与野党が減税を言い出したのは日本経済にとって、極めて健全で当たり前のことを遅ればせながら言い出しただけだ。
<■与野党ともに消費税減税が目玉政策でいいのか?
現在、日本は2つの点で大きな危機に直面している。1つは、止まらない円安と長期金利の上昇による危機。もう1つは、中国からの制裁による危機。このどちらも、対応を誤ると、国民生活を窮乏・崩壊させてしまう。
したがって、今回の「大義なき解散」による衆院選挙は、どの党がこの危機を乗り切ることができるか。そうした政策を持っているかで、投票行動を決めるべきとだと思う。
しかし、今日までの状況を見ていると、この点が曖昧なまま、足し算引き算の予想報道ばかりが目立つ。
それもそのはず、どの党も、明確で現実的な解決策を持っているとは思えないからだ。与野党ともに消費税減税が目玉政策では、そう断言せざるを得ない。
■「国論を2分するような大胆な政策」とは?
高市首相は解散宣言の記者会見で、「国論を2分するような大胆な政策」という言葉を何度も使ったが、それがなにかはよくわからない。
「責任ある積極財政への経済財政政策の大転換、そして安全保障政策の抜本強化、インテリジェンス機能の強化など、これは国論を2分するような大胆な政策です」
と述べたが、こうしたことに対して本当に国論が2分していると言えるだろうか?
とくに看板政策とされる「責任ある積極財政」が、バラマキによる財政拡大とするなら、これは野党もほぼ同じだ。そこで、懸念の対中政策となるが、これはある記者の「国益優先で中国と対峙できるのか」との質問に対し、次のように答えている。
「ご指摘の外交面も含めて、また安全保障も含めて、国論を2分するような大胆な政策、改革にも批判を恐れることなく果敢に挑戦していきたい」とし、「政治側の都合ではなくて国民のみなさまの意思に正面から問いかけるという道を選んだ」と続けた。
この言い方だと、中国が求める「発言撤回」はなく、強硬路線を貫くということのようだ。
■市場の要求は積極財政を止め財政再建を図ること
それでは、2つの危機に戻って、1つ目の「止まらない円安と長期金利の上昇による危機」にどう対処すべきかを考えると、すでに市場が答えを出している。長期金利を急騰させた市場が求めているのは、これ以上の財政赤字を続けてはいけないということだ。
つまり、国債発行に頼る積極財政を止め、一刻も早く「財政健全化」を図れということ。消費税減税によるインフレ対策は、明確な財源なしにはやってはいけないということだ。
S&Pは、高市政権が公約に掲げた「飲食料品の消費税率2年間ゼロ」は、長期的に財政を悪化させるリスクがあると指摘した。中道改革は恒久的な「飲食料品の消費税率ゼロ」だから、こちらのほうがもっとリスクがある。
■対中強硬路線だとトランプにハシゴを外される
では、2つ目の危機である対中政策はどうか? 自民・維新の与党は、高市首相の姿勢から、このままなんの手も打たないと見られる。高市首相は、4月のトランプ訪中前にワシントンに行き、トランプのサポートを願い出るとされているが、それがうまくいかない可能性がある。
トランプは、日米同盟などより、習近平との「グレート・ディール」を望み、「G2」を容認する姿勢だからだ。なにしろ、トランプと習近平は今年4回も会談することになっている。
中道改革の対中姿勢は、ひと言で言うと「穏健」だ。
中国の「力による現状変更」には対抗するが、衝突を避け、協調を通じて東アジアの平和と安定を図るとしているので、要するに「高市“存立事態”発言」は撤回されるだろう。それを中国が受け入れて、制裁を止めるかどうかはわからない。
■「51番目の州」と言われたカナダの対中大転換
ベネズエラ、グリーンランドと、トランプまでもが「力による現状変更」路線を始めたので、世界は激変した。もはや「法による支配」などなくなり、国際法は有名無実化した。
トランプはグリーンランドの件でNATOを敵視したので、同盟も意味をなさなくなった。TACOのトランプだから、日米同盟も危うい。
この状況にいち早く対応したのがカナダだ。トランプから「51番目の州になれ」と言われ、関税をふっかけられたことで、これまで断絶状態だった中国と協調することを選択した。訪中したカーニー首相は、「新戦略パートナーシップ」を打ち出し、中国製EVへの高関税を大幅に引き下げた。これに対して、中国はカナダ産キャノーラへの高関税を撤廃・緩和した。
カナダはかつて、アメリカの意向でファーウェイの副会長を拘束したことがあるから、大転換である。カーニー首相は、ダボス会議でスタンディングオベーションを呼ぶ“反トランプ演説”を行なった。
■カナダと同じくフランス、ドイツ、英国も!
