北方領土返還は話し合いでは実現しない。
古今東西の歴史を見る限り、およそ領土問題が話し合いで解決したためしはない。最終的には軍事力で奪うしかないのが領土なのだ。根本的に、そうした観点を持ってロシアと交渉すべきだ。楽観的な「プーチンと話し合えば何とかなる」などといった解決策を探るなどといった議論は無用だ。
安倍首相が西側先進諸国で唯一ソチオリンピック開会式に駆け付けたものの、それがどれほどの効用を成したのか、冷静な検証をすべきだ。ウクライナ問題を巡ってロシア包囲網を形成しているようでもフランスはロシアに数千億を超える軍用艦船を二隻引き渡す時期にあるため、ロシア制裁に参加していない。西側諸国の結束といってもその程度のものでしかない。
武力や策略による国境線変更はロシアのお手のものだ。日本の1/3程度のGDPしかない国家であるにせよ、ロシアは国家的な戦略資源シベリア天然ガスを使って、強圧的外交を積極的に展開している。いわばトヨタなどの自動車産業が日本の国家事業のようなもので、その貿易利益と国際的な優位を軍事力を背景に相手に押し付けているのと同じことをやっている。
当初、欧州諸国はロシアの天然ガスを購入するのを渋っていた。なぜならロシアから天然ガスを購入して、それが各国のエネルギー政策の基本に組み込まれた時点で欧州諸国は寒い冬季を乗り切るためにロシアの天然ガスに依存せざるを得なくなるからだ。つまり『戦略物資』としてロシアの天然ガスを受け入れることになり、ロシアの安全保障を担保せざるを得なくなるからだ。そしてその思惑通りになっている。
いまだに日本はロシアと平和条約を結んでいない。その障壁となっているのが『北方領土』だが、ロシア側に北方領土を解決しようという意思は全くない。つまり基本的に日本と正常な国交を取り結ぼうという意思はないとみなさなければならない。
そのロシアのプーチン大統領と恰も安倍氏が個人的に良好な関係があり、話し合いで北方領土が返還されるかのような希望を国民に抱かせるかのような報道するのは間違いだ。ロシア政府はロシア国民に「北方領土は先の大戦で勝利した輝かしい戦利品だ」と教えている。だからロシア国民も「北方領土は国際的に何ら問題なくロシアが取得したものだ」と思っている。そのロシア国民の是認なくして北方領土返還実現はできない相談だ。
武田信玄の国家戦略ではないが『人は石垣人は城』というのを世界各国は基本戦略としている。だから旧ソ連は北方領土を火事場泥棒した直後にそこに暮らしていた1万5千人もの日本国民を強制排除して、ロシア人を入植させた。クリミア半島やウクライナ東部にロシア人を入植させてウクライナの地を簒奪しようとしているのと戦略的に何ら変わらない。だからロシア人に『人道的に接触すればよい』だの『共同開発すればよい』だのといったロシアの国家戦略を容認した上での妥協策を講ずるのは基本的に間違っている。膨大な日本政府の北方領土ロシア人への支援が結局何をもたらしたか、冷静に考察すべきだ。
最終的に北方領土に暮らすすべてのロシア人にはお引き取り願うしかないのだ。領土返還とはそういうことを最終到達点とすべきなのだ。それが平和的な話し合いで達成できるとは到底思えない。最後は軍事力を背景とした脅しで実行するしかないと日本国民は覚悟すべきだ。そうでないなら、北方領土返還などという絵空事はキッパリと諦めて、プーチンのロシアと対等な外交を冷徹な国家利益を基本に据えて行うべきだ。なんらロシアを慮ったり遠慮する必要はない。火事場泥棒を平気で働く国家であり、そうした国家を是認する国民だと理解しなければ真の日露関係は始まらない。明治政府首脳たちはそのようにロシアという国を認識し、国家を賭して日露戦争を戦ったのだ。そうした気概を百年後の子孫たちは失っているようだ。ソチ五輪の開会式へノコノコと出掛けて満面の愛想笑いを浮かべているようではプーチンとロシア国民に舐められるだけだ。
<日本政府はロシア軍による北方領土での軍事演習実施を「唐突」などと驚きをもって受け止めている。外務省の武藤顕欧州局参事官は13日、ロシアのジョスキー駐日臨時代理大使を同省に呼び抗議した。ただ、政府内には北方領土交渉の進展をにらみ、今秋のプーチン大統領訪日を予定通り実現したいとの思いが強い。このため今後の対応については、ロシア側の演習を巡る意図などを分析し、慎重に検討する考えだ>(以上『毎日新聞』引用)
