世界の非核化を。
<被爆地・広島から怒りの声が上がっています。アメリカが去年12月、核爆発を伴わない臨界前核実験を行っていたことが分かり、原爆資料館の『平和監視時計』がリセットされました。
トランプ政権の下では初めてとなるアメリカの臨界前核実験は去年12月13日に西部ネバダ州で行われたということです。
これを受け広島市の原爆資料館では最後の核実験からの日数を示す『平和監視時計』の表示がリセットされ『302日』となりました。
アメリカの臨界前核実験は5年ぶり28回目となります。
『平和監視時計』がリセットされるのは北朝鮮が去年9月3日に地下核実験を行って以来でリセットの回数は2001年の設置以降25回となりました。
【原爆資料館:志賀賢治館長】「今日こそ本当に最後にしたいと思って押した。核兵器を使ったらこうなるというのを当館は伝え続けてきた。それを繰り返しまた伝え続ける。それに尽きると思う」
一方、平和公園の慰霊碑前では被爆者や平和団体のメンバー88人が、雨の中、抗議の座り込みを行いました>(以上「広島テレビ」より引用)
トランプ政権の下では初めてとなるアメリカの臨界前核実験は去年12月13日に西部ネバダ州で行われたということです。
これを受け広島市の原爆資料館では最後の核実験からの日数を示す『平和監視時計』の表示がリセットされ『302日』となりました。
アメリカの臨界前核実験は5年ぶり28回目となります。
『平和監視時計』がリセットされるのは北朝鮮が去年9月3日に地下核実験を行って以来でリセットの回数は2001年の設置以降25回となりました。
【原爆資料館:志賀賢治館長】「今日こそ本当に最後にしたいと思って押した。核兵器を使ったらこうなるというのを当館は伝え続けてきた。それを繰り返しまた伝え続ける。それに尽きると思う」
一方、平和公園の慰霊碑前では被爆者や平和団体のメンバー88人が、雨の中、抗議の座り込みを行いました>(以上「広島テレビ」より引用)
北朝鮮に対しては「非核化」を要求している米国が核兵器を手放すつもりはない、という極めて勝手な振舞いをしている。いや「核クラブ」(核兵器を公然と保有している「国連常任理事五ヶ国」)はどの国一つとして「核軍縮」は何度も合意しているが、「核廃絶」を合意したことはない。
そして核クラブ国以外にもインドやイスラエル、イランやパキスタンも核保有を「許され」ている。いやイランについては「核合意」で段階的に非核化を進めようとしている。
核兵器は一度製造したら永遠に効力が落ちない、という魔法の兵器ではない。核爆弾の「起爆剤」に相当するプルトニウム239は半減期が2万4千年だが、プルトニウムの劣化は、腐食と、自発的に内部に欠陥を生じさせる自己照射(self irradiation)により起きる、という。そしてプルトニウム(プルトニウム-ガリウム合金)は非常に反応性に富み、高温多湿下では急速に酸化が進んでしまうそうだ。
原爆などではおよそ数十年で劣化するといわれ、水爆ではもっと早く十数年で劣化するといわれている。つまり絶えず製造し続けて劣化した核兵器と置き換えなければならない。そして核兵器を目的地へ運ぶICBMも精密電子部品などは構造的に数年で劣化するため、絶えず製造して新製品に換えなければならない。
つまり使う当てのない「脅し」のために過ぎない核兵器の保有国は毎年莫大な核兵器保有のためのコストを支出し続けている。米国が臨界前核実験を行ったのも新型の核兵器が正確に作動しているか確認するために必要な「実験」だ。
これまで核開発などで各国が実施した核実験の回数を列挙する。米国1030回(今回でプラス1と広島・長崎でプラス2)、旧ソ連715回、フランス210回、英国と中国はそれぞれ45回、インドとパキスタンは各6回、そして北朝鮮も6回だ。その他にもイスラエルと南アフリカも核実験を行ったと思われる痕跡がある、といわれている。
問題なのは核兵器に必要不可欠なプルトニュウム239は原発を稼働させることにより製造できるため、核保有国は原発を電力供給のためとの表向きの口実を設けて、決して原発を停止させない。ブルトニュウム239は上述したように劣化するため貯蔵に向かず、絶えず製造し続ける必要があるのだ。つまり原発を停止することは核兵器の製造が出来なくなり、核保有を放棄することに繋がる。
世界各国が原発を稼働することは核保有国になる可能性を保持することだ。核開発は何も最新のテクノロジーではない。半世紀以上も前に製造は技術的に確立されている。日本にも「原発を廃棄したら原子力関係の技術が失われる」などと惚けたことを言う評論家がいるが、基礎科学教育の欠如した北朝鮮ですら製造できる代物だ。最新の電子部品製造よりも遥かに簡単だ。ただプルトニュウム239などが直接手で触れることのできない厄介な原料を使用するため、それなりの施設がなければ製造できないに過ぎない。
核保有国は決して実際に使用できない、使用すれば自国も破滅する核兵器を保有して「脅し」に使っている。世界は瞬時に破滅する核兵器であふれている。私たちは「狂気の世紀」を生きていることをしっかりと認識し、すべての核保有国の核廃絶を声高に要求すべきだ。
人類は数ヶ国の核の「脅し」にビクビクして生きている。核兵器のバランスが世界平和を維持している、などという愚かな「パワー・バランス」などの軍産共同体の寝言にいつまで人類は惑わされるのだろうか。すべての核兵器を廃絶して、人類は「狂気の世紀」を終わりにしなければならない。未来の歴史学者は現代を必ず「バカバカしいほど未発達の人類たちの「狂気の世紀」だ」と名付けるだろう。