トランプは中国を敵視するようなことを口にしながら、同盟国を中国側に追いやるような愚かな真似を繰り返している。そのため、カナダより早く、フランスのマクロン首相は訪中し、「1つの中国」政策の堅持を表明し、習近平にEVやグリーンエネルギーなどの分野での積極投資を求めた。
そして先日、トランプが提唱した「平和評議会」に不参加を表明すると、ダボス会議でサングラス姿を茶化され、トランプから「フランス産ワインとシャンパンに200%の関税を課す」と脅された。
マクロン、カーニーに続いて、今月末にはドイツのメルツ首相も訪中する。同じく、英国のスターマー首相も、2018年のメイ首相以来8年ぶりに、今月末に訪中することを表明している。英国の場合、これまで認可しなかったロンドンの超大型中国大使館の建設を認可し、これを首相訪中の手土産にするという。
このようなG7諸国の対中融和を見れば、日本が取るべき道は1つしかないと思われる。このままでは、世界でただ1国だけ対中で孤立し、制裁による莫大な経済損失を被ることになる。
■IMFの審査による「大リストラ」を敢行せよ
話を戻して、財政拡張、バラマキを止め、市場の信頼を得て、国民生活を危機から救うにはどうすればいいか?
それは一時の痛みを伴うが、やればその後の経済再生が約束される「大リストラ」を敢行することだ。
IMFがFSAP(IMFが加盟国に対して行う金融セクターの安定性の評価プログラム)により、財政破綻状態の国家に要求する処方箋を実行することだ。
かつて金融危機があった2002年、国会で質疑された「ネバダレポート」というIMF発とされる勧告書がある。このレポートの概要を記すと次のようになる。
《公務員の総数、給料は30%以上カット、及びボーナスは例外なくすべてカット。公務員の退職金は一切認めず100%カット。年金は一律30%カット。国債の利払いは5年から10年間停止。消費税を20%に引き上げる。課税最低限を引き下げ、年収100万円以上から徴税を行う》
《資産税を導入し、不動産に対しては公示価格の5%を課税。債券、社債については5から15%の課税。それから、預金については一律ペイオフを実施し、預金を30%から40%カットする》
■財政再建を最優先にしないと経済は再生しない
このネバダレポートに関しては、私はすでに、この欄で記事にしているので、参考にして欲しい。
カナダは1990年代半ばに、国債を発行しすぎて深刻な財政赤字に陥った。そのため、IMFの審査を受け入れ、大改革に乗り出した。その手始めは、連邦政府の公務員の15%リストラ。その後、各種補助金の削減、政府系企業の民営化などを行なった結果、なんと3年間で、単年度の黒字を達成した。
日本の財政赤字は、市場の反乱を招く寸前まできている。どの政党も、のん気な減税策や補助金による物価対策などを掲げていると、最悪の事態を招く。財政再建を最優先の政策にしない政党ばかりでは、いくら選挙をやっても、「日本列島を、強く豊かに!」などできっこない。>(以上「yahooニュース」より引用)
度し難いとは、このことだ。未だに「日本の危機は深刻!しかし、高市政権も中道改革も対応策なし。答えはすでにあるというのに!」と題した論評を堂々と発表する評論家がいるとは。書いたのは山田順(作家、ジャーナリスト)氏と称する御仁のようだ。
現在、日本は2つの点で大きな危機に直面している。1つは、止まらない円安と長期金利の上昇による危機。もう1つは、中国からの制裁による危機。このどちらも、対応を誤ると、国民生活を窮乏・崩壊させてしまう。
したがって、今回の「大義なき解散」による衆院選挙は、どの党がこの危機を乗り切ることができるか。そうした政策を持っているかで、投票行動を決めるべきとだと思う。
しかし、今日までの状況を見ていると、この点が曖昧なまま、足し算引き算の予想報道ばかりが目立つ。
それもそのはず、どの党も、明確で現実的な解決策を持っているとは思えないからだ。与野党ともに消費税減税が目玉政策では、そう断言せざるを得ない。
■「国論を2分するような大胆な政策」とは?
