すべての「約束」を反故にして来たプーチンは「ブタペスト合意」をブタペストで思い出すだろう。

<米国のトランプ大統領は16日、ロシアのプーチン大統領と近くハンガリーの首都ブダペストで会談すると明らかにした。プーチン氏との電話会談後、自身のSNSに投稿した。

 トランプ氏は、プーチン氏との対面会談で「ロシアとウクライナの間の『不名誉な』戦争を終わらせることができるかどうか協議する」と述べた。対面による米露首脳会談が実現すれば、8月に米アラスカ州で行われて以来となる。
 電話会談で両首脳は、来週中に両国の政府高官による協議の場を設けることでも一致した。場所は決まっていないが、米側はルビオ国務長官が出席する。
 トランプ氏は、17日にホワイトハウスでウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談する予定で、プーチン氏との電話会談の内容についても報告するとしている>(以上「読売新聞」より引用)




ハンガリー・ブダペストで米露首脳会談へ…トランプ氏が電話会談後にSNS投稿」との見出しにある種の意味を感じるのは私だけだろうか。
 ブタペストといえば1994年12月5日ハンガリーのブダペストでロシア、米国、英国の三ヶ国首脳が会談して、ウクライナが核兵器を放棄する代わりに、ウクライナの主権と領土の一体性を尊重することを約束した地だ。そのブダペスト覚書はロシアによる2014年のクリミア併合と2022年のウクライナ侵攻によって破られた。

  そうした因縁のある地だということを踏まえて、トランプ氏がプーチンとの会談場所にブタペストを選んだのなら意味のあることだ。1994年当時にブダペスト覚書に署名したアメリカ大統領はビル・クリントンでイギリス首相はジョン・メージャーだった。二人とも政権から去っているが、だからといって米国と英国はブタペスト合意とは無関係だとは云えない。
 米国と英国はウクライナの領土保全に関して責任がある。トランプ氏がブタペスト合意を紐解いた上で、プーチンに会談場所としてブタペストを提案したのなら、今回のトランプ-プーチン会談は意味のある会談になるだろう。おそらくロシア軍をウクライナ領内からすべて撤退せよ、とトランプ氏は強い態度で臨むだろう。なぜならトランプ氏の耳にロシア国家の窮状が入っているはずだからだ。

 いかにプーチンが強気に振舞おうとも、トランプ氏はプーチンの「腹」を見透かしているだろう。プーチンは自分自身の「保身」ためだけに、ロシア国民とウクライナ国民の犠牲を厭わず、戦争を続けているだけだ。任期のない独裁者とはそういうものだ。
 ロシアの東欧諸国に対するドローン攻撃を受けて、NATO諸国も対ロ戦争に対して強硬姿勢に転じている。すでに弾薬やミサイルなどの製造拡大に踏み切り、ドイツも新兵器のウクライナ供与に踏み切る決議をしている。トランプ氏も長距離トマホークのウクライナ供与を決断せざるを得なくなっている。そうすると、プーチンはロシア国内で逃げ場を失う。おそらく「(長距離トマホーク供与を)そうするが、そうしても良いのか」とプーチンに確認するのがブタペスト会談の主題だろう。

 天気予報では今日のモスクワの最低気温は10℃を下回っている。ロシア国民は暖房の必要な季節に入っている。しかし石油精製施設の1/3がウクライナのドローン攻撃で破壊され、民生用の石油製品は窮乏している。さらに米国からウクライナに長距離トマホークが供与されれば、ロシア深部にある石油精製所もピンポイントで破壊されるだろう。もちろん輸送パイプラインも破壊される。厳冬期の冬をロシア国民は暖房もなく過ごせるだろうか。プーチンはブタペストで1994年12月5日に合意した「約束」を思い出すが良い。

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