このような事態に到っても日本政府首脳はプーチンと会談したいのだろうか。そうした下心を見せる方が物事を前進させないという外交の力学を少しは歴史に学んではどうだろうか。毅然とした明治人のような政治家は今の日本にいないのだろうか。
安倍首相が西側先進諸国で唯一ソチオリンピック開会式に駆け付けたものの、それがどれほどの効用を成したのか、冷静な検証をすべきだ。ウクライナ問題を巡ってロシア包囲網を形成しているようでもフランスはロシアに数千億を超える軍用艦船を二隻引き渡す時期にあるため、ロシア制裁に参加していない。西側諸国の結束といってもその程度のものでしかない。
武力や策略による国境線変更はロシアのお手のものだ。日本の1/3程度のGDPしかない国家であるにせよ、ロシアは国家的な戦略資源シベリア天然ガスを使って、強圧的外交を積極的に展開している。いわばトヨタなどの自動車産業が日本の国家事業のようなもので、その貿易利益と国際的な優位を軍事力を背景に相手に押し付けているのと同じことをやっている。
当初、欧州諸国はロシアの天然ガスを購入するのを渋っていた。なぜならロシアから天然ガスを購入して、それが各国のエネルギー政策の基本に組み込まれた時点で欧州諸国は寒い冬季を乗り切るためにロシアの天然ガスに依存せざるを得なくなるからだ。つまり『戦略物資』としてロシアの天然ガスを受け入れることになり、ロシアの安全保障を担保せざるを得なくなるからだ。そしてその思惑通りになっている。
いまだに日本はロシアと平和条約を結んでいない。その障壁となっているのが『北方領土』だが、ロシア側に北方領土を解決しようという意思は全くない。つまり基本的に日本と正常な国交を取り結ぼうという意思はないとみなさなければならない。
そのロシアのプーチン大統領と恰も安倍氏が個人的に良好な関係があり、話し合いで北方領土が返還されるかのような希望を国民に抱かせるかのような報道するのは間違いだ。ロシア政府はロシア国民に「北方領土は先の大戦で勝利した輝かしい戦利品だ」と教えている。だからロシア国民も「北方領土は国際的に何ら問題なくロシアが取得したものだ」と思っている。そのロシア国民の是認なくして北方領土返還実現はできない相談だ。
武田信玄の国家戦略ではないが『人は石垣人は城』というのを世界各国は基本戦略としている。だから旧ソ連は北方領土を火事場泥棒した直後にそこに暮らしていた1万5千人もの日本国民を強制排除して、ロシア人を入植させた。クリミア半島やウクライナ東部にロシア人を入植させてウクライナの地を簒奪しようとしているのと戦略的に何ら変わらない。だからロシア人に『人道的に接触すればよい』だの『共同開発すればよい』だのといったロシアの国家戦略を容認した上での妥協策を講ずるのは基本的に間違っている。膨大な日本政府の北方領土ロシア人への支援が結局何をもたらしたか、冷静に考察すべきだ。
最終的に北方領土に暮らすすべてのロシア人にはお引き取り願うしかないのだ。領土返還とはそういうことを最終到達点とすべきなのだ。それが平和的な話し合いで達成できるとは到底思えない。最後は軍事力を背景とした脅しで実行するしかないと日本国民は覚悟すべきだ。そうでないなら、北方領土返還などという絵空事はキッパリと諦めて、プーチンのロシアと対等な外交を冷徹な国家利益を基本に据えて行うべきだ。なんらロシアを慮ったり遠慮する必要はない。火事場泥棒を平気で働く国家であり、そうした国家を是認する国民だと理解しなければ真の日露関係は始まらない。明治政府首脳たちはそのようにロシアという国を認識し、国家を賭して日露戦争を戦ったのだ。そうした気概を百年後の子孫たちは失っているようだ。ソチ五輪の開会式へノコノコと出掛けて満面の愛想笑いを浮かべているようではプーチンとロシア国民に舐められるだけだ。
<日本政府はロシア軍による北方領土での軍事演習実施を「唐突」などと驚きをもって受け止めている。外務省の武藤顕欧州局参事官は13日、ロシアのジョスキー駐日臨時代理大使を同省に呼び抗議した。ただ、政府内には北方領土交渉の進展をにらみ、今秋のプーチン大統領訪日を予定通り実現したいとの思いが強い。このため今後の対応については、ロシア側の演習を巡る意図などを分析し、慎重に検討する考えだ>(以上『毎日新聞』引用)
このような事態に到っても日本政府首脳はプーチンと会談したいのだろうか。そうした下心を見せる方が物事を前進させないという外交の力学を少しは歴史に学んではどうだろうか。毅然とした明治人のような政治家は今の日本にいないのだろうか。