IMFの恐るべき前近代性。

日本の40年後のGDP(国内総生産)が高齢化などによる人口減少で、25%以上も減るおそれがあるという試算をIMF(国際通貨基金)がまとめた。
IMFは28日、日本経済に関する年次報告書を発表した。
この中で、日本が現在の政策を維持した場合の試算として、「人口減少により、実質GDPは40年後に25%以上減る」と指摘した。
一方でIMFは、こうしたGDPの大幅な減少を避けるためには、労働人口を増やすための改革が必要だと指摘し、女性や外国人労働者らの活用をさらに進めるよう日本に促している。
IMFの試算結果は、今後の外国人労働者の受け入れをめぐる議論にも影響を与えるとみられる>(以上「産経新聞」より引用)

 さすがは財務官僚OBの天下り国際機関の一つIMFだけはある。安倍自公政権の「入管法改正」審議の援護射撃に乗り出したようだ。しかし馬鹿も休み休み言うものだ。
 人口減がGDP減に直結するとは恐ろしいまでのプロパガンダだ。経済成長が生産性向上=省力化によってなされるという経済原理を全く無視した「未来予測」でしかない。

 将来、産業界で産業革命のような生産性向上があり得るのか、といえば十分にあり得ると回答するしかない。その「技術革新」はAIだ、というのも異論の余地はないだろう。
 かつてフォードが自動車生産に「ベルトコンベヤー」方式を導入してT型フォードを大量生産したのは経済学書の「生産性向上」の段で必ず出て来る「例」だ。それを発展させたのが日本の自動車生産へのロボット導入だった。

 今後あり得るのは生産現場のAI化だ。自動車生産ラインで今は人が部材の取り付けをしているが、やがてボディーの形状認識や取付位置認識装置などが格段に進歩して、AIが部材の取り付けまでやるようになるだろう。
 文書作成も様々な文章パターンをデータとして読み込んでいるPCに向かって人が作成すべき文章を言葉で述べると、それを定型に当て嵌めて文章化して、回覧すべき部署へ自動配信するようになるだろう。

 コンビニやスーパーなどで価格設定した値札を商品に付ける作業も、AI化されて品物を認識装置の前に翳して値段を言えば自動的に価格タグが付けられるようになる。それはレジとも連動していて、タグを読み取り在庫管理まで行うようになる。
 そうした各分野で驚異的なAI化がここ数年で急速に進歩する、と想像しない経済学者は時代遅れだ。財務官僚の天下りIMF職員が時代遅れなのは理解できるが、そのことと経済原則とを混同するとはいかがなものだろうか。

 紡績工場が前近代的な個々人が一台ずつ糸車を回す時代なら、紡績職人を増やすだけ生産は上がるだろう。しかし生産性が向上したわけではないし、一人当たり労働生産性は同じだから賃金も上がらない。
 IMFの「未来予測」はそれほど前近代的な思考回路で「未来」を予測している。それは安倍自公政権が外国人労働者を大量に入れなければ経済成長しない、と考えた思考回路と全く同じだ。
 日本はこうした愚かに官僚たちと国会議員たちによって衰亡の道をたどらされる。しかしそうしたバカな国会議員を選んだのも国民・有権者だから自業自得というべきなのだろうか。だが子々孫々に繁栄した日本を継承させたい一心で、このブログで経済成長の原理について書き続けなければならない。日本を衰退から蘇らせるには技術革新や研究開発に投資するしかないことを経営者たちが自覚し、政治家が愚かな法人本税の減税ではなく、投資減税や研究減税を行って、経営者たちが企業投資を積極的に行う風土を醸成することが必要だ、と叫び続けなければならない。

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