全国に130を超える「維新の会」が乱立しているという、
タチの悪い笑い話ではないが、全国に130を超える「維新の会」が乱立しているという。その一方で国会は開店休業状態で特例公債法案や選挙改革法案をはじめ、この国会で改革の道筋をつけるとしていた社会保障改革を議論する「国民会議」すら立ち上がっていない。つまり「消費増税」だけを抓み食いして、後は野となれ山となれ、と総選挙の足音にビクビクと走り回っているだけだ。
何処で誰に聞いて回ったのか、マスメディアの「世論調査」で大阪維新の会の支持率が自民党を抜いて第一党になったという。まだ政党要件も満たしていない、国会議員が一人もいない、橋下氏が党首になるようだが、当の橋下氏が打ち上げ花火のように「国会議員240人に削減だ」と威勢の良い目玉をブチ上げて、国民の関心を繋いでいるだけだ。
「維新の会」が実際に何をやったという実績は何もない。ただ威勢が良いだけだが、真夏の積乱雲のようなもので上昇気流がなくなれば、たちまち影も形もなくなる類のものだろう。
民主党が小沢氏という稀代の政治家の手腕によって政権党に上り詰めたが、維新の会に小沢氏のような実務的手腕を備えた政治家がいるだろうか。少し冷静な国民なら「オレオレ詐欺」にかからないだろうが、これまで「オレオレ詐欺」の被害が少ないとされていた大阪で被害が拡大しているという。それと橋下氏の支持率と関係があるのだろうか。
週刊誌や雑誌はここを先途とばかりに政局話で売りまくっている。そのためには民主党と自民党の二大役者では国民の関心を繋ぎ止めるのは国難と判断したのか、橋下氏を弄繰り回して楽しんでいる。小沢氏はスルーしないと検察と一緒になって「政治とカネ」で叩いたのがすべて嘘だったとバレバレになり更に叩くよりも小沢氏を擁護して来て冷静なネット世論によって反対に袋叩きにあいかねない。だからあれほど連日「政治とカネ」で小沢氏を叩きまくったテレビも知らぬ顔の半兵衛を決め込んでいる。
かくも無責任なマスメディアが橋下氏を取り上げたところで、ワイルドなはずの杉ちゃんが飛び込みで骨折して三カ月加療の重傷を負ったように、橋下氏の人気の殺生与奪の権限はマスメディアが握っている。小沢氏のように三年も叩き続けられてもビクともしないワイルドさは橋下氏にはない。さて、維新の会騒動というバカバカしい出し物はあと何ヶ月続くやら、半笑いながら眺めるとしよう。どの政治家や政治家崩れのタレントが浅ましい下心を隠して群れるのか、人物評価にはもってこいだ。