どうでもいいこと、だが。
なぜマスメディアは大阪維新の会をこうまで持ち上げるのだろうか。まだ政党としての要件を整えていないばかりか、実績は何もないし「維新八策」も維新というべき目新しいものではない。 大阪維新の政策らしいものは「維新八策」しかないが、消費増税に反対しないし脱原発を明確に謳っていない。その代わり橋下氏の口から断片的に施策が飛び出す程度だ。それも極めて妥当性を欠く決めつけに過ぎない。 たとえば刺青に対する時代がかった強い思い込みだ。市職員に刺青をしているか調査すること自体が「人権問題」ではないかと思われるが、刺青があるからといって差別することが許されるのだろうか。もちろん、刺青をひけらかすなどというのは愚の骨頂だが、衣服で覆っていればなんら問題はない。後は個々人の自由に任せる程度の問題のはずで、公務員にも公的時間と私的時間があるはずだ。刺青を入れたければ公務員を辞めろ、とは余りにトンチンカンだ。 たとえば衆議院議員を半数の240人にしろ、という乱暴さだ。特権階級と化している国会議員を半減する、という宣言は国民の耳に心地良いかも知れないが、国会で実質的に各論を議論する各委員会定数が半減することに繋がり、会によっては成り立たなくなる場合もありうる。 現行の500人近い国会議員は必要ないとは思うが、300小選挙区まで定員が下回る事態は深刻な影響を全国にもたらす。物事には程度がある。衆議院議員のゾンビを許す比例復活は必要ないと思うが、党名による投票で選出される国会議員がすべて不要だとは思わない。それこそ半数程度で良いと思うが、すべてを否定することは出来ない。 そうした詳細な検証を時系列を持って行うべきだが、橋下氏の言辞は刺激的で挑発的だ。橋下氏は自転車操業の零細企業に似ている。たえず話題を提供し続けなければ中心軸から弾き飛ばされるのではないかと言う危機感が彼にあるのではないだろうか。 繰り返すが、橋下氏の具体的に表明された政策で判断するなら、大阪新党は「第三自民党」と呼ぶべき保守性が読み取れる。維新でもなんでもない。政治主導を掲げて官僚主導の財務省下請け政党化した民主党を「羊頭狗肉」政党と批判するなら、橋下氏は病身のお祖母ちゃんに化けていた「あかずきんちゃんの狼」だろう。 しかも大阪維新の会に橋下氏以外にコレといった人材が見当たらない。橋下氏のワンマンショ