用済みの「維新の会」を捨て去るマスメディア。
維新の会に風が本当に吹いていたのか、と訝しく思う。確かに大阪限定では「風」らしきものは感じられたかもしれないが、それ以外の地域で圧倒的な支持があったのか、今となっては「夢の跡」といわざるを得ない。
それもこれも民主対自公という対立構造に巻き込まれない有権者の受け皿として、マスメディアが勝手に「維新の会」を第三極と持ち上げて、有権者が第一極から第三極までのどの政党を選択しようと「消費増税」や「TPP参加」や「原発再稼働」は目論見通りにはたせることになる。
いわば本当の第三極を隠蔽するためにマスメディアが華々しく国民に「維新の会」騒動を演じて見せたに過ぎない。その実態は第一極から第三極まですべて自民党の亜流や補完勢力に過ぎない。有権者の選択肢を封じる報道を繰り広げただけだ。
自民党の圧勝が見えてきた現在、維新の会は役割を終えマスメディアから弊衣の如く捨てられようとしている。最初からそうした段取りで持ち上げられたにも拘らず、橋下氏は気宇壮大な勘違いをして石原氏たちと組み全国に自腹の候補者を立ててしまった。いまさら撤収出来ないのが選挙というものだ。地方の候補者たちは見捨てられて大敗にまみれ、選挙後には山のような借金が残ることになるだろう。
すべて自己責任だと新自由主義者の竹中顧問が橋下氏の耳元で囁いているのだろうが、これほど非情な人たちを知らない。かくして本来あるべき第三極は橋下氏一派のやりたい放題のパフォーマンスにより結集されなかった。マスメディアの仕掛けとも気付かず「俺の力はすごいぜ」と得意満面に暴れまわって本来あるべき第三極の形成を邪魔した橋下氏の罪は余りに大きい。