米大統領選でトランプ氏が戦う相手はバイデン氏か。

<トランプ前米大統領は再選に向け、共和党候補指名争いの初戦となるアイオワ州の党員集会で圧勝を収め、ホワイトハウス復帰へ一歩近づいた。

  有権者は異例の厳しい寒さにもかかわらず、投票所へと足を運び、トランプ氏に大勝をもたらした。対抗馬のフロリダ州のロン・デサンティス知事とニッキー・ヘイリー元国連米大使がトランプ氏のリードを今後大きく揺るがす見込みは低いとみられている。
 トランプ氏が世論調査の事前予想通り、近く予備選を開く他の州でも勝利を収めれば、トランプ氏は候補指名を固め、本選でのジョー・バイデン大統領との再対決に向けて本腰を入れることになる。
 アイオワ州の党員集会は、米国の民主主義の真価が問われる2024年の大統領選の幕開けとなる。大統領選の結果は、世界における米国の役割や国内の政治体制に影響をもたらすだろう。トランプ氏が勝利すれば、貿易、世界の紛争、税制、公民権に関する米国の政策が劇的に変わる可能性がある。
 バイデン氏の年齢や経済運営に対する有権者の懸念が根強いことを踏まえると、アイオワ州での大勝を受けて、トランプ氏の再選はさらに現実味を帯びてきた。トランプ氏は、20年の大統領選の結果を覆そうとした疑いも含め4件、計91の罪状で起訴されているが、これまでのところ、トランプ氏を取り巻く係争問題はむしろ共和党支持者を活気づけている。
 世論調査を担当するフランク・ランツ氏はブルームバーグテレビジョンで「きょう選挙が実施されたら、トランプ氏はバイデン氏に勝つと思う」と語った。
 もっとも、アイオワ州での圧勝は、11月の本選での勝利への道筋を示唆するものではない。トランプ氏は全国的な世論調査でバイデン氏をリードしているにもかかわらず、共和党支持層以外の有権者の間では依然として総じて不人気だ。
 アイオワ州党員集会におけるトランプ氏の得票率は51%。同州共和党によると、これまでの同州党員集会で最大だった記録の倍以上に達する大差での勝利だった。
 トランプ氏はアイオワ州での勝利を受けて「今こそ、米国が一つになる時だと心から思う」と発言。本選に照準を合わせていることをうかがわせた。
 「APボートキャスト」によると、米国が直面する最重要課題としてアイオワ州の共和党員のうち4割は移民問題を挙げ、3分の1を占めた経済問題を上回った。移民を重視する有権者のうち、大半がトランプ氏を支持し、トランプ氏が掲げる強硬な移民反対論に賛同した。このうち、移民は米国を豊かにするどころか、むしろ傷つけていると考える人が約4分の3に上った。

経済問題を優先した約3分の1の党員のうち、約半数がトランプ氏を支持している。
 トランプ陣営を支持する外部組織からは、ライバルに対して候補争いからの撤退を求める声が強まっている。アイオワ州の党員集会で4位に終わったビベック・ラマスワミ氏は撤退を決め、トランプ氏への支持を表明した。
 2位に食い込んだデサンティス氏にも、まだわずかながら戦えるチャンスはある。同氏の陣営は、アイオワ州で2位に入ったことで予備選が集中する3月の「スーパーチューズデー」まで候補争いに残れるとみている。
 アイオワ州で3位という不本意な結果に終わったヘイリー氏は、来週行われるニューハンプシャー州の予備選にかけている。同州は無党派層が多いため、大きな支持を集めると見込んでいるためだが、そのようなシナリオはひいき目にみても望み薄だ。
 2022年の中間選挙では自身が推薦する候補が相次ぎ敗れ、約1年前には政治生命が危ぶまれたかにも見えたトランプ氏。その後のトランプ氏の劇的な復活劇はアイオワ州での圧勝で頂点を迎えたとも言えそうだ。
  昨夏までに相次いだトランプ氏に対する起訴は、政治的な動機によるものだとの見解を共有するトランプ氏の支持者をかえって勢いづかせた。アイオワ州の世論調査では、有罪評決を受けたとしてもトランプ氏に投票すると答えた支持者が過半数を占めた>(以上「Bloomberg」より引用)





 1月15日にアイオア州で行われた共和党の予備選で大方の予想通りトランプ氏が圧勝した。
ただニッキー・ヘイリー氏が二位に食い込まなかったため、予備選でヘイリー氏が最終的に逆転勝利するシナリオは崩れ去った。直前に実施されたエマーソン大学NBCニュースの世論調査でも、トランプ氏の支持率がそれぞれ55%、2位ヘイリー氏21%、3位デサンティス氏15%とトランプ氏48%、2位ヘイリー氏20%、3位デサンティス氏16%と、いずれもヘイリー氏が二位に入っていただけにヘイリー陣営にとっては予想外と云うしかない。
 次の共和党・民主党予備選は1月23日にニューハンプシャ―州で実施されるが、そこでヘイリー氏が二位ではなく一位にならなければスーパーチューズデーまで予備選を戦い抜くのさえ困難になりかねない。

 2024米大統領選でトランプ氏が共和党候補になるのは、これでほぼ間違いなくなった。その代わりバイデン氏が民主党の候補者ではトランプ氏に勝てないことも、各種世論調査で明らかになっている。
 そうすると噂されているように、3月にバイデン氏が大統領選挙レースから降りるのではないか。巷間名前が上がっているミシェル・オバマ氏が大統領候補として登場するシナリオが現実味を帯びて来る。そうすると確かにトランプ氏の当選確率は低くなるだろう。

 ニッキー・ヘイリー氏はトランプ批判の急先鋒だが、その姿勢を弱めてトランプ氏と協力して共和党政権の樹立に動けば、民主党の最強候補ミシェル・オバマ氏に勝てるかも知れない。
 ヘイリー氏にそうした柔軟な駆け引きが出来るだろうか。彼女はまだ若いから、次の大統領候補を狙うための経験を積む期間だとして、トランプ氏の副大統領を務めるのは決して損な取引ではない。そうするためには2024大統領選レースで惨敗する前にレースから降りることが必要ではないだろうか。

 一期米大統領を勤め二期目で敗れて、その次の大統領選で当選を果たしたのは米国史上たった一人しかいないという。トランプ氏が二人目になるためには幅広い有権者の支持を集める算段が必要だ。ヘイリー氏はトランプ氏が持っていない数々の魅力を持っている。
 若い女性というだけでなく、インド系二世の米国人という点で、マイノリティーの支持を集められるだろう。米国最難関とは云えないまでも、かなりのハイ・レベルの大学を卒業している点もトランプ氏にはない魅力だ。しかもサウスカロライナ州下院議員、第116代サウスカロライナ州知事、第29代アメリカ合衆国国際連合大使といった政治的キャリアも他の副大統領候補と見劣りしない。後はトランプ氏が大統領候補レースの敵だった女性を受け容れるだけの戦略家かどうかが問われる。さもなくば民主党大統領候補がバイデン氏からミシェル・オバマ氏に交替したら、苦戦を強いられるだろう。

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