世間は「盛った」話ばかりだ。

阪神大震災の犠牲者を追悼し記憶を伝えるため、神戸市中央区で16日まで開催している光の祭典「神戸ルミナリエ」の会場で、来場者が地面に水をまき散らす迷惑行為をしていたことが12日、分かった。十数人が電飾が水面に反射する様子をカメラで撮影していたという。主催する神戸ルミナリエ組織委員会は「犠牲者を鎮魂するのが祭典の趣旨。節度を持ってほしい」と呼びかけている。

 組織委員会事務局や現場にいた市民によると、迷惑行為があったのは開幕(7日)を前に試験点灯が行われた3日夜。長さ120メートルの大型作品などが点灯する東遊園地で、一部来場者が持参したペットボトルの水を地面にまき散らし、一帯に水たまりをつくった。さらに、カメラを持った十数人が水たまりを囲み、一斉にシャッターを切ったという。

 現場にいた市民が迷惑行為の状況をツイッターにアップすると、「やりすぎ」「震災当事者としては気持ちを踏みにじられる思い」などの批判が殺到。現場を警備する兵庫県警生田署も迷惑行為を問題視し、注意を呼びかけている。

 震災で両親を失い、現在は全国で震災の出前講座などを行うNPO法人「ふたば」事務長、山住勝利さん(51)は「ルミナリエには震災で傷ついた人たちが多く訪れる。被災者の気持ちを逆なでしているようで残念だ」と声を落とした>(以上「産経新聞」より引用)


「インスタ映え」とかで「盛る」という。いわばヘタな溶接工が溶接作業で「盛る」のと同じかと思ったら、そうでもないようだ。
 SNSで情報発信して、より多くの人から「good」評価を得たいために投稿写真を現実のもの以上に「装飾する」ことを「盛る」というのだそうだ。そうした「盛る」行為が電飾で名を馳せた神戸ルミナリエであったという。

 夜間の電飾を幻想的に見せるために地面に水を撒いたというのだ。冬の寒空の下、水を撒けばどうなるかが分からない馬鹿がいたというのだから驚きだ。
 冬の風物詩の「神戸ルミナリエ」が今更ながら物珍しいわけでもないだろう。それを「盛った」ところで「それがどうした」と思う。よほど電飾を幻想的に見せたいと「インスタ映え」を狙ったのだろうが、公徳心と世間並みの常識があればそうした行動はとらなかっただろう。

 なぜ写真の利点である「あるがまま」をSNSにアップしないのだろうか。誰も彼もが「見てくれ」を気にする世の中になったのだろうか。
 検索を増やして「good」評価を増やしても、それが「盛った」ものであると知れたら、かえって評価を下げはしないだろうか。出会い系のメール交換で「盛った」写真を送付して、実際に会ったら写真とは似ても似つかない人物が目の前にいたら「信用を失う」どころか詐欺といわれても仕方ないだろう。

 そういえば国家の中枢を担う官僚たちが数字を「盛って」いた。それも一省庁の偶然ではない。財務省も厚労省も法務省も、だ。他にももっとあるかも知れない。官僚たちもまさか「インスタ映え」に毒されて「盛る」ことが日常的になっているのだろうか。
 日本のいろんな大学・医学部が点数を「盛って」いたことが判明して問題になっているが、マスメディアの世論調査も「盛って」いるのではないかと疑わしい。

 北方領土問題で「四島一括返還は諦めろ、その代わり二島先行返還でプーチンとすぐにでも話を付ける」と胸を張っていた安倍氏も「盛って」いたようだ。その証拠に前段階の日ロ外相会談でロシア外相から素っ気なくも「領土返還は期待しないでくれ」と袖にされたのだろう。河野外相が会見でそのことに触れられると「次の質問は」と四度も繰り返した。
 地球儀俯瞰外交が聞いて呆れる。なんのことはない。経済成長の起爆剤と意気込んでいた原発の売り込みは全滅だし、米国からはポンコツ兵器ばかり押し売りされた。盛りに盛った安倍自公政権の自画自賛話を「盛った」マスメディアはどのような始末をつけるつもりだろうか。

 神戸ルミナリエで水を撒いた「盛り」も真実を写したものではないが、それをさも真実らしくSNSに投稿して得々として自慢する品性下劣さには呆れるばかりだ。

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