「米国は慈善団体ではない」とは戦前から分かっていたことだ。
米国は元来がプラグマティズムの国だ。翻訳すれば「実利主義」国家だということだ。冷徹な算盤勘定で打算的な動きをするのが「善」だとする考え方だ。その意味において、中国と大変似通っている。
中国が貿易相手国として有益になると見通したため、米国は台湾政府をアッサリと切り捨てた。その例に倣って米国のポチ同然に台湾と国交を閉ざし、中国と国交を開いた。
米国はいつまでも「日米安保条約」によって日本の守護神であり続けると思うのは間違いだ。いつでも「条約を解除する」という通告をしさえすれば、両国の同意でなく解除できることになっている。「イザッ」という時にこそ、米国は日本を裏切ると覚悟しておくことだ。
「後悔先に立たず」という。「イザッ」という時に困らないように、平時にこそ日本は国民が国家を守る普通の国にしておく必要がある。むしろ日本が普通の国になると、米国は今以上に日本を必要とするようになるだろう。