米国がオセロのようにグローバル化から超保護主義へと豹変するのは世界の大迷惑だ。

トランプ米大統領は24日、ツイッターに「関税は最高だ!」と投稿し、通商協議で米側の要求に歩み寄らない貿易相手は「関税を食らう」と牽制(けんせい)した。
 トランプ氏は25日に欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長と会談する予定。
 トランプ氏は「米国を長年、不当に扱ってきた国々が交渉のため首都ワシントンにやってくる」と指摘。「貿易協議で米国を不当に扱ってきた国は、公正な協定を結ぶか、さもなくば関税を食らう」と述べた。トランプ政権は輸入する自動車・部品への追加関税の適用を検討している。関税発動をちらつかせ、貿易相手に対し、貿易不均衡の是正などに向けた譲歩を迫った形だ>(以上「産経新聞」より引用)

 先にグローバル化を仕掛けたのは米国だ。すべての関税のみならず非関税障壁まで問題にして、ISD条項を使ってまで貿易相手国の制度や商慣習まで「米国並み」に合わせようとする徹底したグローバル化を貿易相手国に求めた。
 しかし大統領が変わるとグローバル化から一転して極端な保護貿易主義に転じた。トランプ氏のやり方は「劇場型」で米国内の有権者には分かり易いだろうが、貿易相手国にとっては青天の霹靂だ。

 新自由主義のグローバル化に基づく貿易であれ、貿易には必ず輸入業者と輸出業者との間で契約が介在する。その契約に国家が「関税」という形で輸入品に「コスト」を上乗せする。だからトランプ氏が輸入品に課した「関税」を支払うのは米国民だ。
 だが関税が米国内産業の保護に役立ち、米国内産業が新規に雇用を増やすのなら、そのためのコストを国民が負担すると考えられなくもない。しかし米国内の自動車会社が日本車にとって換わるほどの性能と燃費を実現しているとは思えない。

 関税を課すのが「懲罰」であってはならない。貿易赤字に対する腹立ちまぎれの「懲罰」関税を実施するのは自国民に物品税を課すのと同じことだ。
 関税を課すのは国内産業の保護が大原則でなければならない。日本が輸入する農産品に関税を課すのは当然の権利だ。国内の農業者を保護しなくて食糧安全保障は守られない。

 米国は米国だけで存在しているのではない。世界各国との国際関係を通して存在している。ドルが基軸通貨であり続けているのも国際社会が米国を信認しているからだ。
 トランプ氏は何か勘違いしてはいないだろうか。保護貿易はあくまでも節度ある「協調的保護貿易」でなければならない。トランプ氏の関税を梃にした貿易相手国を攻撃するのは米国の1%(グローバリストたち)が米国政府を操って新自由主義を唱えながら関税と非関税障壁を撤廃させて、投機資金を自由自在に操って世界を「経済植民地」にしようとしていたオバマ氏までの米国と対をなす独善的な暴力に過ぎない。

 EUはドイツがEU連合という幻想を使って欧州で経済覇権を握るための道具だった。同じような手法は中国も「一帯一路」という目晦ましスローガンを掲げてユーラシア大陸を中国の経済植民地にしようと目論んだ。
 そうした動きの根底には米国の1%に対する対抗意識があった。それは形を変えたブロック経済圏だ。第二次世界大戦を引き起こした「囲い込み運動」と何ら変わらない。そうした策動に私は反対するが、同時にトランプ氏のジャイアン的な振る舞いには嫌悪感を覚える。世界の超大国の指導者として余りに野卑に過ぎる。この品性のない保安官気取りの男を米国民は何とかすべきだ。

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