表の政治を操る裏の利権屋たち。

<ロシアのウクライナ侵攻の影響で、長年緊密な関係にあった両国の裏社会に亀裂が入っている。ウクライナの密売人、キリムさん(仮名、59)が、港湾都市オデーサのカフェで語った。(写真はウクライナ南部オデーサのカフェで、AFPの取材に応じるキリムさん〈仮名〉)
 「ウクライナの犯罪者の大多数はウクライナの味方だ」。コーヒーを運んで来たウエーターが離れるのを待って、キリムさんは言った。「でもロシアと協力し続けるやつらもいる」
 旧ソ連崩壊後、政治腐敗が拡大する一方で、文化的、言語的、歴史的なつながりを持つ両国では組織犯罪が横行。麻薬や銃の密売、人身売買のネットワークは世界でも最強レベルとなった。
 NGO「国際組織犯罪対策会議」のチューズデー・レイタノ氏は、両国の闇社会のつながりについて「欧州で最も緊密な犯罪エコシステム」だと指摘した。
 つながりは侵攻で混乱はしているが、依然存在する。

 ■「愛国的」犯罪者
 侵攻が始まると、前線での戦闘や検問所の設置などにより、ロシアと欧州をつなぐ密輸ルートは寸断された。大規模な破壊とウクライナ国民が強いられた苦難への怒りから、ウクライナとロシアの間には壁ができた。
 レイタノ氏は、「ウクライナではロシアへの反感が強まっており、犯罪者さえも愛国的になっている」と分析する。
 愛国者を自任する密売人のキリムさんも、ロシア人との取引を完全にやめたと話した。
 兵士や市民を支援するために寄付している犯罪者もいる。中には兵士として前線で戦うことを選んだ事例もあるという。
 オデーサで借金取りとして働くアレクサンドルさん(仮名、40)も、自身は愛国者で、ロシア人との取引は断っていると話した。ただ、国家は根本的に腐敗しているとし、犯罪者間のルールでは国家への協力は一切認められていないと語った。
 「彼ら(軍)のために戦うのはごめんだが、自分の街のためなら戦う」と、サングラスをかけたアレクサンドルさんは、2杯目のビールを飲みながら言った。
 キリムさんとアレクサンドルさんによると、侵攻開始後、ウクライナの治安当局は裏社会に活動停止と、ロシアに関する情報提供を求めた。
 これに従わなかった者もいる。
 治安当局はAFPに、ロシアに協力し、「地元住民を怖がらせ、脅していた」オデーサの有力犯罪組織を2022年春に「無力化」した事例を明かした。
 
■「オデーサはオデーサ」
 取引相手がロシア人であろうがなかろうが、侵攻に伴う障害があろうがなかろうが、犯罪者たちはオデーサで活動を続けている。
 キリムさんは軽く肩をすくめた。「そうはいっても何も変わらない。オデーサはオデーサのままだ」
 侵攻が始まると、国際犯罪組織の幹部らはロシアやウクライナを離れ、中央アジアや湾岸諸国などに散らばった。
 レイタノ氏は「ロシアとウクライナの裏社会は今も、ウクライナ国外で協力関係を維持していることが分かっている」と話した。
 欧州警察機関(ユーロポール)も、両国のマフィアが協力を続ける可能性は極めて高いとみている。カトリーヌ・ドボール長官は「現時点でロシアとウクライナのマフィアの関係断絶は確認されていない」と述べた>(以上「AFP=時事」より引用)




 「侵攻で裏社会にも亀裂 ロシア・ウクライナ」という外電が報じられた。旧ソ連当時はウクライナとロシアの裏社会も同一国だったため、深い繋がりがあっただろう。彼らは各地に群雄割拠して、組織の利益をそれぞれが分かち合っていただろう。
 しかしプーチンの戦争により、それまで意識してなかった国境が彼らの交流を阻んだに違いない。かつて日本でも「車夫・車曳」とはヤクザを指していた。彼らは地域から他地域へと荷物を運んで利益を得ていた。当然ながら地域から地域へと受け渡す相手もヤクザ稼業だ。

 しかも旧ソ連は社会主義社会だったため、社会の表も裏も腐敗は私たちの想像を絶していたに違いない。ウクライナ侵攻後にプーチンが徴兵した兵士が着る防寒服が倉庫になかったため「兵士たちの150万着の防寒着は何処へ行ったのか」と怒鳴り散らした、と報じる記事があったのを覚えているだろうか。
 しかし表社会が戦争していようと、それはそれ、だろう。裏社会は「儲け」こそが最優先する社会だ。そうした意味ではウォールストリートのDSたちと同類だ。たとえ米国と敵対関係にあろうと、中国がDSを設けさせてくれる間は親中派の姿勢を崩さない。だからDSに操られているホワイトハウスの高官たちは中共政府高官と面会にノコノコと北京へ出掛けて土下座する。

 なぜホワイトハウス高官が北京へ出掛けて低姿勢でなければならないのか。それは米国政権を操っているDSという裏社会が北京と繋がっているからだ。DSの代理人を長年務めて来たご高齢のキッシンジャー氏が北京を訪れたときの歓待ぶりと余りに対照的ではないか。
 ロシアでは裏社会で「政府の汚れ仕事」を果たして来た傭兵集団ワグナーを率いるプレゴジン氏が謀反を起こして中途半端に終わったが、ロシアはそこまで国家が混乱している。その一方、ウクライナはゼレンスキー政権を倒そうとする勢力は出ていない。少なくとも具体的に行動を起こす勢力はない。

 プレゴジン氏は中途半端に終わったが、ロシアには次々と第二第三のプレゴジン氏が現れてプーチンの政権を揺るがすだろう。もはやロシアはウクライナで戦争するどころではなくなっている。
 この秋にも飢饉が顕在化する中国の食糧の頼みの綱のウクライナ小麦だが、それを満載した貨物船をロシアのミサイルが攻撃した。ロシアと中国の関係悪化を恐れてか、プーチンは南アで開催されるBRICS会議は欠席したが、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の国際会議への参加の招待を受け、中国を訪問する予定だという。

 どことなく暗いイメージが漂うロシアの怖いイメージは、プーチンが元々政府公認の殺し屋集団KGBの一員だったことに大きく起因しているのではないだろうか。そういえば習近平氏も国民党軍を中国大陸から追い出した軍閥の一つ「紅軍」の二代目だ。彼らの政権もまた銃口から生まれた。この言葉は私が発明したのではない、かつて毛沢東が云った言葉だ。
 ロシアも中国も裏社会から表社会に躍り出た者が政権を牛耳っている、という共通点がある。だから彼らは双生児のように酷似している。
 裏社会は深層部でグローバル社会を形成している。利益さえあれば国家も人種も関係ない。もちろん政治体制も無関係だ。彼らが信用するのはゴールドだけだ。だから戦争を始める前にプーチンは世界中からゴールドをかき集めた。現在は習近平氏が搔き集めているから、ゴールドの相場が飛んでもなく跳ね上がっている。それも裏社会のなせる業だ。

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