政府高官の派遣を見送っている。
その開幕式で習近平国家主席がスピーチをした。
中国語にして約4,300文字のスピーチの中で、最も気になったのは「一帯一路 国際シンクタンク協力委員会」の結成を呼びかけたことである。
習近平は「これから5年の間に、中国は「一帯一路」を共に建設する国家の政党やシンクタンクあるいは民間組織などから1万人の代表を招聘して中国に来ていただき交流を図るつもりだ」と述べた上で、「われわれは更に、一帯一路 国際シンクタンク協力委員会や新聞協力聯盟等の機構を皆様と共に建設し、さまざまな領域からの知恵と力を1つに結集したいと思っている」と呼びかけた。
そして常套句である「人類運命共同体」を共に構築すべく推進していこうではないかと結んでいる。
この「国際シンクタンク協力委員会」こそは、まさに、2018117日付のコラム<「チャイナ・イニシアチブ」に巻き込まれている日本>で述べた中国の戦略を具現化したものである。当該コラムにもあるように、「チャイナ・イニシアチブ」は、「西側の価値観」に代わって、中国がグローバル経済をテコに「北京発の世界の価値観」を創りあげ、一気に中国に傾かせていこうという戦略であるということもできる。そのために関係各国の政党の中から「キーパーソン」を見つけて、その人に「ターゲット」を絞り洗脳していくのも手段の一つだ。
習近平がスピーチで「各国の政党」と言ったのは、主として「政権与党の政党」であって、まさに自民党の二階幹事長などのような存在を指しているのである。
習近平政権はハイテク国家戦略「中国製造2025」を完遂して、何としてもアメリカを乗り越えようとしているが、一方では「一帯一路」を通して、精神的に多くの国を「親中」に傾かせていこうという戦略を練ってきた。
201711月、アメリカのシンクタンク「全米民主主義基金」(NEDNational Endowment for Democracy)は論文を発表して、中国のこの力を「シャープパワー」と名付けた。以来、トランプ大統領は激しく中国の「洗脳活動」を警戒するようになった。ハイテク国家戦略「中国製造2025」においてだけでなく、精神面でも中国が世界覇権の手段として、コミンテルン並みの洗脳を実行し、アメリカをはじめとした世界各国に潜り込んで政権与党のキーパーソンを籠絡させていく。
軍事力を使うのを「ハードパワー」とすれば、舞踏や演劇、中国語学習などの「文化」の衣を着て中国共産党の広報活動を展開するのが「ソフトパワー」だ。それなら「孔子学院」はどうなのか。これは「文化」の領域を超えて、確実に「スパイ活動」に近い学術交流を通して「鋭く」相手国の中枢に斬り込んでいく。「ナイフのような鋭さ」を持っているため、「シャープ」という言葉を選んだようだが、2018220日付けのコラム<孔子学院が遂にFBI捜査の対象に>に書いたように、アメリカでは早速FBI(米連邦捜査局)が孔子学院をスパイ活動やプロパガンダ活動などの容疑で捜査し始めている。
しかし、日本は――?
孔子学院を野放しにしているだけでなく、昨日のコラム<中国に懐柔された二階幹事長――「一帯一路」に呑みこまれる日本>に書いたように、まるで「絵に描いたように」、「みごとに!」そして「きれいに!」、日本はまんまと中国の術中にはまっているのである。
全米民主主義基金の論文では、「軍事力や経済力」を含めて「ハードパワー」と区別して「シャープパワー」を定義しているが、そこは少し違うのではないかと思う。
その全ての基軸に流れているのは「経済力」ではないだろうか >(以上「NEWS week」より引用)

 習近平氏は妄想狂だ。中国が主導して「新国連」を構築するなどとは、いかなる正当性があるというのだろうか。その「新国連」は何を求める集団なのだろうか。
 「一帯一路」を世界へ推し進めるための「新国連」だというのなら、それは「国連」が戦勝国クラブでしかないのと同じく、「新国連」は中国を「宗主国」とするの経済植民地クラブでしかない。

 そんなマヤカシに乗る馬鹿な御仁がいるのか、と思ったら日本にいた。二階自民党幹事長だ。恭しく習近平氏に膝まづき、臣下の礼をとった愚か者だ。
 「一帯一路」が世界各国で何をやっているのか、日本のマスメディアは殆ど伝えないが、中国が経済植民地を世界へ広げている実態を日本国民は知るべきだ。そして強引な投資策が中国国家財政を破綻の縁から突き落そうとしている。

 しかし習近平氏は平気のようだ。余りに大き過ぎて倒せない、と国際金融が危機感を共有すれば「儲けものだ」とでも考えているのだろうか。人は自分の観念で相手を観る。
 つまり習近平氏は中国と同様に、世界各国は独裁者によって何とでもなる国々の集合体だと考えているようだ。民主主義や法治主義、という中共政府とは無縁な概念で多くの世界各国が動いているとは考えてないようだ。

 習近平氏の中共政府がチベットやウィグル自治区で何をやっているか、世界は知らないとでも思っているのだろうか。習近平氏の厚顔無恥ぶりには驚くが、その習近平氏の前で平身低頭する自民党の幹事長にも呆れ返る。
 普段の威張り腐った横柄な態度をなぜ習近平氏の前でも繰り返さなかったのだろうか。「東シナ海でやりたい放題したのはどの国だ」「小笠原諸島近海で赤サンゴを大量に泥棒したのはどの国の船だ」「尖閣諸島近海へ公船を派遣しているのはどの国だ」と、なぜ一言抗議しなかったのだろうか。それでも公党の幹事長か。

 日本の公安が孔子学院を取り締まらないのはなぜだろうか。彼らは日本国内でスパイを公然と養成し、国民を洗脳している。取り締まらないまでも「要監視団体」に指定すべきではないか。
 日本に対する中国による侵略は秘かに確実に進行している。その一環として、日本のマスメディアは「一帯一路」の実態を殆ど日本国民に伝えていない。それは海上のシルクロードという程度のものではなく、南米諸国にまで手を広げている。彼らの貪欲さと強欲さを警戒すべきだ。

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