日本を滅ぼす安倍自公政権を批判しない反日・マスメディア。
<水道法と入管法の改正案が可決成立の段階となりました。水道法の場合は、水道事業の広域化、そして運営の民営化を認める改正、入管法の場合は目標34万人という新たな単純労働従事者を海外から呼び寄せるという内容です。
どちらも、十分な審議が尽くされたとは言い難いのが現状です。このままでは、法律が成立して実施される段階になって「ご存知ですか?」といった「政府広報」で多くの人々が、新しい現実を知らされる、そんな「いつものパターン」になる懸念を感じます。
いや、もしかすると、違うかもしれません。上水道の水質が劣化したり、個別の水道サービスが値上がりしたりする、あるいは目に見えないところで外国人労働者が多数働いていたりするような「新しい現実」は、全国一斉には発生しないでしょう。ならば、事前に幅広く知らせる必要はない、そんな考えに立つのであれば、今回の水道や移民に関する制度変更については「政府広報」もされないかもしれません。
そもそも、この「知らせない」という姿勢は今回の審議で一貫しています。良いことではありません。ですが、政府の立場からすれば、老朽化の進む全国の水道網が維持されるように道筋をつけることや、人手不足の中で倒産寸前の多くの中小企業に人材を回すことは、一刻を争う問題です。
ですから、「水道法改正に反対しそうな地方票」「入管法改正に反対しそうな高齢票」に強く支持されている自民党政権としては、自分の支持基盤を刺激しないように留意さえすれば、特に国民的な議論を喚起しなくても「可決成立まで持っていける」という判断をしているのだと思います。
これは、おかしなことです。十分な議論をしないまま大きな制度変更を行う、これは間違っています。これでは民主主義とは言えません。何故間違っているのかというと、「国民的合意のない制度」は、将来にわたって世論の支持がなく不安定になるからです。問題が水道と移民ですから、例えばフランスで起きたような暴動や、ドイツにおける移民排斥運動などが将来の日本で起きないとは限りません。こうした混乱を少しでも軽くするためにも、国民的合意の形成というのは急務です。
そこで出番となるのは野党です。こういう事態こそ、危機感を持って法案と政府を批判するのは、野党の役目だからです。
ところが、野党の批判には全く迫力がありません。与党に制度の修正を迫ったり、制度全体の代案を出すどころか、政権批判の声ですら世論に届いていないし、まして世論を動かすには至っていないのです>(以上「Newsweek」より)
水道法改正や入管法改正の採決を相次いで強行している与党と一部野党に対して、対決姿勢を見せる野党の迫力がないだとか、ステレオタイプの反対意見だとか、といった論評を展開する評論家が跋扈している。例にもれず、天下のnEWSWEEKですらそうした半ば御用評論家が登場して野党批判を繰り広げている。
天下の公器たるマスメディアは政権のお目付け役を果たさなければならない。第三の権力として表現の自由が与えられている。そして国民の知る権利を担保すべく情報を国民に提供しなければならない。
さもなくば、一般大衆は日々刻々と変化する「情報」を知るすべがない。マスメディアが報道しなければ国民はいかにして知れば良いというのだろうか。
国民の知る権利を担保すべきマスメディア、特にテレビが年がら年中消費増税10%導入時の権限税率に関する芝居仕立ての情報ばかり伝えて、総需要不足によるデフレ化がさらに進み国民が貧困化する、という経済原理さえ国民に解説しようとしない。
水道事業法改正に関しても、マスメディアは民営化により「経営の効率化」が図られる、と言葉だけを伝えている。しかし実態として民営化した先進諸国の前例二百数十か所の水道事業の多くが再び公営に逆戻りしている事実すら殆ど報じていない。
厚労省が民営化サンプルとして研究したのはたった3ヶ所だけだということも、多くの国民は知らない。報道は間の怠慢、というよりも消極的な御用報道機関というべきではないだろうか。
野党がだらしないのではない。野党を応援する「政権批判」のマスメディアが日本の大手に皆無ということが大問題なのだ。
日本を滅ぼす法案が次々と成立されていくが、そのツケはマスメディアも含めた国民に跳ね返る。他人事のような顔をしている能天気な評論家たちも、やがて何も物の言えない体制国家に日本がなろうとしていることすら気付いてないのだろう。