モスクワの大通りで25万人ものイスラム教徒のデモ。
<モスクワで25 万人のイスラム教徒も人々が大通りを埋め尽くして大行進!断食明けの祝祭だが、「メガモスクの建設計画を正教徒が反対している為ロシアで緊張が日々高まっている」と中央ヨーロッパのメディアが報道>
「アッラー・アクバル(神は偉大なり)」と叫ぶ群衆がモスクワの大通りを行進している。その数25万人といわれる。イスラム教徒がメガモスクの建設にロシア正教徒が反対していることに対する抗議行動とみられている。
警察もパトカーを止めて群衆の行進を呆然と眺めているだけで、制圧しようとしていない。余りの数の多さに、身の危険すら感じているようだ。一万人や二万人なら警察隊が群衆に襲い掛かってデモを鎮圧できただろう。しかし大通りを見渡す限り埋め尽くす25万人ものイスラム教徒のデモに、プーチンは成す術がなかった。
これが一つの契機になるのではないだろうか。ロシアは既に数ヶ所の地方区でデフォルトに陥っているという。モスクワ区も例外ではない。政府財政は逼迫し、国民生活に大きな影響が出始めている。
なかなかロシア国内の情勢は日本の主要マスメディアで報じられないため、日本国民の多くは「先進自由諸国の経済制裁は効いていない」というヘボ評論家の言を信じる者がいるが、いかに食糧と資源があろうと、それだけで国民は生きられるものではない。「ひとはパンのみにていくるものにあらず(「新約聖書―マタイ伝・四」イエスのことば)」。
中央ヨーロッパの多くの国々もイスラム教徒の国だ。もちろん中央アジアも多くの人たちはイスラム教を信仰している。新疆ウィグルの人たちもイスラム教徒だ。ロシアと中国は独裁者が恣に政権を弄んでいるが、宗教にまで踏み込めば地雷を踏むことになる。
プーチンはロシア正教が味方に付いたお返しに、イスラム教に圧力を加え、メガモスクの建設に反対している。しかし宗教は独裁者の弾圧を跳ね返した史実は人類史上にゴマンとある。戦争遂行がママならないプーチンは国内経済の悪化に加えて、また一つ大きな時限爆弾を抱えたことになる。