中東の平和を望む。

<内戦が続く中東イエメンの首都サヌアで8日、多数が参列していた葬儀会場が空爆を受けた。国連によると、140人以上が死亡し、525人以上がけがをした。サヌアを支配する反政府武装組織フーシは、サウジアラビア主導の連合軍による空爆だと非難した。2015年3月にサウジなどが軍事介入を開始して以来、一度の空爆で最大の犠牲者を生む惨事となった。

 サウジ側連合軍は、報道官が地元メディアに「その地域での空爆は実施していない」と関与を否定。その後、「事件について早急に調査する」との声明をサウジ国営通信を通じて発表した。

 現場の建物では、サウジ側連合軍が攻撃対象とするフーシ関係者の葬儀が営まれていた。フーシと連携するサレハ前大統領の関係者も参列していたという。AP通信は救助関係者の話として、「現場は血の海になった」と伝えた。犠牲者の大部分は民間人だったとみられる>(以上「朝日新聞」より引用)

 イエメンとサウジアラビアとは宗教対立の関係にある。サウジアラビアはワッハーブ派でシーア派のイランとも対立しているように、イエメンとも対立関係にある。
 イスラム教徒に変わりないはずだが、中東諸国の宗派対立は戦争にも発展するほど激しい。そうした宗派対立を巧みに利用して中東諸地域を分断して植民地支配していたのが欧州諸国だ。従って、欧州諸国の責任は重いし、冷戦時代にも旧ソ連と米国は中東諸国の宗派対立を利用してモザイク的な友好国の外交関係と軍事支援をしてきた。

 サウジアラビアはサウード家の絶対君主制政治を行い、憲法の第一条に「憲法はクルマーンおよびスンナとする」と明記されている。つまりクルマーンが憲法だ、ということであり、国際人権規約を批准していないだけでなく、男尊女卑を社会制度としていたり裁判はアラビア語で行い通訳はつけないという無謀ぶりだ。
 しかし民族自決を尊重すれば、サウジアラビアの現体制を受け入れるしかないのかもしれない。しかし他国に対して軍事力を行使するのは容認できない。イエメンを空爆する戦闘機を保有する国は中東にそれほど多くない。シーア派と敵対するサウジアラビアが行ったのではないかと思われるのも当然のことだ。

 周知のようにサウジアラビアと同盟を結んでいるのは米国だ。日本国内の米軍基地は作戦範囲にサウジアラビアまでを含めている。すなわち日本は中東のサウジアラビアを支援する米国を支援している、ということだ。
 中東に軍事介入した米国は民主主義を輸出する、と息巻いていたが、サウジアラビアの絶対君主制には容認姿勢を取っている、という見事なまでのダブルスタンダードだ。

 国連安保理はいったい何をしているのだろうか。常任理事五ヶ国は中東の軍事介入に参画している当事者たちだ。彼らが中東から一斉に手を引くのが安保理として正しい選択ではないだろうか。それで戦乱が一時的に拡大しようと、中東のことは中東の人たちに任せるべきではないだろうか。
 ことに米国の友好国の絶対君主制は容認し、敵対する国の独裁政権は倒してカダフィ大佐やフセインなどはリンチ同然に殺害する、というやり方には賛成できない。ダブルスタンダードと独善的な外交に終始する米国との同盟は日本にとって必ずしも「日本の防衛と世界平和」のためにもならない。日本国民は世界との付き合いに対しても米国主軸とする思考回路から脱却すべき時期に来ている。


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