トランプ脅威論を唱えるのは国民を洗脳したいマスメディアの策謀だ。

<ドナルド・トランプ2.0が米国の民主主義に突きつける脅威は1期目よりさらに大きなものになることには、ほとんど疑う余地がない。
 しかし、同じ警告を何度も国民に発しても、思うような効果は得られない。
 根拠もなしに言っているわけではない。ほうれん草を口にするのを頑なに拒む人に、この野菜は本当に健康に良いんだとどんなに大きな声で言っても無駄だ。

頭はインフレ、移民、犯罪でいっぱい

 民主党が抱える問題はコミュニケーションよりも根が深い。トランプが2020年に敗れた主因は、パンデミックへの対応を誤ったことにあった。
 米国の有権者がジョー・バイデンを選んだのは、合衆国の憲法規範を回復させたかったからだと考えられたら、どんなにいいかと思う。実際、そう考えて投票した人もいただろう。
 だが、それだけではトランプの敗北は説明できない。少なくとも、出口調査の結果を見る限りではそうだ。
 また、2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件や、トランプがバイデンの勝利を決して受け入れなかったことが来年の選挙で有権者の心に大きく影響すると考えられたら、どんなにいいかとも思う。
 残念なことに、そうなる兆しは今のところほとんどない。有権者の頭のなかはインフレ、移民、犯罪でいっぱいだ。

エリートと庶民の間に大きな溝

 国民の多くは、民主党がトランプの脅威を誇張しているとか、その脅威論を用いて相手の人となりをけなしているなどと思っている。
 首都ワシントンやニューヨーク・マンハッタンの高級住宅地アッパーイーストサイドの人々と付き合いがあるのなら、トランプの脅威は存在に関わるこのうえない脅威だ。
 犯罪の不安を除けば、そのような人々の懸念と中間層の有権者の懸念が交わることはめったにない。
 米国のコグニティブ・エリート(世襲ではなく自分自身の知的能力で富を築いたエリートのこと)に向かって、自分の世界観を鵜呑みにしてはいけない妥当な理由があるかもしれないと説き、納得させるのは至難の業だ。
 説得を始める前に不道徳だというレッテルを相手に貼ってしまったら、説得の技術は発揮できない。

民主党から離れる有権者の共通点は?

 そんなことでは選挙にも勝てない。民主党にとって恐ろしく不愉快な現実は、米国の労働者階級の民主党離れがますます進んでいることだ。
 しかもその動きはヒスパニック系の男性・女性やアフリカ系の男性など非白人のブルーカラーにも及んでいる。
 こうしたトレンドはバイデン率いる民主党に警戒信号を発していると同時に、トランプを倒す方法の青写真も提供してくれる。
 カギは、元民主党支持者たちの共通点を見つけることにある。
 白人至上主義者であることが共通点でないことは明らかだ。「民主主義の将来を憂えている」でもない。
 米国経済は好調だ、もう文句を言うのはやめたらどうだと言っても効果はない。
 自分の懐具合がよく分かっているのは、財団に勤めている人々ではなく、中間層の世帯の方だと考えておくのが無難だ。
 平均的な有権者が抱く犯罪や移民への懸念にも、同じことが当てはまる。人種差別主義者にならなくても、自分の身の安全を心配したり不法移民の比率について怒ったりすることは可能だ。
 実際、そういうことは割合よく見られる。また、トランプの言うことを全面的に支持したり、すべて信じたりすることなく、トランプに投票することも可能だ。

トランプがファシストだと叫んでも無意味

 トランプは先日、移民は「我が国の血を汚す」と発言し、それにふさわしい怒りを買った。
 わずか1文で、ものの見事に人種差別主義者になると同時に、自分の母親に加え、妻にした3人の女性のうち2人をおとしめた。
 だが、この発言はトランプがファシストであることを意味しているなどと叫んでも、たとえそれが事実だとしても、有権者は民主党に戻って来ない。
 選挙に勝つコツは、自分が語ることと人々が耳にすることとを区別するところにある。
 トランプはあらゆる種類の不快なことを口にするが、すべての有権者がそれを同じように聞いているわけではない。
 民主党はあらゆる種類のアラーム(目覚まし時計)をけたたましく鳴らしているが、すべてのことがアラーム(警報)を鳴らすに値するわけではない。
 最もよく流されている警告の一つに、「米国には偽情報があふれている」というのがある。
 真実さえ知ってくれれば、有権者は理解してくれる。理解してくれない有権者がいたら、それはその人が進んで悪の奴隷になったことの証明となる——という考え方だ。
 後者に該当する有権者は確かに存在する。しかし、その人たちは、バイデンの再選に必要な有権者ではない。
 トランプが勝つか負けるかを決めるのは前者の有権者だ。

