事業仕分けは現状の追認に他ならない。

 現在の国と地方の仕組みをそのままに事業の一つ一つに切り込むことは、無駄だとはいわないまでも現状の仕組みを追認した上での話に過ぎない。つまり大福帳式の収支出入り確認の困難な会計基準と追認の困難な帳簿形式のままにして、それをいくらいじくっても成果はなかなか上がらないだろう。議論している専門家も一度頭の中で複式簿記に置き換えて形態を炙り出してから官僚に質問している様子が窺える。つまり会計士たちにしても実務経験のない単式大福帳会計という官僚の土俵で相撲を取っているのだ。


 


 なぜ世界で日本と北朝鮮の他はごく少数のアフリカ諸国しか使っていない単式簿記を官庁で使い続けなければならないのだろうか。世界諸国との国際会議に資料を合せるにはその都度膨大な組み換えが必要となり、官僚の恣意的な判断の入り込む余地を生むことになる。しかしそれは反対に官僚にとって便利な仕組みであるに違いない。一年かそこらで官庁を去る大臣他政務官が単式簿記に慣れる頃にはいなくなるし、絶えず政治家は官僚の掌で操れる。しかも単式簿記の決定的な欠陥は世界基準の会計原則が適用されないことだ。たとえば会計原則には「総額主義」というのがあって、単式簿記では常識とされている「特別会計」は許されない。すべては一つの会計システムに統合され、一枚のペーパーに要約される。財布も別々に分けてはならず、一元管理が原則となる。


 


 何よりも複式簿記へ移行すれば会計士は一目瞭然で官庁の病理を指摘できるようになる。今も会計システムを翻訳して指摘しているが隔靴掻痒の感は拭えない。国際基準の複式簿記へ官庁簿記を改めることがすべての改革の出発点だと思うのだが。



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