高市首相は解散宣言の記者会見で、「国論を2分するような大胆な政策」という言葉を何度も使ったが、それがなにかはよくわからない。
「責任ある積極財政への経済財政政策の大転換、そして安全保障政策の抜本強化、インテリジェンス機能の強化など、これは国論を2分するような大胆な政策です」
と述べたが、こうしたことに対して本当に国論が2分していると言えるだろうか?
とくに看板政策とされる「責任ある積極財政」が、バラマキによる財政拡大とするなら、これは野党もほぼ同じだ。そこで、懸念の対中政策となるが、これはある記者の「国益優先で中国と対峙できるのか」との質問に対し、次のように答えている。
「ご指摘の外交面も含めて、また安全保障も含めて、国論を2分するような大胆な政策、改革にも批判を恐れることなく果敢に挑戦していきたい」とし、「政治側の都合ではなくて国民のみなさまの意思に正面から問いかけるという道を選んだ」と続けた。
この言い方だと、中国が求める「発言撤回」はなく、強硬路線を貫くということのようだ。
■市場の要求は積極財政を止め財政再建を図ること
それでは、2つの危機に戻って、1つ目の「止まらない円安と長期金利の上昇による危機」にどう対処すべきかを考えると、すでに市場が答えを出している。長期金利を急騰させた市場が求めているのは、これ以上の財政赤字を続けてはいけないということだ。
つまり、国債発行に頼る積極財政を止め、一刻も早く「財政健全化」を図れということ。消費税減税によるインフレ対策は、明確な財源なしにはやってはいけないということだ。
S&Pは、高市政権が公約に掲げた「飲食料品の消費税率2年間ゼロ」は、長期的に財政を悪化させるリスクがあると指摘した。中道改革は恒久的な「飲食料品の消費税率ゼロ」だから、こちらのほうがもっとリスクがある。
■対中強硬路線だとトランプにハシゴを外される
では、2つ目の危機である対中政策はどうか? 自民・維新の与党は、高市首相の姿勢から、このままなんの手も打たないと見られる。高市首相は、4月のトランプ訪中前にワシントンに行き、トランプのサポートを願い出るとされているが、それがうまくいかない可能性がある。
トランプは、日米同盟などより、習近平との「グレート・ディール」を望み、「G2」を容認する姿勢だからだ。なにしろ、トランプと習近平は今年4回も会談することになっている。
中道改革の対中姿勢は、ひと言で言うと「穏健」だ。
中国の「力による現状変更」には対抗するが、衝突を避け、協調を通じて東アジアの平和と安定を図るとしているので、要するに「高市“存立事態”発言」は撤回されるだろう。それを中国が受け入れて、制裁を止めるかどうかはわからない。
■「51番目の州」と言われたカナダの対中大転換
ベネズエラ、グリーンランドと、トランプまでもが「力による現状変更」路線を始めたので、世界は激変した。もはや「法による支配」などなくなり、国際法は有名無実化した。
トランプはグリーンランドの件でNATOを敵視したので、同盟も意味をなさなくなった。TACOのトランプだから、日米同盟も危うい。
この状況にいち早く対応したのがカナダだ。トランプから「51番目の州になれ」と言われ、関税をふっかけられたことで、これまで断絶状態だった中国と協調することを選択した。訪中したカーニー首相は、「新戦略パートナーシップ」を打ち出し、中国製EVへの高関税を大幅に引き下げた。これに対して、中国はカナダ産キャノーラへの高関税を撤廃・緩和した。
カナダはかつて、アメリカの意向でファーウェイの副会長を拘束したことがあるから、大転換である。カーニー首相は、ダボス会議でスタンディングオベーションを呼ぶ“反トランプ演説”を行なった。
■カナダと同じくフランス、ドイツ、英国も!
