参議院席に勝たねば「親の敵」とは、ついに狂気の沙汰か。
選挙戦を鼓舞するために時代錯誤の勇ましい掛け声を多用するのは日常風景だが、首相ともあろう者が「参議院選は親の敵、勝たねばならない」とは安倍氏の頭はマトモかと疑わざるを得ない。
安倍氏の親とは安倍晋太郎氏だが、彼が選挙で討ち死にでもしただろうか。安倍晋太郎氏は安倍寛氏という親の地盤看板を受け継ぎ、岸信介氏の娘を嫁にもらって保守本流中の本流を悠々と遊泳した政治家ではなかっただろうか。
その倅の安倍晋三氏も地盤と看板と鞄まで受け継ぎ、選挙で苦労らしい苦労もしていない。先の総選挙では大嘘をついて国民を騙して政権を獲得した。現在もマスメディアに囃したてられて分不相応の支持率まで捏造してもらって悦に入っている。
むしろ「選挙こそ親の敵」と怒り心頭なのは国民の方ではないだろうか。民主党には「云ったことはやらないで、云わなかったことをやってのけた」羊頭狗肉・菅氏と野田氏に騙された。安倍氏は「脱原発」と言いつつ、実際は再稼働に舵を切って国民を騙している。TPPも矮小化した農業製品などの五品目聖域化という出来もしないことを「信じてくれ」と鳩山氏並みの「トラストミー」を日本語で言って退けた。
国民の方こそ「選挙は敵」だ。敵討ちを果たすために「投票する権利」が国民にある。選挙でしか意思表示ができない国民は選挙でこそ敵討ちを果たそうではないか。「日本をトデモドス」と舌足らずに口走っていた安倍氏は「隷米国日本」を取り戻すために奔走しているとしか思えない。敵はまさに安倍自公政権ではないだろうか。