トランプ氏は単なるモンロー主義者ではない。

「アベノセイダーズ」とは何であったのか
 まず、「トランプノセイダーズ」は、「アベノセイダーズ」と似たような思考回路を持っていることから話を始めたい。
 実際、米国だけではなく、日本でも必死にトランプたたきを行う新聞・テレビを始めとする「トランプのセイダーズ」と「アベノセイダーズ」とは、かなりの部分で重複する。
 このアベノセイダーズが、安倍晋三元首相に対して「死ね」などという暴力的かつ卑劣な言葉を投げかけていたのは周知の事実だ。昨年5月12日公開「自分勝手な論理で『人殺し』を賛美する人々へ、殺人肯定は『犯罪』ではないか」で述べたように、このような行為は「殺人教唆」にもなりかねない常軌を逸した行動である。
 そして同時に、2020年7月15日公開「『アベノセイダーズ』の罪と罰――安倍元首相暗殺が暗示する戦前昭和」の副題「『問答無用』は民主主義の最大の敵だ」で述べたように「反民主主義」でもある。
 戦後おおよそ80年間で腐敗した日本を改革することによって「美しい国」を目指す安倍氏に対する「抵抗勢力」は、1月9日公開「神仏習合の日本は『民主主義先進国』、これが灰色の世界への向き合い方」で述べたような、「絶対正義」を振りかざしながらも、『合理的』『科学的』『明確な』根拠を示せない悲しき人々であるといえるであろう。
 なぜ、「アベノセイダーズ」が安倍晋三氏を憎むのか?それは彼が既得権益を脅かしかねない「社会構造の変革」を成し遂げる実力を持っていたからだ。つまり、戦国時代の「破壊的改革者」である織田信長が既存勢力から憎まれたのと同じである。
 本能寺の変の「真相」は、1582年以来440年以上謎のままだ。黒幕説が流布するのも「織田信長が邪魔」な「抵抗勢力」が多数存在したからといえよう。
 安倍晋三暗殺事件の「真相」も「大原浩の逆説チャンネル<第2回・特別版>安倍元首相暗殺事件と迫りくるインフレ、年金・保険破綻」で述べたように、いまだに解明されていない。しかし、少なくとも結果的に「抵抗勢力」にとって都合がよかったことは否定できない。
 現在の岸田政権の混迷ぶりを見れば、安倍氏の存在がどれほど大きかったのかがよくわかる。
 幸いなことに、米国の「改革者」であるドナルド・トランプ氏は、(今のところ)織田信長や安倍晋三氏のように「暗殺」されておらず健在だ。だが、それだけに「反トランプ派」=「(改革に対する)抵抗勢力」の攻撃も激しさを増している。

人気者と「不人気者」
「抵抗勢力」のプロパガンダ機関とさえ言える、日米の新聞・テレビを中心としたメディアは、死に物狂いでトランプ・バッシングをしている。しかし、それは米国内のトランプ支持勢力が日ごとに勢いを増し、「彼ら(反トランプ派)が恐怖におびえている」ことの証明だといえよう。
「トランプのセイダーズ」の絶叫に惑わされると、重要な判断を誤ることになる。安倍晋三対「アベノセイダーズ」。そして、ドナルド・トランプ対「トランプノセイダーズ」。どちらも「一般国民」の人気を集める秀逸な人材と、その「人気者」を引きずり下ろそうとする「抵抗勢力」との対決である。
 11月に行われる米大統領選挙は、「トランプ対バイデン」が再現される可能性が高いと見られている。しかし、トランプ氏に投票する人々は紛れもなく「改革者としてのドナルド・トランプの人物や手腕」に投票するのに対して、バイデン氏に投票する人々の多くは「ジョー・バイデンが『反トランプ』」であるからという理由の場合が多い。
 それらの人々は、決して「ジョー・バイデンに一票を投じる」のではない。
 ただし、織田信長のケースがそうであったように、いつの時代でも「改革者」に対する強力な「抵抗勢力」は存在し大きな力を持っていた。だから、決して「反トランプ勢力」を侮ってはならない。
 しかし、2021年2月25日公開「テキサス州が『大統領選挙不正との戦い』を牽引しているのはなぜ」という問題に蓋をしてうやむやにしてきた、バイデン民主党政権に対する国民の目は厳しくなっている。
 1月18日公開「中国は現代のソ連に向かっている!? 『第2次冷戦』の構図、そして世界のパワーバランスはこうなる」冒頭「2024年は『大乱』がさらに激化する」において、「ハートランド/ラスムッセン世論調査: 郵便投票有権者の 5人に1 人が、2020 年の選挙中に少なくとも1 種類の不正投票を行ったことを認めている」事実を指摘した。
 郵便投票が「公正に行われている」とし、拡大を推進してきた民主党は、その「理由」をきちんと弁明すべきであろう。もちろん、選挙不正問題は郵便投票以外にも存在する。
 また、「反トランプ派」の「勝つためには手段を選ばない」と思える行動に、我々はもっと厳しい目を向けるべきだ。

