バラ撒きがそんなに悪いのか。
子供手当をバラ撒きと批判する人たちは、それでは前政権がやってきて大きな借金をこさえた官僚主導による制度事業が正しかったというのだろうか。今後とも中央や地方の官僚を使って各種制度をジクソーパズルのように隈なくこの国に張り巡らして、同時に各種外郭団体も全国に作って官僚が税金を吸い尽くす構造を営々と築く構造が望ましいと思っているのだろうか。
格好の例がこの狭い全国各地に98ヶ所もある空港だ。国際的には全く通用しない国内向けのチマチマとした空港を山ほども作って、そのうち羽田など数ヶ所だけが黒字で、あとは赤字の山を毎年築き上げるだけの無駄の象徴のような事業を展開し、更に建設予定の空港がまだあるという。官僚とは信じられないほど懲りない面々なのだ。それも政治家が要望したから事業に踏み切ったと官僚は周到なアリバイ工作をした上で空港特別会計から巨額な金を使い放題に使うのだ。
特別会計をすべてなくして歳入庁で国に入る金は一元管理すべきだ。省庁認可の資格試験を委託している独法や公益法人も国の機関に取り込み、すべて国庫への入金とすべきだ。そうすれば天下りはできなくなる。様々な外郭団体を作ることを許してきた自民党政権は体の良い官僚の御用聞き政党だった。まさか菅政権もその真似をしようとしているのではないだろうが。
子供手当のどこがバラ撒きなのか。保育事業がいかに非効率な事業か、評論家諸兄は検証した上で子供手当を批判しているのだろうか。直接支給は利権が発生しないため官僚が最も嫌う事業なのだ。そのことからマスコミや評論家を総動員して批判を繰り繰り返してきた。
仏国で子供手当を実施して他の子育て母親支援制度も相まって特別出生率が1.98まで劇的に改善され、まだ上昇しているのだ。日本は1.32からやや改善されたといっても1.34程度をうろついているに過ぎない。百年後には人口が半減する国に経済成長が見込めるわけはない。出生率改善こそが最も有効な経済環境の改善策なのだ。
何も検証しないで安易にマスコミの尻馬に乗って直接支給を嫉むかのようにバラ撒き批判するのは止めた方が良い。