イスラエルを非難する国連事務総長はどうかしている。

＜国連安保理 アメリカとロシアの決議案 いずれも否決される事態
　イスラエル軍とイスラム組織ハマスの軍事衝突をめぐり、国連の安全保障理事会では、アメリカが提出した「戦闘の一時的な停止」などを求める決議案が、ロシアと中国の拒否権によって否決されました。
　これに続いてロシアが提出した「即時停戦」を求める決議案も採択に必要な賛成が得られずに否決され、安保理はまたしても一致した対応をとれない事態となりました。

　国連安保理では25日午後、日本時間の26日朝、アメリカとロシアがとりまとめた2つの決議案の採決が相次いで行われました。
　このうちアメリカの決議案は、すべての国の自衛権を確認したうえで、ガザ地区への人道支援を行うために「戦闘の一時的な停止」を含むあらゆる措置を講じるよう求めていましたが、採決の結果、15か国のうちアメリカや日本など10か国が賛成したものの、常任理事国のロシアと中国がそろって拒否権を行使し、決議案は否決されました。
　続いて採決が行われたロシアの決議案は、ガザ地区の封鎖を非難し、人道目的での「即時停戦」などを求めていましたが、賛成したのはロシアや中国、UAE＝アラブ首長国連邦など4か国にとどまり、アメリカとイギリスが反対、ほかの9か国が棄権して採択に必要な賛成が得られず、こちらも否決されました。
　会合でアメリカのトーマスグリーンフィールド国連大使は「ロシアと中国の拒否権行使に深く失望している」と述べ、各国との調整を行わなかったロシアを非難したの対し、ロシアのネベンジャ国連大使はアメリカの決議案について「事態を悪化させ、一般市民を救うよりもアメリカの中東政策の強化をねらっている」と非難しました。
　アメリカとロシアの決議案が双方の対立からいずれも否決され、安保理はまたしても危機的な状況を前に一致した対応をとれない事態に陥っています。

非常任理事国 新たな決議案とりまとめへ
　アメリカとロシアの決議案がいずれも否決されたことを受け、安保理非常任理事国10か国を代表してマルタのフレイザー国連大使が発言し「国連加盟国から選出されたわれわれ非常任理事国は、国際社会の代表でもあり行動する義務がある。一刻の猶予も残されていない」と危機感を示し、常任理事国の間で対立が続く中、非常任理事国が新たな決議案をとりまとめ、採択を目指す考えを示しました。
　また、アメリカの決議案に賛成しロシアの決議案の採決は棄権した日本の石兼国連大使も、「安保理はこの問題に関与し続け、必要なときにいつでも行動できるようにしておくことが重要だ。私たちは世界の期待を背負っている」と述べ、安保理が一致した対応をとれるよう取り組む考えを強調しました＞(以上「NHK」より引用)

　中東情勢に関してマスメディアに情緒的な論調が目立つ。今朝(10月26日)の朝日テレビの報道情報番組を視聴していると、ハマスがイスラエルを攻撃したのも悪いが、イスラエルが国軍で空爆するのも悪い。そもそもイスラエルがパレスチナ人を狭いガザ地区に押し込めて、アラブ人を慢性的に「虐殺」していたのではないか、と云う始末だ。

　さらに弱者が強者に立ち向かうにはゲリラや人質を取るのは常套手段だ、と発言するに及んでテレビのスイッチを切ってしまった。バカも休み休み言うべきだろう。音楽祭に集まっていた観衆が強者で、そこへ爆弾や自動小銃で武装し雪崩れ込んだハマスの戦闘員が弱者だというのだろうか。

　云うまでもない、ハマスは野外音楽祭に集まった丸腰の市民を二百数十人も虐殺し、同じく二百数十人もの市民を人質に捕らえて拉致・連行した。それをテロと呼ばずして、何と呼べば良いのだろうか。テロ集団の彼らは統一した軍服を身に着けることはないが、そうした便衣兵を国際戦争法では「軍隊」とは認めていない。つまりハマスとは強盗殺人集団と何ら変わりない連中だ。彼らを相手にイスラエルは何を協議し決めると云うのか。

　国連もどうにかしている。イスラエルが地上軍を国境周辺に配備して、ガザ地区のハマスに掃討戦を仕掛けるのを非難してはいけない。それはイスラエルの国家として当然の権利だ。何よりも国連はガザ地区の外からテロ集団に指示を出しているハマス幹部を国際指名手配すべきだろう。当然ながら、ハマスを資金面で支援し武器を供与しているイランに対して、国連は制裁を課す案件を議題として取り上げるべきではないか。

　イスラエルはパレスチナを「国家」として承認している。もちろんパレスチナもイスラエルを殲滅するなどと発言していない。しかしハマスはイスラエルを殲滅して、中東からユダヤ人国家を消し去ると叫んでいる。そんな連中に同情して「弱者が強者に立ち向かうにはゲリラしかない」などと発言するバカなコメンテータをテレビに登場させてはならない。

　ハマスの最高司令官はスポンサーに対して存在証明の大規模テロを戦闘員に命令しただけだが、イスラエルは大規模テロを仕掛けられて国民が多数死傷した。しかもハマスの最高指揮官はガザ地区にいて陣頭指揮を執っているのではない。40億ドルもの私財を保有してカタールの豪邸で贅沢三昧の暮らしを送っている。いわば無法な破落戸集団の頭目でしかない。

　世界は「独裁国」対「民主主義国」との最終決戦に入っている。国民の総意によるブレーキの利かない独裁国では国民の大半は搾取される対象でしかなく、その搾取の仕組みを隠すために様々な意匠を独裁者は身に纏っている。

　或いは「王族」であり、或いは「民族解放」であり、或いは「宗教教義」だ。それらの意匠を掲げて、国民を洗脳し国民を貧困化させ国民を戦地へと駆り立てている。そして独裁者に共通するのは巨万の富を蓄えて贅沢三昧の暮らしを送っていることだ。習近平氏も金正恩氏も独裁者の例に漏れない。

　今世紀を限りに、独裁者が国家と国民を恣に操る国家を地球上から消し去らなければならない。彼らは自分の地位と財産と贅沢三昧の暮らしを守るために国民を戦地へと平気で狩り出す。そして世界中のどこででも戦争を始める。彼らの身勝手さを国際世論は許してはならない。