疑惑のデパート・バイデン

 民主党の息がかかった新聞・テレビなどのメディアは、死に物狂いでトランプたたきを行う一方で、ジョー・バイデンやその一族の「疑惑のデパート」と呼ぶことができる一連の問題については、2020年10月25日公開「【米大統領選】ヒラリー疑惑もバイデン疑惑も『報道しない自由』って…」で述べたように、「報道しない自由」を駆使している。
「米国」あるいは「メディア」の「良心」は一体どこに消えてしまったのだろうとさえ思える。もっともそのようなものが存在すると考えていたこと自体が、我々の「幻想」であったのかもしれない。
 例えば、「大原浩の逆説チャンネル<第34回>バイデン大統領弾劾はあり得るか?米国政治の潮目が変わった。2024年大統領選挙は?」や、昨年7月14日公開「手加減問題で司法長官弾劾論まで飛び出す、息子の疑惑はバイデン大統領の身に及ぶか」という問題が存在する。
 BBC 昨年12月14日「バイデン氏の弾劾に向けた調査、正式に開始 米下院で可決」という段階だ。新聞・テレビは「報道しない自由」を駆使しているが、かつてトランプ氏に対して2回も行われた弾劾訴追よりも「明確な根拠」があると考える。
 バイデン疑惑解明の鍵を握ると考えられる息子のハンター・バイデン氏の裁判は、CNN 11月12日「ハンター・バイデン氏、無罪を主張 税金に絡む連邦訴追で」という状況だが、果たしてどうなるであろうか?

韓国化する米国

 米国の「韓国化」については、昨年9月2日公開「トランプ『魔女狩り』訴追とはバイデン米国は『韓国化』しているぞ」で詳しく述べた。
(どのような理由であろうと)「選挙に勝利した候補者が、司法の力を総動員して前大統領を刑務所に入れるなどして追い詰める」やり方は、まさに「韓流」である。
 2020年大統領選挙は「米国民主主義の試練」であったと言えるが、「その後の動き」を見れば、「誰が反民主主義」であったのかは明らかである。
 トランプ氏に対する訴追があまりにも多すぎて、「トランプ裁判」と言われても、「いったいどの裁判?」という状況だ。しかし、根拠の(ほとんど)無い訴訟ばかりだから、いくら裁判を起こしてもトランプ氏を葬り去ることができない。したがって、新たな裁判を起こすという「無間地獄」に陥っているのが現状である。
 新聞・テレビでは、「裁判を起こせば起こすほどトランプ支持が高まる」と伝えられるが、それも当然だ。
 2020年大統領選挙の際には、新聞やテレビのプロパガンダを鵜呑みにしていた人々も、大統領選挙から3年以上が経過した現在では「真実」を少なからず知るようになってきた。
「スラップ訴訟」としか思えない行動が、「反トランプ勢力」の暗部を照らし出しているといえよう。
 カトリック教会という、中世の「既得権益勢力」を打ち負かすことに、1450年頃「発明」したとされるグーテンベルグの「活版印刷」が大いに貢献した。
 米国あるいは世界の「既得権益勢力」を打破する上においても、「インターネット」という革命的手段は極めて重要だ。ただし、その「破壊力」を恐れる「抵抗勢力」による「検閲」などの妨害も激しい。
 我々は、そのような妨害・圧力に負けずに「真実」を手に入れるために努力すべきだと考える。

2024年大統領選挙は「革命」へとつながるか

 合理的な意見対立の解消方法は、前記「神仏習合の日本は『民主主義先進国』、これが灰色の世界への向き合い方」で述べたように、「相手は自分と違った存在である」と「認める」ことである。
 自分自身の信念が揺るがないのと同じように、相手の信念も揺るがない。だから、相手を認めることが出来なければ「殺し合い」しか解決方法が無いということだ。実際、多くの悲惨な戦争がこの理由で起こっている。
 前回米大統領選挙投票日、直前の2020年10月27日公開「第2次南北戦争も―選挙結果がどうなっても米国の分断は避けられない」で言及した「深刻な対立」はますます悪化している。
 今回は公正な選挙がきちんと担保されることを望む。しかし、たとえ公正な選挙の結果であったとしても、これだけ社会が分断してしまうと「平和」が維持できない恐れがある。
 さらに、昨年12月23日公開「アメリカン『ドリーム』と『ナイトメア(悪夢)』の落差、『夢』を与えられない人々の怒りが爆発する」や同10月17日公開「米国型弱肉強食モデルの終焉、『万引き天国』と21世紀の『アヘン戦争』」のように「2極化」が進んだ米国においては、フランス革命時の「第三身分」の底辺に位置するような人々が増えている。ちなみに、第一身分が司教、司祭などカトリック教会の聖職者であり、第二身分が貴族である。
 2024年大統領選挙の後に起こる激震は、「フランス革命」に例えられるようなものになるかもしれない>(以上「現代ビジネス」より引用)




