菅氏で国民生活は良くなるのか。
官僚に取り込まれた菅氏に何ができるというのだろうか。喫緊の円高と株安に対して有効な手を打つどころか、口先のアナウンスすらできないでいる。来年度予算に対して菅氏に何ができるというのか、たいして期待できない。
それに閣僚たちの能力にも疑問が付きまとう。まずは口先介入しようとしてかえって円高と株安を誘導してしまった野田財務大臣は無能の誹りを免れない。社保庁から追放された人物をスウェーデン大使に迎え入れた外務大臣も彼の国家観と相俟って閣僚に相応しいとは思えない。前原氏に到っては論外だ。
菅氏と小沢氏とがガチンコ勝負をすると民主党に遺恨が残る、として鳩山氏が両派の妥協へ向けて動いているようだが、余計なお世話ではないだろうか。党が存続するために動くのは正しいことではなく、本当に菅氏が首相に相応しいから動くのなら鳩山氏の見識を疑う。この政治不在の経済と景気が菅氏の手腕だとしたら、民主党が存続するよりもより良い政権を作るために小沢氏が離党して党を割っても仕方ないだろう。鳩山氏は下手な調停をしないことだ。
派閥の領袖を集めた現内閣の骨格を作ったのは鳩山氏だから愛着があるのは理解できるが、普天間移設問題でも沖縄担当大臣の前原氏が何をどうしたのか全く見えなかったし、岡田外務大臣と北沢防衛大臣も最初から官僚と同一歩調で「県外移設は無理」との認識だった。政治家が命を懸けて仕事をしようとする迫力は全く見られなかった。
この程度の内閣が民主党の政権担当の限界なら、まずは政権党内でガラガラポンと造りかえるのが順当で、次の打開策は党を超えて協力を野党に求めることだ。政治は民主党のためにあるのではなく、国家と国民のためにある、との原点に立ち返ることが何よりも大切ではないだろうか。
分かりやすい党内の政権構想を菅氏と小沢氏が示し、国民の目に見える場所で争っていただきたい。鳩山氏がやっていることは代表選を骨抜きにして密室で変な取引をしているとしか思えない。またまた「ルーピー鳩山」の面目躍如たる行動かと思わず眉を顰めてしまう。