トランプは中国を敵視するようなことを口にしながら、同盟国を中国側に追いやるような愚かな真似を繰り返している。そのため、カナダより早く、フランスのマクロン首相は訪中し、「1つの中国」政策の堅持を表明し、習近平にEVやグリーンエネルギーなどの分野での積極投資を求めた。
そして先日、トランプが提唱した「平和評議会」に不参加を表明すると、ダボス会議でサングラス姿を茶化され、トランプから「フランス産ワインとシャンパンに200%の関税を課す」と脅された。
マクロン、カーニーに続いて、今月末にはドイツのメルツ首相も訪中する。同じく、英国のスターマー首相も、2018年のメイ首相以来8年ぶりに、今月末に訪中することを表明している。英国の場合、これまで認可しなかったロンドンの超大型中国大使館の建設を認可し、これを首相訪中の手土産にするという。
このようなG7諸国の対中融和を見れば、日本が取るべき道は1つしかないと思われる。このままでは、世界でただ1国だけ対中で孤立し、制裁による莫大な経済損失を被ることになる。
■IMFの審査による「大リストラ」を敢行せよ
話を戻して、財政拡張、バラマキを止め、市場の信頼を得て、国民生活を危機から救うにはどうすればいいか?
それは一時の痛みを伴うが、やればその後の経済再生が約束される「大リストラ」を敢行することだ。
IMFがFSAP(IMFが加盟国に対して行う金融セクターの安定性の評価プログラム)により、財政破綻状態の国家に要求する処方箋を実行することだ。
かつて金融危機があった2002年、国会で質疑された「ネバダレポート」というIMF発とされる勧告書がある。このレポートの概要を記すと次のようになる。
《公務員の総数、給料は30%以上カット、及びボーナスは例外なくすべてカット。公務員の退職金は一切認めず100%カット。年金は一律30%カット。国債の利払いは5年から10年間停止。消費税を20%に引き上げる。課税最低限を引き下げ、年収100万円以上から徴税を行う》
《資産税を導入し、不動産に対しては公示価格の5%を課税。債券、社債については5から15%の課税。それから、預金については一律ペイオフを実施し、預金を30%から40%カットする》
■財政再建を最優先にしないと経済は再生しない
このネバダレポートに関しては、私はすでに、この欄で記事にしているので、参考にして欲しい。
カナダは1990年代半ばに、国債を発行しすぎて深刻な財政赤字に陥った。そのため、IMFの審査を受け入れ、大改革に乗り出した。その手始めは、連邦政府の公務員の15%リストラ。その後、各種補助金の削減、政府系企業の民営化などを行なった結果、なんと3年間で、単年度の黒字を達成した。
日本の財政赤字は、市場の反乱を招く寸前まできている。どの政党も、のん気な減税策や補助金による物価対策などを掲げていると、最悪の事態を招く。財政再建を最優先の政策にしない政党ばかりでは、いくら選挙をやっても、「日本列島を、強く豊かに!」などできっこない。>(以上「yahooニュース」より引用)
度し難いとは、このことだ。未だに「日本の危機は深刻!しかし、高市政権も中道改革も対応策なし。答えはすでにあるというのに!」と題した論評を堂々と発表する評論家がいるとは。書いたのは山田順(作家、ジャーナリスト)氏と称する御仁のようだ。
すべて突っ込見所満載の論評だ。まず第一章の■与野党ともに消費税減税が目玉政策でいいのか?、だ。
山田氏は「現在、日本は2つの点で大きな危機に直面している。1つは、止まらない円安と長期金利の上昇による危機。もう1つは、中国からの制裁による危機」と書き出している。
円安は別に日本の危機ではない。為替相場の変動と日本経済とは直接的な関係はない。ただGDP比に対する貨幣発行量の相対的な比較でしかない。むしろ円安は「近隣窮乏策」と称されるもので、輸出企業にとっては笑いが止まらない現象だ。
また中国からの制裁の危機とは何だろうか。まさかレアアースを指しているのかもしれないが、中国が対日レアアース制裁を実行したところで、日本企業は既に対策済みだ。日本は過去2010年にレアアース規制を受けたことから、既に対策を打っている。柳の下に二匹目の泥鰌がいると思っている中共政府の方がお目出度い。
次章の■「国論を2分するような大胆な政策」とは?に関して山田氏には良く分からないようだ。高市氏が「責任ある積極財政への経済財政政策の大転換、そして安全保障政策の抜本強化、インテリジェンス機能の強化など、これは国論を2分するような大胆な政策です」と説明している。
