世襲候補に必要なのは。

<大激戦の衆参5補選(23日投開票)を巡って、安倍元首相の昭恵夫人の動静に、政界から注目が集まっている。
 昭恵夫人は20日、山口2区から出馬した自民党新人の岸信千世候補の応援に駆け付け、「主人がまいた種が信千世の中にも流れている」と涙ぐみ、「立派な成績で当選を果たさせていただきたい」と訴えた。

 岸信夫前防衛相は安倍の実弟。その長男・信千世氏は昭恵夫人にとって甥に当たる。身内のはずなのに、応援入りは投票日の3日前という遅さ。熱のこもった応援演説ではあったが、政界では「昭恵さん、随分冷たくないか?」という声が上がっている。
「昭恵さんは、自ら候補擁立を主導した山口4区にいち早く入り、次に向かったのは、与野党の一騎打ちとなっている参院大分選挙区でした。当初は、信千世さんの負けはないとみられていたので、陣営としては昭恵さんに来てもらうまでもないと考えていたようです。しかし、現状は野党系無所属で民主党政権時に法相を務めた平岡秀夫さんが猛追。慌てて昭恵さんの応援をお願いしたそうです」(地元関係者)
 これに“戦々恐々”となっているのが、自民党最大派閥の安倍派だ。信千世氏は当選後の安倍派入りが決まっているが、昭恵夫人の応援が「逆効果」になりかねないというのだ。
「信千世さんには、ただでさえ強烈な世襲批判が上がっている。そんな中、元首相夫人である『伯母』に応援に来てもらうというのは、世間にどう受け止められるか……。一族のオンブに抱っこで選挙を手伝ってもらっていると捉えられれば、世襲批判がさらに拡大しかねない。ひやひやものです」(安倍派関係者)

 朝日新聞が14、15日、山口2区を対象に実施した世論調査では「世襲」について「好ましい」が23%だったのに対し「好ましくない」は49%とダブルスコア。世襲批判の拡大は選挙に直撃する可能性大だ。安倍派が慌てるのは無理もない。
「山口2区には安倍派幹部が続々と応援に入っており、事実上の『次期会長争い』の様相です。信千世さんの圧勝を自らの“手柄”にするため、皆、必死になっています。落選させれば一大事ですよ」(官邸事情通)
 まるで厄介者扱いの昭恵夫人が安倍派にトドメを刺すことになるのか>(以上「日刊ゲンダイ」より引用)



 山口2区は激戦が伝えられている。実際には数ポイント岸氏がリードしている、との最新情報があるようだが、まだ態度を決めていない約2割の無党派層に「強いて云えばどちらに投票するか」と聞くと、「平岡」と答えた人が約4割で、「岸」と答えた人が2割ほどだったという。
 それは世襲候補の是非に関する質問の回答割合と見事に一致している。つまり選挙への関心が高まって投票率が高くなれば岸氏がリードしている数ポイントのアドバンテージなど吹き飛びかねない。そういう意味で昭恵夫人が岸氏の応援で2区入りしたのは「平岡」陣営にとっては朗報というべきだろう。

 しかも旧・統一教会で批判を浴びた萩生田氏や自民党国会議員の面々が2区入りするのも果たして岸氏にとってプラスなのか疑問のあるところだ。本来は岸氏が新人候補として一人で汗を流して街宣する方が清々しく共感を得るのではないだろうか。
 一人で一生懸命選挙運動していれば世襲批判も起こらないだろう。しかし聴衆を威圧するかのように大勢の県会議員や市議会議員を従えていては「さすがは世襲候補」た。曽祖父や父親などの威光に包まれている世襲候補の特権だろう。

 しかし考えてみれば慶応幼稚舎から慶応大学卒では、地元に幼馴染や同級生も皆無だろう。大学卒業後もフジテレビに就職し、その後は父親の秘書をしていたのでは山口2区に顔見知りなど誰もいないだろう。やはり岸氏が選挙で頼るとしたら親や祖父の七光りしかないのが現実ではないだろうか。
 だが山口2区で暮らしたこともない人に山口2区の切実な問題など何も解らないだろう。少子化や過疎問題や耕作放棄地問題や廃屋問題など、岸氏は無縁な東京の都心で暮らしてきた。そんな31歳の若者に山口2区の問題を熟知して解決策を提示せよ、と迫る方がどうかしている。彼に必要なのは国会の議席ではなく、山口2区での暮らしと地域社会の勉強こそが必要ではないだろうか。

このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。