民主党の終わりが始まった。

 菅氏の再選を見てNY金融市場で円高が進み一時82円台に突入した。国際金融市場は菅氏を信用していない。これから日本の国益は大きく損なわれることだろう。しかし、それも仕方ない。経済界も菅氏再生を支持した。彼らに菅首相が無策・無能なのは分かっていたはずだ。ただ小泉・竹中路線と同じ路線に菅政権が乗ったことを歓迎しているだけだ。


 


 普天間移設問題も決定的に暗礁に乗り上げるだろう。沖縄県民は自民党政権時代のように甘い沖縄振興策につられて容認するようなことはしないだろう。今後は辺野古沖移設にどんな懐柔策を提示しても沖縄は首を縦に振らない。菅政権は11月の県知事選で沖縄県民の決定的な「基地反対」の意思を知ることになるだろう。


 


 予算国会は当初から行き詰るだろう。参議院で政権獲得を巡って熾烈な戦いが始まり、小沢氏抜きの民主党は立ち行かなくなる。「パーシャル連合」などと甘い見通しを語っていた政権幹部は厳しい野党の姿勢に凍りつくだろう。来年度予算と引き換えに、というところまでいかないで、年内にも菅政権は立ち往生させられるだろう。そして決定的な矛盾は沖縄に出る。日米合意には公有水面埋め立てが必要で、それには地元の同意がなければならない。出来もしない日米合意遂行にどのような手品を使うのか、タネを見せろと詰め寄られるだろう。


 


 すべては大マスコミの予定したことだ。小沢氏を潰すために菅氏を応援した。それは民主党を潰すためだ。小沢氏こそが背骨のない鵺のような民主党の救世主だったのだ。それを民主党が葬った。


 これで民主党政権は小沢氏抜きの政権となった。大マスコミは欣喜雀躍だろう、はっきりと自民党復権が確実になったのだ。自民党はたった一年有余の野党暮らしで、早くも政権に返り咲く道が見えた。国会運営で野党が民主党と妥協するとは到底思えない。菅氏の立ち枯れ無理やり解散総選挙でも小沢氏抜きの民主党なら万年野党の時代と同じことだ。一年生議員の軒並み落選し、結果としてポロ負けになり政権から転落するだろう。たとえ民主党が僥倖にも解党せず存続したとしても、若い議員が力をつけて小沢氏抜きで政権与党に返り咲くには10年はかかるだろう。


 


 日本が自立して「普通の国家」になる機会を逸してしまった。民主党は実につまらない選択をした。大マスコミ誘導による薄っぺらな「世論制民主主義」にしてやられた。この損失は大きいといわなければならない。菅政権に米国や中国と命懸けで渡り合う政治家はいない。ただただ官僚のお膳立てした政治ショーを演じるだけだ。国民はそっぽを向くだろう。蓮舫氏が事業仕分けをやって見せても二匹目の泥鰌に国民は関心を示さないだろう。


 世論ほど当てにならないものはないし、世論を当てにして政治をやってはいけない。政治家は自身の信念に従って政治的判断をすべきで、間違っていたら落選するだけとの覚悟がなければならない。自身の地位安定のために政治をしているのではないはずだろう。


 


 しかし、すべては繰り言だ。小沢氏は負けた。この国はこれからも当分は米国のポチとして振る舞うことになる。世界に発信するリーダー国とはなれないし、米国の財布代わりに負担を強いられ米国の守りとして日本の基地をタダ同然で使用されるだけだ。交通事故で日本人が米兵に轢き殺されても、裁判権は米国にあるという状態が続く。そうした国を民主党は選択した。この年末、三ヶ月もすれば彼らは自身の軽率さと罪深さを思い知ることになる。



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