小型潜水艇によるタイタニック観光ツァーなど論外だ。

<沈没した英豪華客船タイタニック号の残骸を見るツアー中に行方不明になった潜水艇「タイタン」の乗客が署名していたと考えられる免責同意書は、潜水艇を保有するツアー運営会社オーシャンゲート・エクスペディションズを乗客の遺族が提訴した場合に、運営会社を訴訟から守ることにはならない可能性がある、と法律専門家は話している。

 米沿岸警備隊は22日、発見された潜水艇の破片から、潜水艇が圧壊したとの見方を示した。
 2022年7月に潜水艇に乗り込んだ米CBSテレビの記者は、署名した免責同意書には死亡する可能性について、最初のページだけでも3カ所に書かれていたと話した。
 ロイターはオーシャンゲートの免責同意書の内容を独自には確認することができなかった。オーシャンゲートは22日時点でコメント要請に返答していない。
 免責同意書は常に有効とは限らず、十分に開示されていない重大な過失や危険を示す証拠がある場合には、判事が免責条項の適用を拒否することも珍しくはない。
 テキサス州を拠点とする弁護士で海事法を専門とするマシュー・D・シャッファー氏は「乗客には知らされていない潜水艇の設計や建造に関する情報がある場合や、潜水艇が今回の潜水には適していないという情報を認識しつつ運航されていた場合には、免責同意書の有効性は間違いなく失われる」と述べた。
 オーシャンゲートは、同社に重大な過失はなく、免責同意書には深海へ潜る危険について十分に記述してあるため、免責条項は有効だと主張するとみられる。
 過失があった場合にその度合いと、過失が免責条項の有効性に及ぼす影響は、事故原因によって決まることになりそうだが、事故原因は依然として調査中。
 カリフォルニア州の弁護士、ジョセフ・ロウ氏は「免責条項にもかかわらず遺族が請求できることには非常に多くのさまざまな事例があるものの、事故原因が究明されるまでは、免責条項が適用されるかどうかは判断できない」と語った>(以上「REUTERS」より引用)




 小型潜水艇タイタンが深海で瞬時に爆圧されて乗員五人全員死亡したとみられるという。犠牲者に哀悼の意を捧げるしかない。しかし、なぜそんな無謀なことをしたのだろうか。小型潜水艇によるタイタニック観光ツァーが開始された当初から「危険な遊び」だと思っていた。深海4,000mの世界に潜水することがいかに危険か、彼らは理解してなかったのだろうか。
 まず各自が何も装備しないで海に潜ってみるが良い。潜水経験のない者ならほんの5メートル潜っただけでも耳が痛くなり水中メガネが顔面に強く押し付けられるのに恐怖するだろう。それ以上潜ることは専門的な指導と装備が必要となる。

 水圧がいかに殺人的かその強さを実感していれば、チャッチイ小型潜水艇で水面下4,000mの潜水観光ツァーが危険なものか理解していたはずだ。それを緊急時の救助システムも何もない単独潜航でタイタニック観光ツァーを実行するなど狂気の沙汰でしかない。
 報道によると直径50センチの窓の外装ガラスの耐水圧は1,300mでしかなかったという。それで4,000mも潜航すれば破壊されるのは火を見るよりも明らかだ。しかも潜水艇の船体そのものも耐水圧4,000mのチタン製だったという。耐水圧4,000mの船体で性能ギリギリの4,000mを潜航するのは無謀だ。潜航と浮上を繰り返せば船体は必ず金属疲労する。しかも金属疲労を起こしやすいチタン製ならなおさら、繰り返された深海ツアーで耐水圧性能が4.000mを下回るようになったのは明らかではないか。

 何らかの事由により6m余の潜水艇が瞬時に60㎤に圧縮されたという。その原因究明は潜水艇を引き上げてから行われるだろう。観光ツアーを運行した業者は賠償責任を逃れられないだろうが、それを許可した政府の責任も問われなければならない。
 昨今は民間業者による宇宙旅行などといった金満家の「お遊び」も始まったようだが、そうした「危険なお遊び」を許可する政府当局もどうかしている。ロケット技術がいかに進歩してとはいえ、民間ロケットの危険性はバンジージャンプの比ではない。何事にも危険を伴うが、小型潜水艇による深海ツアーは論外だ。

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