「お人好し」だけなら、他国に骨の髄までしゃぶられるゾ。

＜日本製鉄は中国宝武鋼鉄集団のグループ企業・宝山鋼鉄との合弁を解消した

　日本製鉄は２３日、中国鉄鋼大手の宝山鋼鉄との合弁事業を解消すると発表した。中国の鋼材生産能力を７割削減し、米国やインドに経営資源を集中させる。日鉄は米鉄鋼大手ＵＳスチールの買収を進めており、対中強硬姿勢を示すドナルド・トランプ前大統領の返り咲きをにらんで中国と距離を置いたとの見方もある。日本企業の「脱中国」は一段と加速するのか。

山崎豊子さんの小説「大地の子」のモデル
　日鉄は１９７８年の日中平和友好条約締結を受け、経済協力の象徴として中国側に技術提供した。最高指導者だった鄧小平氏は千葉県君津市にある新日本製鉄（現日鉄）の製鉄所を訪れ、「ぜひこれと同じ工場を中国に造ってもらいたい」と要求、８５年に稼働した「上海宝山製鉄所」には日鉄の最新鋭の設備や技術が導入された。同製鉄所は山崎豊子さんの小説「大地の子」のモデルにもなった。
　その後、宝山鋼鉄は合併を繰り返して巨大化し、グループの中国宝武鋼鉄集団の粗鋼生産は世界首位となった。
　日鉄と宝山鋼鉄は２００４年、欧州鉄鋼大手のアルセロールと自動車用鋼板を製造販売する合弁会社を設立したが、中国の自動車市場では電気自動車（ＥＶ）が台頭。日本の自動車メーカーは販売が苦戦しており、成長が見込めないと判断したことが合弁解消の理由としている。
　評論家の宮崎正弘氏は「日鉄内部には自社の先端技術が中国側へ流出したことへの不満が鬱積していた」と話す。

トランプ政権で国務長官を務めたポンペオ氏を起用
　日鉄関係者は、合弁解消は「ＵＳスチールの買収とは一切関係ない」とする。ただ、トランプ氏は、大統領に返り咲いた場合、買収を「即座に阻止する」と強調している。日鉄はトランプ政権で国務長官を務めたマイク・ポンペオ氏を助言役に起用するなど「トランプ・シフト」を進めている。
　このところ、キリンホールディングスやＡＧＣ、パナソニックホールディングス、三菱自動車、ブリヂストン、住友化学などが中国事業からの撤退や縮小を発表している。
　経済安全保障アナリストの平井宏治氏は「米国側には宝武鋼鉄集団との協力関係を続けてきた日鉄を『〝親中企業〟ではないか』と警戒する声もあり、日鉄側は懸念を払拭する必要があったのではないか。中国も国策でＥＶの国産化を進めるなか、現地へ進出していた日本の自動車企業にとっては、痛みも伴うが、脱中国化は加速するだろう。軍事面にも関わるハイテク鋼材など先端技術をめぐっては今後、日本企業も米国側に付くのか中国側に付くのか、旗幟（きし）を鮮明にすることが求められる」と指摘した＞(以上「夕刊フジ」より引用)

　新日鉄当時から日本の鉄製造メーカーは散々中国の製鉄企業に煮え湯を飲まされてきたのではないか。それでもまだ日本製鉄は中国企業と「合弁」を実施していたのか。

「日本製鉄「確トラ」で決断？　鉄鋼大手の宝山と合弁解消　日本企業〝脱中国〟加速、米国側に「親中企業では」警戒する声」との見出しに驚いた。国家破綻の前に、中国の製鉄業は破産寸前ではないか。しかも過剰生産した粗悪な鋼材を世界中にダンピングして売り捌いているではないか。

　記事によると「キリンホールディングスやＡＧＣ、パナソニックホールディングス、三菱自動車、ブリヂストン、住友化学などが中国事業からの撤退や縮小を発表している」という。「ほぼトラ」になったから中国と縁を切る、というのは余りにあからさまではないか。

　その前に、グローバル化から国内回帰の経営戦略を打ち立て、実行しておくべきではなかったか。なぜ中国経済が崩壊過程に到った今になって、見捨てるように中国から手を退くのか。余りに薄情な経営者だと、中国から批判されかねない。

　中国に経済援助の一環で新日鉄が技術援助した。しかしその事実を中国民は少しも「有り難い」と感謝していない。中共政府が毎日のように繰り返す反日ドラマで日本がいかに中国に被害を与えたかと、国民を洗脳している。だから日本が中国を支援するのは当たり前だと思っている。

　しかし日本が中国で主として戦ったのは中共軍ではない。台湾へ逃れた国民党軍と戦った。いわば中共軍は日本軍と国民党軍とを戦わせて漁夫の利を得た。しかし現在の中国民はそうした歴史を殆ど知らない。ただ中共政府が繰り返す反日プロパガンダを信じているだけだ。

　愚かな自公政権は技術実習生と称する外国人労働者を大量に入れて、ご丁寧に製造技術を教えている。宮崎正弘氏が「日鉄内部には自社の先端技術が中国側へ流出したことへの不満が鬱積していた」と日鉄を代弁しているが、その原点は外国人技術実習制度にある。

　そんな愚かな制度は一日も早く撤廃して、日本国内に滞在している実習生を本国へ送り返すべきだ。日本の技術を教えて、日本国民に何の得があるというのか。それは農業に関しても同じだ。農業技術を教えて、日本の貴重なブドウやイチゴなど各品種の種苗まで持ち去られているではないか。

　日本国民は「お人好し」というよりも「愚かだ」と云うしかない。テレビなどマスメディアは外国人、とりわけ西洋人が日本の「ウマミ」を知って料理に使っている、と欣喜雀躍しているが、その材料を日本と西洋諸国とが奪い合うことになると、なぜ考えないのだろうか。たこ焼きの美味さを外国人に教える必要があるだろうか。イカの串焼きが美味しいと教える必要があるだろうか。ウナギのかば焼きが美味しいと、外国人に教える必要があるだろうか。

　以前は中国民や台湾人などはサンマを食べなかったが、昨今は日本漁船の先回りして大量に捕獲するようになった。誰がサンマの美味しさを彼らに教えたのか。ヘボ将棋でも何手か先を読んで指す。日本人は対外的な行為では一手先すら読めないのは何故だろうか。

　造船技術を韓国や中国に教えて、造船国・日本の地位を彼の国々に奪われて久しい。半導体は米国の圧力によりアッサリと韓国と台湾に手放し、今になって半導体国・日本を取り戻そうと躍起になっている。

　過去の愚かな行為を真摯に反省し、二度と繰り返さないように政府は国民に教育すべきだ。さもなくば、「お人好し＝バカだ」と誹られつつ、日本文化のすべてを私たちの世代で消耗し尽くしてしまいかねない。