既に連合国によって「戦犯」と辱められた日本国民は昭和28年の国会本会議で全会一致に近い決議により全員名誉回復されている。したがって、A級戦犯もB,C級戦犯もこの国には存在しない。すべて国家と国民のために命を捧げた英霊が靖国神社に祭られているだけだ。 たとえば英国首相が米国を公式訪問した際にはアーリントンの無名戦士の墓を訪れて献花(花輪)する。ご存知の通り、米国は英国と独立戦争を戦って建国した。アーリントンの無名戦士の墓には独立戦争を戦った兵士たちも眠っている。だが「英国兵士を殺害した米国兵士たちの墓には参拝しない」などと失礼なことを英国首相は言わない。 日本の靖国神社には明治維新以来、日本の国家と国民のために戦って殉死した兵士たちが眠っている。そこに日本の首相や閣僚が「公式」に参拝するのに何が憚れるというのだろうか。 近隣諸国やアジア諸国へ進軍した兵士たちも眠っているとか、時の首相や閣僚たちも眠っているとか屁理屈を言う向きもあるが、それでは中国をはじめ、アジア諸国は近隣諸国や独立戦争で血を流し、あるいは相手を殺した歴史が皆無か胸に手を当てて考えることだ。あたかも牛や豚の肉を食うから人間は非常な生物だ、と人を非難するのと同じ理屈ではないだろうか。血塗られた歴史を持たない国家なぞ探す方が苦労するほど、人は殺戮の好きな度し難い生物なのだ。 その度し難い生物だからこそ、今を生きる我々が度し難い人のサガによって戦争へと駆り出され、非業にも死を遂げた先人の御霊に感謝するのは当然ではないだろうか。 しかもA級戦犯と称された人たちは戦争終結後に連合国(主に米国)によって非合法な戦争法廷(国際法にもそうした規定はない。特別に米国中心に創られた特別法だ)によって裁かれ、現天皇の誕生日に絞首刑に処した悪辣極まる措置によって犯罪人に仕立て上げられた人たちだ。 東條氏が戦犯に問われるのなら原爆投下を許諾した米国トルーマン大統領も間違いなくA級戦犯に問われなければならない。それが近代国際社会の法のあり方だ。 いかなる理由をつけようと、他国へ軍を進めて他国の政府を転覆したり指導者を虐殺したりすることは決して正しいことではない。大量破壊兵器を保持する可能性があるから怪しからぬ、というのなら同じ理屈で米国はロシアや中国や英国やフランスや北朝鮮やインドにも侵攻して撃滅しなけ