有権者の懸念に有権者の目線で応える

 有権者の考えを有権者自身よりも心得ているというような認識を候補者がほのめかすのは、タブーであるはずだ。
 不幸にも、左派はそれを我慢できないことが時々ある。
 何が本当で何が嘘かを判断する認識論的な難しさを別にすれば、有権者はけなされたように感じることが多い。
 選挙に勝ちたいなら、有権者の不安に有権者の目線で向き合わなければならない。
 バイデンはまだそのやり方を見いだしていないのではないかという懸念が一部で生じる理由はそこにある。
 ここで良い知らせと悪い知らせがある。
 良い知らせは、バイデンにはまだ時間があるというもの。悪い知らせは、彼の献金者やコンサルタントの大部分がほうれん草にこだわっているというものだ。
 次の2文はいずれも本当だ。
1)トランプは米国という共和政体を死に追いやりかねない脅威である。
2)国民のほぼ半分はその話を信じていない。
 従って民主党は、自分たちへの投票を呼びかけるもっと説得力のある方法を見つけなければならない。>(以上「JB press」より引用)




 引用記事は「Financial Times」のものを転載したものだ。見出しは「米国人をいくら脅かしてもトランプ嫌いにはならない」とあって副題は「民主主義を論じても無駄、有権者の不安には有権者の目線で応じよ」という支離滅裂なものだ。
 トランプ氏が何をしたと云うのか、とFinancial Timesに訊きたい。むしろ2020の不正選挙でバイデン氏が当選してから、米国経済はインフレに見舞わて、米国民の暮らしは大きく落ち込んだ。

 Financial Timesはトランプ氏に恨みでもあるのだろうか。最後の一節にFinancial Timesの「彼もまたマスメディアだ」という正体が露わだ。
「次の2文はいずれも本当だ。
1)トランプは米国という共和政体を死に追いやりかねない脅威である。
2)国民のほぼ半分はその話を信じていない。」と二文を掲げているが、いずれも本当ではない。
 トランプ氏はむしろ共和政体の救世主であり、国民の過半数がそのことを信じて期待している。バイデンこそが大量難民を米国内へ誘導し、米国社会の秩序を破壊し国民の富を浪費しようとしている。

 確かにトランプ氏は野卑だ。彼の言動は品性に欠ける。しかし上品な詐欺師より、野卑な正直者の方がマシだ。いかにも上品な紳士面し洗練された言葉を操ろうと、中共政府などから賄賂をポケットに入れている政治家を信用できるだろうか。
 その国の世論を操るつもりなら、マスメディアを支配すれば良い。戦前の日本がそうだったし、戦後の日本もそうだった。戦前は軍部がマスメディアを支配し、戦後はGHQが支配した。現代米国はウォールストリートに巣食うDSたちが米国主要マスメディアとXを除くSNSプラットホームを支配している。そして米国民の半数がフェイク・ニュースに操られてきたことを自覚している。その半数とはトランプ氏を支持している米国民だ。

 2024米大統領選で米国民は何を投票基準にするだろうか。多くの国民は2020当時と現在の米国および自分の暮らしを比較して、米国は良くなっているのか、自分の暮らしは良くなっているのか、と考えてバイデン氏かトランプ氏かを決めるだろう。彼らは二人の治世がいかなるモノだったかを経験して良く知っているから、比較検討は極めて客観的になされるだろう。
 国内で最大の政治課題となったバイデン政権下で起きたインフレはバイデン氏のエネルギー政策の失敗に起因するものが大だった。外交・外政ではバイデン政権は失敗の連続だった。アフガン撤退から始まり、プーチンのウクライナ侵略戦争を止められなかったし、トランプ氏が達成した中東の平和を台無しにした。習近平氏は米国に乗り込んで、バイデンにと数時間も直接会談して、晩餐会はおろか共同記者会見すら開けなかった。米国民は会談内容について知る権利があるが、しかし米国主要マスメディアはそのことに関して殆ど何も触れていない。一体、米国のマスメディアは正常に機能し、米国民の知る権利を満たしているのだろうか。

 トランプ氏は目に見える成果がなかったにしろ、金正恩氏とも複数回会談した。米国を標的とするICBMを開発している国の独裁者と一度も会談しない米国大統領・バイデン氏は大統領としての職務を果たしていると云えるだろうか。
 崩壊する中国とデカップリングすることは米国経済を守ることでもある。今後中国の経済行動として予測されるのは、中国内に溢れる各種製品のダンピング輸出だ。一部の米国消費者は中国によるデフレ輸出を歓迎するかも知れないが、それは米国内の製造業を破壊する。長期的に見れば中国によるデフレ輸出を厳しく規制すべきだ。そのためには対中デリスキングではなく、対中デカップリング策こそ実施すべきだ。2024米国大統領選挙で米国民は米国と自分たちのために誰を選ぶべきか、明白ではないだろうか。

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