山田氏は「「責任ある積極財政」がバラマキによる財政拡大」だと片付けているが、日本経済が失われた35年を経過している間、経済成長がゼロだったことは御承知だろうが、その間に日本の社会インフラが老朽化し国家の安全性能が著しく棄損されたこともご存知だろうか。財政均衡論だけを主張する財務官僚の言いなりになって、国土強靭化を後回ししたツケこそ次世代に回されることになる。国債発行残は「政府の借金」だが、それは同時に「国民の資産」になることを忘れてはならない。
そうした財務省主導の財政政策からの転換で、同時に「親中派」に牛耳られていた日本の外交政策を「普通の国」の外交政策に転換する、というのが「国論を二分するような大胆な政策」ではない、と山田氏は強弁するつもりだろうか。
第三章■市場の要求は積極財政を止め財政再建を図ること、に関しても山田氏の飛んでもない勘違いだ。
「止まらない円安」と「長期金利の上昇」が危機だと、山田氏は指摘するが、円安はFXに対する投機取引がもたらしている結果だから、ちょっとした介入で簡単に円高に振れる性格のものだ。だから大して心配する必要はない。そして長期金利に関しても愚かな日銀が不必要な金利引き上げを強行したため、それに引き摺られて長期金利も上昇しただけのことだ。貸出金利利益が欲しい銀行からせっつかれて、日銀が金利引き上げを決定したのだろうが、実質デフレ下で金利引き上げを強行するなど、愚の骨頂だ。危機は政権にではなく、銀行の利益を優先する日銀にこそある。
第四章は山田氏の勘違いだから論述する必要はない。高市氏が「普通の国の首相」として「普通の発言」をしただけなのに、中共政府が過剰反応している方がどうかしている。それに対して、トランプ氏が梯子を外した事実はない。「力による衝突」を求めているのは中共政府の方ではないか。
また第五章もトランプ氏の対加に対する関税政策の一環で非常識で野卑な発言をしただけのことだ。一々反応する方がどうかしている。第六章もトランプ氏が余りに野卑な発言をしてNATO諸国を挑発し、それに対して英・仏が不快感を表明したに過ぎない。取り立てて問題視することもない。
第六章の■IMFの審査による「大リストラ」を敢行せよ、という内政干渉まがいの発言だが、それは財務省の外局からのメッセージだと考えれば良い。なぜならIMFの拠出金ランキングで1位がアメリカ(約17.4%)、2位が日本(約6.47%)、3位が中国(約6.40%)、4位がドイツ、5位がフランスとなっている。従って日本から財務省OBがIMFに天下ってなりの地位に就いている。だから財務官僚が発言できない、もしくは財務官僚に成り代わって日本政府に注文を付ける役回りに利用している。
財務省は国民の痛みなどどうでも良く、ただ国家財政が円滑に運用できて、自分たちの天下り先への資金が枯渇しなければ万々歳なのだ。そうした財務官僚がオールドメディアを使って「緊縮・増税」こそが国家財政を健全に保つ道だと洗脳してきた。山田氏も洗脳されたクチのようだ。だが国民が一味に耐えて増税を受け入れ続けた35年は「失われた35年」として、国力は衰退し、国民は貧困化しただけではないか。
第七章■財政再建を最優先にしないと経済は再生しない、に到っては噴飯ものだ。山田氏は「日本の財政赤字は、市場の反乱を招く寸前まできている。どの政党も、のん気な減税策や補助金による物価対策などを掲げていると、最悪の事態を招く。財政再建を最優先の政策にしない政党ばかりでは、いくら選挙をやっても、「日本列島を、強く豊かに!」などできっこない」と財務官僚が読むと泣いて喜ぶ暴論で締めくくっているが、そのような考えで運営してきた国家財政による結果が現在の「失われた35年」ではないか。
35年間も経済成長しなかったから、1200兆円もの国債残になったのだ。35年間に世界平均経済成長率3%ほど日本も経済成長していれば、経済規模は3倍近くになっている。つまり1200兆円の国債残は相対的に1/3になっている、ということだ。
経済成長するには需要喚起するしかなく、そのために政府が出来る政策と云えば財政出動(積極財政)と減税(暫定税廃止や消費税廃止)だ。だから与野党が減税を言い出したのは、日本経済にとって、極めて健全で当たり前のことを「当たり前」に言い出しただけだ。