プリゴジン氏の反乱の「目的」は。

<アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官は25日、ロシアの民間雇い兵組織ワグネルがロシア政府に対する武装反乱を試みたことについて、ウラジーミル・プーチン大統領の権威に「真の亀裂」が生じたことを示していると述べた。

 ブリンケン国務長官はアメリカのメディアに対し、エフゲニー・プリゴジン氏率いるワグネル戦闘員による反乱は、プーチン大統領に対する「直接的な挑戦」であり、プーチン氏は恩赦を与えることで合意せざるを得なかったのだと話した。
 この合意により、ロシアの2つの都市を制圧していたワグネルは、24日にモスクワへの前進を停止。ワグネルの戦闘員は野営地に戻り、プリゴジン氏はベラルーシへ移動することになった。
 ロシア国営メディアによると、隣国ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領が仲介した。、ワグネルを国家反逆罪に問う考えを示していたが、後にすべての罪状が取り下げられた。
 かつてはプーチン氏の支持者だったプリゴジン氏が現在、どこにいるのかは分かっていない。同氏の姿は、ロストフ・ナ・ドヌ(ワグネル戦闘員が軍事施設を最初に掌握したロシア南西部の都市)を離れる様子が目撃されているものの、そのあとの消息は確認されていない。

 ロシアのニュースサイトRTVIは25日午後、プリゴジン氏の広報担当が、同氏は「通常の通信手段を確保した時点」でメディアからの質問に答えると述べたと報じた。それ以上の詳細は明かにされていない。
 こうした中、プーチン氏は24日朝にワグネルの反乱を非難するテレビ演説を行って以降、公の場に姿を現していない。


「真の亀裂を示すもの」
 ブリンケン氏は25日、BBCがアメリカで提携している米CBSに対し、ロシアにおける24時間の反乱は「深い疑問を投げかけ、真の亀裂を示すもの」だと述べた。
 アメリカの複数のトーク番組に相次ぎ出演したブリンケン氏は、この反乱がロシア政府や、ロシアによるウクライナ侵攻にどのような影響を与えるかを予測するのは「時期尚早」だと語った。
「プーチン氏は(ウクライナ侵攻を開始した)16カ月前は、数日間で首都キーウを制圧し、ウクライナという国を地図から消し去ろうとしていた。しかし今では、自分が大きくした雇い兵に対して、ロシアの首都モスクワを守らなければならなくなった」
 そして、今回の出来事がロシアそしてプーチン氏個人をどこへ導くことになるのか、「推測」したくないとした。
 ロシアは、ブリンケン氏の発言について公にコメントしていない。
 24日の出来事を経てプーチン氏は、決して力強い存在には見えていないと、BBCのスティーヴ・ローゼンバーグ・ロシア編集長は言う。
 ワグネルはロシアの主要都市にある軍事施設を容易に掌握し、モスクワに向かって北上したし、ロシアの軍事指導部を倒そうとしたにも関わらず、プリゴジン氏は自由の身だからだと、ローゼンバーグ編集長は指摘する>(以上「BBC」より引用)





 既にプーチンがプレゴジン氏に対する「暗殺命令」を出したとの情報がある一方で、この一連の「騒動」はシナリオのある「演出」ではないか、いう見方もある。
 そのシナリオとはウクライナの首都キーウを再度ベラルーシから侵攻するためではないか、というものだ。ベラルーシから100㎞ほどのキーウを電撃的に急襲するために司令官としてプレゴジン氏を大々的にベラルーシへ派遣するシナリオの一環として、ワグネルのモスクワ進軍も実行したというものだ。

 軍隊が地上を移動すれば偵察衛星で丸見えとなる。ロシア軍をロシア領内からベラルーシへ大移動させ、さらにウクライナ国境線に終結させればキーウ急襲作戦はバレバレだ。しかし「亡命」という形で司令官・プレゴジン氏を移動させ、ワグネルの兵士たちをウクライナとの前線に沿って北上させ、ベラルーシとの国境線に終結させるなら、秘密裏に急襲作戦が実行できるかも知れない、とロシア当局がシナリオを描いたとしても不思議ではない。
 しかし、そんな芸当がプーチンに出来るだろうか。数万単位の軍隊を偵察衛星に見つからないように地上を移動するのは可能だろうか。そしてウクライナ北部からキーウへ向けてベラルーシ国境からプリゴジン氏率いるワグネルが進軍することなどありうるのだろうか。

 いや、それこそ何の根拠もない穿った見方というべきだろう。プリゴジン氏はウクライナ戦争の「兵站」利益分配を巡るショイグ氏たちとの権力争いに敗れただけではないか。そもそも国家に正規軍と傭兵部隊が存在していること自体が「異常」だ。指揮命令系統を異にする軍隊が複数存在することなど、普通の国家ではあり得ない。
 プレゴジン氏たちが率いる傭兵部隊はロシアが海外で展開する民族抑圧や虐殺や動乱などといった「汚れ仕事」を一手に引き受けていたという。そうした「汚れ仕事」を引き受けて、ロシア政府から割の良い報酬を受け取っていたのが傭兵部隊だ。だがウクライナ戦争ではロシア正規軍と張り合って、報酬の分け前に与ろうとした。当然ながら、正規軍の官僚たちと衝突することになる。

 プレゴジン氏がモスクワに進軍し始めると、プーチンはクレムリンから脱出して第二の指揮本部へ避難したという。もちろんメドベージェフ氏も家族とともにモスクワを離れたという。プーチン取り巻きのオリガルヒたちもトルコや他国へプライベート・ジェットで出国したという。彼らは国家に巣食う利益集団であって、決して国家指導者などではない。
 だからプレゴジン氏はモスクワまで進軍できたはずだ。しかし彼はルカシェンコ氏の仲裁を受け容れて軍を退き、彼はベラルーシへ「亡命」する形となった。が、24日にプレゴジン氏の行方は知れなくなり、彼が現在どこにいるのか誰も知らない。ワグネルは解体されてロシア正規軍に組み込まれたという。果たしてプリゴジン氏の反乱の「目的」は何だったのだろうか。

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