 大原浩(国際投資アナリスト/人間経済科学研究所・執行パートナー)氏が「韓国化する米大統領選、トランプ支持が高まって、なりふり構わぬ「反トランプ勢力」」と題する小論を一読して、大原氏の古代妄想癖に驚いた。結論として大原氏は「米国の「フランス革命」が起こるのか?」とまで推論しているが、トランプ氏が米大統領選に勝利しても革命など起きはしないし、米国が韓国化(韓国に対して大変失礼な話だが)するとは思えない。
 このまま行けば2024大統領選のトランプ氏の勝利は動かない。民主党陣営が2020大統領選で使った様々な不正を再び発動したとしても、トランプ氏は勝利するだろう。様々な不正とは投票率120%とか、死者の投票とか、投票機の不具合とか、真夜中の開票が行われバイデンジャンプが起きたこととか、数え上げれば際限ない。

 トランプ氏が勝利すれば社会不安が拡大する、というのは民主党によるデマゴーグでしかない。むしろ民主党の側こそが米国社会を分断し、混乱に陥れたのは明らかだ。ちなみに民主党の市長などがいる都市こそ警察予算を削減して社会的混乱を拡大している。またジョー・バイデン氏がメキシコ国境の壁建設を邪魔して、大量の難民が米国に雪崩れ込み、米国民の税金が惜しげもなく難民救済に濫費されている。
 もちろん難民が大量に流入した地域の治安が悪化しているのは結果が示している。国際的な情勢を見ても、バイデン氏が大統領に登場する以前のトランプ時代と比べて、どちらが平和だったかも明らかだ。民主党は米国にとって疫病神以外の何ものでもない。

 日本の著名な評論家の中にもトランプ氏が勝利するとウクライナ支援を止め、米国は「一国平和主義に戻るのではないか」と大真面目に発言している者がいる。確かにトランプ氏は「米国ファースト」を謳っているが、それは決してモンロー主義に回帰することではない。
 トランプ氏はグローバリズムに対抗する反・グローバル主義を掲げているが、決して狭隘な一国主義でないことは先の一期目で分かっている。グローバリズムの小僧・バイデン氏は金正恩と会談していないが、トランプ氏は二度も会談した。中東の平和を劇的に実現したのはトランプ氏で、バイデン政権下に中東で紛争が起きている。世界の独裁者たちをトランプ氏はある程度グリップしていたが、バイデン氏は独裁者たちに舐められている。

 大原氏は「自分自身の信念が揺るがないのと同じように、相手の信念も揺るがない。だから、相手を認めることが出来なければ「殺し合い」しか解決方法が無いということだ。実際、多くの悲惨な戦争がこの理由で起こっている」との論理を展開しているが、米国の信念と独裁者たちの信念を同列に論じるのはばかげている。なぜなら米国は有権者の自由意思による投票で大統領が選出されるが、独裁者たちの国では国民の意思が問われることはない。ロシアは建前上は民主主義を装っているが、反対派を弾圧し批判する者を投獄し粛清する民主主義国家などあって堪るか。
 そして独裁者たちの信念とは羊のように国民を恐怖で飼い慣らし、国民の富を奪って一身に集める確固たる「信念」だ。そんな信念など決して認められるものではない。かつて帝国主義諸国が世界中を蚕食し現地民を奴隷として使役した時代があった。「かつて」と呼んだが、地球上から植民地が「絶滅」したのは1960年代のことだ。先の大戦後のことだ。独裁者たちは先史時代から存在しているだろうが、21世紀に絶滅させなければならない不平等にして非人権的な政治制度を「信念」などと云って容認してはならない。

 それでは戦争で滅ぼすのか、いやそうではない。トランプ氏が対中デカップリング策を掲げて対中経済制裁したが、その対中策によって習近平独裁体制は大きく揺らぎ、今では中国はデフォルト寸前にまで追い込まれている。バイデン氏が「中国は競争相手だ」と助け船を出そうとしているが、米国を売る売国奴というにふさわしい所業だ。習近平氏は明確に米国を「敵国」認定しているではないか。その中国を戦争手でではなく、経済制裁でデフォルト寸前にまで追い込んでいるのはトランプ氏の賢明な対中デカップリング策ではないか。
 大原氏の論理は現代のチェンバレン氏の論理だ。イランでは宗教指導者の意匠を纏っている独裁政権下でヒジャブを被らなかった16歳の少女が警官によって撲殺された。そんな独裁政権など「信念」と呼ぶことが烏滸がましい。イスラム教を纏った独裁者の私利私欲以外の何ものでもない。千年以上も前の宗教で現代を裁くのは、中世におけるキリスト教の宗教裁判がいかに不合理であったかを見るまでもなく合理性を欠く。云うまでもなく、千年以上も前の宗教は当時の常識や見識によって形成されている。現代は宗教教義よりも人権や自由が優先される。個々人の人権や自由こそが祭壇に祀られている「神」よりも尊重される。だから先進諸国では政教分離が当たり前になっている。それは米国でも同じだ。そして国家・社会の維持のために治安警察が公序良俗に反する者を規制し逮捕するのは当たり前の行為だ。トランプ氏は当たり前のことをしたし、しようとしている。それだけのことでフランス革命を起こす必要など何処にもないし、米国で革命など起きはしない。

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