連邦最高裁はトランプ関税に対して議会承認必要と指摘。

<米連邦最高裁判所は20日、トランプ米政権が発動した国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく「相互関税」などの措置について、違法との判断を示した。米政府は他の法律を根拠に関税を徴収する考えだが、看板政策に傷が付き、政権への打撃は大きい。関税について説明するトランプ米大統領(2025年4月2日)=ロイター

 判決要旨によると、最高裁は「IEEPAは大統領に関税を課す権限を与えていない」と判断した。最高裁判事9人のうち、6対3で支持した。
 最高裁では、IEEPAを根拠に議会の承認なく、広範な関税を課したトランプ米大統領の措置の合法性が審理された。相互関税のほか、合成麻薬フェンタニルの米国流入を理由にしたカナダとメキシコ、中国に対する追加関税が対象となった。
 IEEPAは、米国の安全保障や外交、経済に「異常かつ重大な脅威」がある場合、大統領が緊急事態を宣言すれば即座に輸出入を規制できると定める。ただ、関税発動の根拠にしたのはトランプ政権が初めてだった。
【一覧】トランプ米政権の関税措置と訴訟を巡る主な経緯

 判決要旨は、「一連の関税措置には議会の承認が必要で、大統領の権限を越えている可能性がある」と指摘した。
 一連の訴訟は米国の中小企業などが原告となっている。大統領権限の乱用にあたるとして、昨年4月に関税措置の差し止めを求めて提訴していた。
 1審の国際貿易裁は5月、2審の連邦巡回区控訴裁が8月に大統領の権限を逸脱しており、違法と判断。政権は最高裁に上訴したが、11月に行われた口頭弁論でも、大統領権限について保守派の判事からも懐疑的な見解が示されていた。
 訴訟では、自動車や鉄鋼・アルミニウム製品など分野別の追加関税は、通商拡大法232条に基づくため審理の対象外だった。
 米政府は、敗訴した場合は即座に代替措置を講じることで、同規模の関税徴収が可能だとの認識を示している。今後は232条など他の法律を使った関税の徴収を模索するとみられる。
 トランプ氏は今回の訴訟を「史上最も重要な裁判」と強調していたが、司法に歯止めをかけられる形となった。違法判断が出た場合は、日本などとの貿易交渉の合意を解消する構えを見せており、再び世界に混乱が広がる恐れがある。>(以上「読売新聞」より引用)




トランプ政権「相互関税」、米連邦最高裁が違法判断…一連の措置には議会承認必要と指摘」との見出しに米国の暴れん坊も法律の前には大人しくなるのではないかと淡い期待を抱いた。暴れん坊とは勿論トランプ大統領のことだ。
 この21世紀になって米国トランプ大統領は前世紀の遺物とも云うべき重商主義を持ち出して、好き勝手に「トランプ関税」を課して世界の貿易秩序を破壊している。世界は先進諸国各国が出来るだけ関税を排して、自由貿易体制のWTOを構築してきた。その盟主が米国だったはずではないか。世界の製造業を一手に引き受けていた米国にとって、WTO体制は最も有利な貿易体制だったはずだ。

 しかし米国が製造業中心国家から金融国家へと変貌する過程で、米国は輸入超過国家になった。同時に政府支出も増大して「双子の赤字」と云われて久しい。
 政府赤字は度々議会の予算案否決により行政サービスが止まり、国民から頻出を買っている。確かに欧米は極端な「緊縮財政」を実施していて、赤字国債の発行に極めて厳格で制限的だ。そのことにより「小さな政府」を実現しようとしているのだろうが、それなら巨額な軍事費をまず削減予定に入れるべきだ。トランプ氏はそうした方針で動いているようで、世界各国に相当の軍事費を支出すべきと物申している。

 貿易収支の巨額赤字は、しかし貿易相手国の黒字だから、それほど問題ではない。だが貿易赤字を殊のほか気にするトランプ氏は二期目に就任するやいなやトランプ関税を実施した。結果として2025年のモノの国際収支ベースの貿易赤字(季節調整済み)は1兆2409億ドル(約192兆2千億円)で、前年と比べ2.1%増え、過去最大を更新した。貿易赤字の縮小を目指したトランプ政権の高関税措置は、狙い通りの効果を上げなかった。
 米商務省によるとモノの輸入は4.3%増の3兆4384億ドル、輸出は5.7%増の2兆1975億ドルで、いずれも過去最大だった。モノとサービスを合わせた貿易赤字は0.2%減の9015億ドルだった。サービスは3395億ドルの黒字だった。

 国・地域別のモノの通関ベース(季節調整前)の貿易収支によると、赤字は対欧州連合(EU)が7.3%減の2188億ドルで最大だった。対日本は7.9%減の639億ドル(約9兆9千億円)、対中国は31.6%減の2021億ドルだった。
 トランプ大統領は25年1月の就任前から、全ての国・地域を対象に追加関税を課したり、自動車の関税率を引き上げたりする考えを表明していた。米企業の間で、将来の関税負担を避けるために在庫を確保する動きが広がり、25年1、3月にはモノの輸入と貿易赤字が過去最大を更新した。だが、一律10%に次ぐ新たな「相互関税」を発動した8月以降は、モノの輸入が前年水準を下回った。25年12月のモノとサービスを合わせた国際収支ベースの貿易赤字(季節調整済み)は、前月比32.6%増の703億ドルだった。

 トランプ関税の7割は米国企業が吸収しているが、価格転嫁は徐々に進むとみられている。結局トランプ関税は米国民が支払わされることになるのだが、トランプ氏はそうした経済関係に疎いようだ。とりあえず諸外国を懲らしめれば溜飲が下がる、という暴れん坊の狼藉でしかない。
 それに対して連邦裁判所が極めて冷静な判断を下した。今後は関税判断は議会と相談して行うことになる。ただ「自動車や鉄鋼・アルミニウム製品など分野別の追加関税は、通商拡大法232条に基づくため審理の対象外だった」というが、通商拡大法232条とは1962年に制定された法律で、特定の輸入品が米国の国家安全保障を脅かす場合に、大統領が関税引き上げなどの是正措置を発動する権限を付与するものだ。また通商拡大法232条は冷戦下での資源確保や防衛産業保護を目的として制定されたものだ。1962年に制定された通商拡大法は、GATTの多角的貿易交渉(ケネディ・ラウンド)のための交渉権限を大統領に授権する目的でもあった。その法律を現代の特定の産業を狙い撃ちするために利用するのは如何なものだろうか。

 米国の横暴を先進自由主義諸国は傍観しているだけではなく、対中貿易制裁と同様に、自由主義諸国が団結して対米貿易交渉を開始すべきではないだろうか。米国大統領一人によって国際社会秩序が乱暴に破壊されるのを、いつまで忍耐すれば良いというのか。
 そしてトランプ氏及び米国民は関税によって保護された産業は競争力をますます失い、いずれ廃れる運命にあることを知るべきだ。正々堂々と競争してこそ、産業は合理化し生産性が高まり国民に利益をもたらす。

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